浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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次の方どうぞ

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浄水センターの職員は横一列に座りながら。
「次の方どうぞ」
を待っている。
一人が出てきて、ささっと向こうに消えてしまい、しばらくしてから。
「次の方どうぞ」
先頭が呼ばれる。
呼び掛けるのはKCJ職員で、中にいるのは調理局、山宮さんの同僚にあたる方である。
グツグツ
鍋にはお湯が張られていた。
感染症対策のため一人づつのご案内になるのですが、本日のメニューはこちら!
「道産のタコしゃぶです」
発表された際に、職員たちは思い思いのポーズをして喜んだのである。
(かぶっている)
同じボーズのかぶりがあると、サッと直すぐらいの余裕、これがお笑いのネイティブ!
「次の方どうぞ」
職員は自分の番を呼ばれるのを待っていた。
「プリプリやった!」
「あああんなプリプリやとは…タコパしたくなるな」
「それも考えましたが、お手を煩わせるわけには、だからといって私共がたこ焼きにするのもちょっと違いますから、それならば違うもので勝負をしようと」
「三秒で降参するわ」
「グワー」
「ああ、タコがプリプリでもうダメ…」
このノリであった。
その一方で。
「先月から金の減りかた変わったわ」
「それは思った、誰かがこっそり財布にお金足してるんじゃないの?って思ったぐらい」
それはゴールデンウィークから始まった。
この仕事、全員一気に休むという感じではなかったりするので、誰かはいるのだが。
「前々からKCJさん、休日とか、そういう特別な出勤になると、いつもよりちょっと豪華なもん出すなっては思っていたんだけども」
このゴールデンウィークは、今日はこれやったわというと、それええな!が出るぐらい旨いものが出た。
「ゴールデンウィーク明けのみなさま、お久しぶりでございます」
連休明けにわざわざみんなに挨拶をした後に。
「本日からご飯がおかわり自由になりましたので、バンバンお頼みください」
ただお持ち帰りはやめてくださいね。
と発表された。
「それ言われたら、頼むわな、おばちゃんお代わり、誰がおばちゃんやねんみたいな」
「その米もな、旨いんだわ」
「特製ふりかけも何種類用意してくれたりするから、箸が進む、進む」
それを聞いて浄水センターではない他の建物にいる人たちが、うらやまな顔をした。
「残念やな、KCJさんはみんなに炊き出しとか出したいいうのに、えらい人がダメいうたところは食べれないやって」
「こっちに用事がある人たちは、えっ?浄水センターにですか?行きます、行きますいうて、取り合いになってるそうや」
「ええ、そこまでになってるのに、不思議やな、なんで許可でんの?」
「ああそれか?サメのやり口って思っているそうや」
「は?」
「はっ?」
「何、おっちゃんがここに絡んでいるとか思われているの」
「KCJさん、お水も買ってくれたやろ、それに春から夏にお茶のボトルも作りたいって、こっちの企業さんにお仕事を持ってきた、それが気にくわないやて」
「それは心がどす黒いわ」
「どす黒いのに無理に食べてもらいたくはないわ、バッチィ」
そこに他のところから、すいませんとやってきた職員さんがいたので。
「ちょうどいい獲物がおったわ」
「タコ嫌いやないとええな」
用件があって出向いたら、ついでに昼御飯どうですか?って言われて、北海道のおいしいタコのしゃぶしゃぶを食べることになった件。
「いいんですか?」
「浄水センターは住宅街から遠く、ここまで来るならば、誰でも炊き出しをと看板は出しているんですが」
ガッツがあっても態度が悪い、注意などをしてくるのが面倒だと続けてこないし、大抵の人は面倒やで諦めてしまうという。
浜薔薇のように何かあったら。
「あら、あなた、困っている、困っているというわりには、そのカバン、結構お高いものよね?」
とか。
「あなたの親御さんと一度お話ししてみたいわ、どのようにお育てになったのかをね」
地域の人がエレガンスに中に入ってくれることはまずないので、危ないと感じたら、踏み込まない方針である。
「逆に浜薔薇のこの辺の方々、本当に慣れていると思うんですが」
こちらは浜薔薇出張所の二人。
「タモツさんから聞くと、この辺はお寺が中心で、様々なところから人が来るから、生まれて育った女性陣はあしらいが慣れているといってたな」
「夏至は過ぎましたが、旧暦の5月28日、次の日曜日ですか、お寺のお祭りのひとつがありますね」
「伊勢から持ち帰られたとはいうが、他の雨宝童子とはお顔、系統が違うから、由来がよくわかってないそうだし」
年に何日か、九良が賑わう時期ではあるが、やってくるのは人だけではないとされる。

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