浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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それなら愛そうダブルベーコンの精神

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耳がむず痒いせいか、この耳は耳掃除をしてくれと言わんばかりに、耳の穴が広がっている。
中を覗くと、固いであろう部分が見えた。
そこに耳かきをス~っと入れて、コリコリと剥いでいく。
パリッ
崩れる音がしたので、耳かきを引き抜くと、こびりついた固い垢がチョン!と乗っている。
指で耳を抑え直して、また耳かきを中に入れ、先ほど崩したそばを次はカリカリと、粉がこぼれ、ピンとした黒い毛がさじに絡まっているので、それを紙で拭う。
定期的に耳かきはしているというのだが、これは溜まりやすいといえる耳で、自分で耳掃除をしている部分と、そうでないところの汚れの差がはっきりとしていた。
こればかりは耳を抑えて、穴をしっかりと広げなければ、奥に耳かきをいれる前に、引っ掛かってしまう耳である。
そんな形をいいことに、市販の耳かきでは届かない位置にびっしりと垢がこびりついて、時折カラカラと音を立てるという悪さをしているそうだ。
なので耳掃除は浜薔薇でやってもらわなければならない。
蒸しタオルの心地よさに口元がふにゃっとなり、そんな中を耳掃除を始めますと、リラックスが始まっている辺りで行われるのだ。
「蘆根さん、出来れば耳の実況もお願いできますか!」
「えっ、あっ、いいけども、できるかな?」

指で耳を抑えなければ、しっかりと見えない耳に、浜薔薇特製の耳かきを入れる。
浜薔薇にはさまざまな耳かきがあるが、やはり一番人気は竹の耳かきで、やはりいいところは、耳の中を傷つけにくいことだ。
あっ、そうそう、耳かきの材質で耳掃除のやり方は変えている、竹の耳かきのやり方で金属の耳かきを使うと、耳が傷つく。
また逆に金属の耳かきのようなやり方で竹の耳かきを使うと、垢が剥がれ落ちてくれない。
螺旋の耳かきについてはまだ研究中である。
「えっ?そうなんですか?」
「そうたんだよ、あれな、難しくて、匙があるものだと、鉛筆のように持って、垢を崩して、すくい取る。その繰り返しだったりするんだ。でこっちは引っ掻ける場所が広いんだけども、手の動きはそこまで変わらないからさ、螺旋の溝に耳垢を挟、ここら辺から悩んでくるんだよな」
自分の耳で練習しています。
「眉間にシワを寄せながら、耳掃除をしているから、イツモが不思議そうにこっちを見てるから」
「王子の耳掃除はどうしているんです?」
「人間と違うから、専用の拭き取りシートだな」
ただおとなしくしてもらうために、お腹を撫でて、気持ちよくなっているところに、トドメの耳をトントン。
「耳をトントン!」
「えっ、はい、してますよ、こんな感じで」
耳の穴に指を当てて、くるくると回したあとに優しくトントン。
びく!
「あっビックリしちゃいました?」
「肩が動きましたよ、自分から動いちゃったので、肩凝りにききました」
「ちょっと失礼、あ~固いですね、これだと…」
耳かきの続きを始める。
「動かないでくださいね」
こうなると何もすることがないので、蘆根に任せると、休んでいいんだなと体が急に休息モードに入っていく。
特に逆らう理由がないので、そのまま瞼を閉じた。
匙の先端が、耳の奥の方にある固まりにチョンと触れた。これは無理やり取ると、痛みが伴うであろう、そこで人肌に温めて使う耳垢除去液を綿棒につけて、固まりにポンポン塗っていく。
これは効果がすぐに出るので、耳かきに持ち変えて、先ほどと同じ場所に触れる。水分も含みぐにゃぐにゃとした垢を取り除く。
(あ~なんか疲れが抜けていく)
体からシュワーと炭酸が出ていくような感じで、疲労感が消えていくではないか。
(特に目)
自覚はなかったが、そのシュワー~が目から一番出ていく。
生唾を飲んだ。
「お客さん、ここで水分とった方がいいですよ」
眠気に身を任せていたかったが、まあ、ここは従った方がいいであろう。
数種類のペットボトルから飲み物を選べる。
そんなに喉乾いてないと思ったのだが、ごくごくと勢いよく中身が消えていく。
「疲れ取るなら、水分補給大事ですから」
体に必要なものが足りないと、必要ではないものは外に出ていかないらしい。
浜薔薇のファンクラブのブログなどは見ているが、耳かきやマッサージだけではなく、食べ物や飲み物の大事さもよくわかる。
(浜薔薇に通いまくる人ほど、半年ぐらいから体型変わっていくんだよな)
毎日ちょっとづつの変化なのだが、1ヶ月、2ヶ月とその区切りでわかりやすい変化があるという。
「マッサージより食べ物が大きいと思いますよ」
とかはいうが、じゃあ、この睡魔に襲われたり、無重力を感じる耳掃除は何なのっていう話である。
「緊張している人がリラックスするから眠くなる、無重力の場合は体に凝りがあったりするから解放されるからです」
そう笑っていうが、そこを何とかしちゃえるのはとんでもないことだと思う。
「ありがとうございました」
あまり浜薔薇に通えてない自分が、この夜KCJの炊き出しの効果を実感する。
「あれ?」
暑くなってきたので、去年の夏に来ていたシャツを着たところ。
「肉がつまめない」
ぷよぷよお肉が長らく存在していた背中に異変を感じたので、何がおかしいのか調査したところ、前ならつまめたお肉がつまめないというより、つまみにくかった。
まさかこのまま行くと長いこと友達だったお肉ちゃんとも、永遠の別れをすることになるのか…
小学生の頃から太りぎみで、たぶんずっと自分は太ったままではないか、それなら愛そうダブルベーコンの精神できたというのに。
【それなら愛そうダブルベーコンの精神とは何ですか?】
独り言を1号2号3号に拾われた。
「聞かなかったことにしてください」
【わかりました、それなら愛そうダブルベーコンの精神は、ここだけの秘密にします】
「それなら愛そうダブルベーコンの精神で検索」
【それなら愛そうダブルベーコンの精神とは、ついてしまった贅肉をあるがままで愛する心、諦めの言い換え、現実逃避の一種です】
本当にAIがデータを拾ってないか確認でもあったのだが、ダメージを受けるような検索結果を表示された。

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