浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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あの香りに惑わされず、最後まで食らいつくんだ!

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アボカドが浜薔薇に届けられる。
「少し持っていけよ」
「ありがとうございます」
蘆根が傑にそういうと、イツモが音もなく近づいた。
「おっ、イツモも食べるのか、後で剥いてやるぞ」
「えっ?イツモ食べるんですか」
「ケットシーは大丈夫なんだ」
ずっと食れないものと思われていたが。

「うちの農園にはニンジャがいるのさ」
そういってアボカド農園のオーナーがシマオ!と呼ぶと、どこからともなくケットシーが現れたという。
農園の管理は猫では無理だからニンジャに違いないということで、シマオという名前なあるにも関わらず、ニンジャという愛称で呼ばれていた。

『ここは浜薔薇の耳掃除です』

(うわ…KCJ、しかもケットシーを連れている)
ここで気を引き閉める人間にはついていった方がいい、おそらくこのミッションでも生き残ることができるだろう。
ケットシーというのは人間が多いところに連れて歩くのにちょうど良かった、熟練の目がなければ猫とケットシーを見分けるのは難しいし、熊を体当たりで倒すことが出来るほどの突撃も可能である。
そんなわけで最近はKCJに警護の仕事が増えてきたのだが、他の業務に支障が出る前に人員の補充にも積極的だし、河川ザメともヨロシクやっていた。
「たぶんそうじゃなければ私はKCJに採用されてませんがな」
この職員は今話題のあのマシーン、ピッチングポテトの開発者である。
全国の河川やサメ達の冠婚葬祭に次々と呼ばれていることで、名前を聞いたこともある方はいるのではないだろうか。
「今は新しいバージョンを開発しているんですよ、初代のと違ってそのままジャガイモを投入できるんですよ」
嬉しそうに教えてくれる。
「でもただ蒸かしたじゃがいもを6つの球種で投げ分けることが出来る機械を作ったぐらいじゃここまでにはならないですよ」
この開発者を面接した際に、現在の上司でもあるのだが、これは面白いと思うよといってくれなければまず話は始まらないし。
「最初の話はブーケトスみたいに結婚式でじゃがいもをばら蒔くだけだったんですよ」
河川ザメのクラックさんが結婚することになり、その仕切りをKCJが引き受けることになった。
「その話が出たとき、KCJに受かるか、受からないかとかもつどうでもよくなってましたね」
職員として採用したいが決めるのは君である、ただピッチングポテトはレンタルしたい、開発費と開発期間にボーナスを加えた額が契約として提示された。
「こういうの作ってどうなるんだってずっと両親に言われていたから、初めて認められたみたいで嬉しかったが強かった」
転職は前に勤めていたところが、うちは危ないんではないかという噂が出た。
噂が出ると先にエース級からやめていき、開発者はどうなるかわからないがとりあえず転職活動という中で、KCJの中途採用案内があったのだ。
「最初はKCJを受けるつもりはなかったんですよ、ただここは面接の際に、自分が今まで作ったものはなんですか、それを披露してくださいっていう項目があるんです、今まで披露された創作物を動画で公開されてて、それ見て笑ってました」
それらはKCJ中途採用案内から見れます。
「そしたらね、自分のを見せたくなったんですよ、学芸会みたいなノリで行きました」
モーションがみんな同じで六種の球種に、バターやペッパーを使うことで、さまざまな味と勢いを楽しめます。
「説明終わったあと、シーンとなってから、真面目な顔されて」
君は河川ザメは知っているだろうか、我々の団体は現在河川ザメの窓口にもなっていて、水害の多いこの時代、これからも彼らの力を借りることになるだろう、君の発想は本当に素晴らしい、実際に河川ザメに会ってみるだけ会ってみないか?
「次の休みに約束して、クラックさんと今の奥さんですね、ピッチングポテトを見せたら喜んでましたね」
「これはいい、同じ方向から投げくれるだけでは飽きてしまう、これはいいと絶賛しています」
河川ザメの通訳ができる職員も交えての時間となった。
「ふむ、じゃあ、野球みたいなルールを付け加えたらもっとおもしろくなるね」
そういって上司は、クラックさんをバッターボックス、彼女さんをキャッチャーにして、どっちが食べれるのかハラハラ度を上げたところ。
「天才だ、この結婚式は歴史に残るものとなる!」
そういってるらしい。
しかし河川ザメの言葉はわからない。
が、ぴょんぴょん飛び始めたり、開発者の周囲を二匹が回り始めたので、喜びは伝わった。
「商売というのは先に買う側を見つけた方が話は早いのさ、それで君はうちに来るのかい?」
「よろしくお願いします」
「君の発想は我々では届かないところにある、これからもそんな感じで頼むよ」
結婚式は華やかに行われた、結婚式場などではこの仕事は大変にありがたいと言われ、河川ザメたちも逆に困ってしまったくらいだ。
しかしとんでもなく盛り上がったのはやはり二次会だ。
「バターアウト」
じゃがバターの香りに翻弄され、アウトになってしまったサメがとぼとぼと自分の席に戻り、次の打者となるサメが飛び込んできた。
「サメ達が今、あそこでなんて言ってるかわかりますか?」
サメの言葉がわからない開発者にはさっぱりであった。
「あの香りに惑わされず、最後まで食らいつくんだって作戦会議してますよ」
「じゃあこういってあげてください、それを上手く食べられたとしても、秘伝ペッパーライジングソルトがあると」
「!?…わかりました、伝えてきます」
この時ばかりはサメも人もバカなことを真剣に楽しみ、それがピッチングポテトの開発者の自信となった。

KCJの中途採用では様々な可能性を持つあなたをお待ちしております。
本当にくだらなくて最高の動画はこちらから、疲れたときに見るだけでも歓迎いたします。



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