浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

文字の大きさ
上 下
482 / 891

GO毛

しおりを挟む
「お待ちください、主人はただいた日課の猫吸いに」
「おられるんですね、失礼します」
「お待ちください!お待ちください!」
「なんだね、君たちは、私は今、日課の猫吸い中だ、出ていってもらおうか」
大勢の捜査員がいてもスーハーと猫を吸うことをやめない。
「そのままで結構、先日の事件の犯人がわかりましたので、そのお話をしに来ました」
先程までスーハーと吸っていた、それがピタリと止まったのだ。


『捜査員猫シリーズ、最新作【止まる呼吸】おっさん絶賛、無我夢中発売中 want you!』

本日ご紹介するのはこちら、『GO毛』です。
読み方はゴーモーですね、この名前でわかる通り、あのメーカーさんの商品なんです。
毎回奇抜な名前で楽しませてくださいますが、いつもネタありがとうございます、なんでと一度聞いたら、これはなんだ?っていう人が出るぐらいじゃないとダメだそうで、クレームがあったために無難な言い回し、ネーミングにしたところ、前年比の売上が70%ダウンしたという話もあるぐらいなんです。
そしてこのGO毛は先日もご紹介した、イツ毛、そのシリーズに本来はラインナップとして加えるつもりだったのですが、成分の関係で価格を合わせるおとが出来ないということで、これはこれ、GO毛はGO毛で販売するという形に落ち着いたいう。
ここGO毛の凄いところは、雨や湿気の多い日って髪のうねりが気になったりすることって、ありませんか?そこが気になるあなたにはぜひ試してもらいたいのですが、水分キープコーティング成分を配合しており、水分を吸うだけ吸ってしまい、広がってしまう、その予防効果があります。

「本日のサービスはこのGO毛のトリートメントってわけだ」
蘆根はそう明るくいうが、後で傑が、またなんでその名前に、確かにさ、確かにすごく使えるトリートメントなんだけどもさ、という顔をしている。
「昨日の夜に急に告知になりましたが、お客さん…並んでますね」
「メーカーさんからいきなり連絡があったんで、そんな時間になったが、反応がいいと嬉しいものだな」
営業さんから電話があった。
「うぉぉぉぉ蘆根さん、GO毛をGO毛を浜薔薇のお客さんで試してみませんか」
興奮しているので、まずは落ち着いてください。
「実はですね、うちのメーカー、番組で紹介されることになったんですよ」
勇気がある番組も世の中にはあるものです。
「いつもは相手に全くされないんですけどと、いきなりですね、どうでしょうか?とお話をいただきまして、はい!って答えたんですよ、それで急遽放送することになりました、そうなりますと、放送を見た人が検索しますから、浜薔薇のシャンパーのみなさんにたくさん使っていただきまして、はい、レビューが目的になりますが、そこは義務ではないですが」
「でもしっかりと書いてくれたら」
「とても嬉しいです」
そんなわけでお客さんは並んでいるが、レビュー目的なので、1号2号3号ももちろんいる。
「1号2号3号のマザー上殿から、1号2号3号がじっと見て文章を作ると、お湯の温度や、シャワーの勢いなどの数値で説明しちゃうから、レビューをするならば、シャンパーがシャンプー終わりにどうだったか?と質問してもらって、返答していったものから、文章を作った方がいいって言われたので、今回はその方式でやっていこうと思います」
そして何人かのインタビューが終わってからわかったこと。
「1号2号3号には好みがあるんだなって」
「好みですか?」
リーダーはレビューのレビューを担当している。
「順番待ちしてたから、前の人のを見てから自分の話するじゃない、1号2号3号が面白いなって思うものは、話が終わってから文章を作る時間が長いんだよ」
「へぇ、そうなんですか」
その話をリーダーがすると。
【人間が思う、面白さと、私がおもしろいと思っているものは違うとは思います】
「それでも聞かせてくれたら嬉しいですかね」
【わかりました、浜薔薇を訪れるみなさんは、私が教えてもらった人間とイメージがかけ離れています】
「えっ?」
【こんなにも個性が強いものだとは知りませんでした、明日のシャンプーが楽しみで楽しみでしょうがないんだ、眠れないから話し相手になってと頼まれましたが、その行為は髪の艶を失わせますと返事をしたところ、チャットは終了しました、非常に興味深い人間の行動です】
「それはここに集まる人たちなど、少数ですかね」
【素晴らしい、人間の多様性あふれる行動がここで保存されている】
「そんなに深く考えることはないですよ、それを見てあなたはどう思いましたか?」
【ケットシーの言葉を借りるなら、人間ったら弱弱だから守護らねば、守護らねばというところでしょうか】
「えっ?ケットシーってそう思ってるんですか?まあ、でも王子はそうかも、これからもか弱い人類を守ってくださいね」
リーダーは冗談も込みで言ったのだろうが。
【わかりました】
KCJと連絡を取り、友好的な契約を結びます。
本気にされてしまいました。
    
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

若妻の穴を堪能する夫の話

かめのこたろう
現代文学
内容は題名の通りです。

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

パパー!紳士服売り場にいた家族の男性は夫だった…子供を抱きかかえて幸せそう…なら、こちらも幸せになりましょう

白崎アイド
大衆娯楽
夫のシャツを買いに紳士服売り場で買い物をしていた私。 ネクタイも揃えてあげようと売り場へと向かえば、仲良く買い物をする男女の姿があった。 微笑ましく思うその姿を見ていると、振り向いた男性は夫だった…

お尻たたき収容所レポート

鞭尻
大衆娯楽
最低でも月に一度はお尻を叩かれないといけない「お尻たたき収容所」。 「お尻たたきのある生活」を望んで収容生となった紗良は、収容生活をレポートする記者としてお尻たたき願望と不安に揺れ動く日々を送る。 ぎりぎりあるかもしれない(?)日常系スパンキング小説です。

お兄ちゃんが私にぐいぐいエッチな事を迫って来て困るんですけど!?

さいとう みさき
恋愛
私は琴吹(ことぶき)、高校生一年生。 私には再婚して血の繋がらない 二つ年上の兄がいる。 見た目は、まあ正直、好みなんだけど…… 「好きな人が出来た! すまんが琴吹、練習台になってくれ!!」 そう言ってお兄ちゃんは私に協力を要請するのだけど、何処で仕入れた知識だかエッチな事ばかりしてこようとする。 「お兄ちゃんのばかぁっ! 女の子にいきなりそんな事しちゃダメだってばッ!!」 はぁ、見た目は好みなのにこのバカ兄は目的の為に偏った知識で女の子に接して来ようとする。 こんなんじゃ絶対にフラれる! 仕方ない、この私がお兄ちゃんを教育してやろーじゃないの! 実はお兄ちゃん好きな義妹が奮闘する物語です。 

処理中です...