浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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淡水のスパイダー

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「浜薔薇のおかげで大分快適にはなったけどもね」
お客さんはそういうが、その話を思い出して蘆根がパワーアップしたいななど口にした。
「話は聞かせてもらった」
そこに現れるのはタ…アンセルモさんと現在タッグを組んでいるイホ デ ニコラスである。
「我々はロードガーディアン、その苦難の道を見守るものである」
イホ デ ニコラスの天使のポーズ。
「レベルを上げたい?ならばこの手を取るがいいよ」
パシッ
「迷いもなく手をとるか、よろしい、それでは理容ルームまで連れていくことにしよう」
「明日までには返せよ」
タモツの言葉に。
「もちろんだ」
本日は浜薔薇は定休日です。
明日のお越しをお待ちしております。
KCJ併設の理容ルーム、店主は河川ザメという珍しい主人を据えているが、なかなか予約が取れない人気店である。
「やっと来やがったな」
「ん?」
「あっ、蘆根さん、あの方はよその支部の方なんですが、昇進試験に関わる資格更新で、冷静を保つことを求められた際に」
「私たち天道のロードガーディアンのシャンプーやシェービングに寝落ちしないというのがあってな、寝落ちしなかったものはいなかった、彼はそのうちの一人だ」
「今日はあの時のリベンジだ」
「ええっとリベンジっていう方があれから大変多くてですね」
それはただのリピーターともいいます。
「私たちでも手が足りなくて、腕をあげるにはちょうどいい者たちではないかな」
「はっ、面白れぇ」
おいおい、大変なことになっちまった。
どうしたよ?
理容ルームに蘆根さんがいる。
客?
いいや、ヘルプなのかな。
「お客さん、体をちゃんと労らなきゃダメですよ」
その台詞が、連絡網にも音声で流れると。
ちょっと理容ルーム行ってくる。
すいません、身なり整えたいんで。
くっそ、今、他の所にいるんだ。
ドラゴンの首、切り飛ばしている場合じゃねえ。
「ふむ、君にはリラックスが必要なようだ」
次はアンセルモさんの音声が流れると。
ああ、おれはこれで寝落ちしちゃったんだよ。
そこまで太く短く生きるつもりないけども、アンセルモさんの目は誤魔化せないぞ(寝落ち脱落者)
というか、天道って今まで三回行われたんでしょ?一回目はなかなか埋まらなかったって言ってたけども。
そりゃあもう、二回目からは気持ちいいってわかってたから。
エナジードレインとどっちが気持ちいい?
俺、エナドレの経験ないや。
寝落ち脱落組でエナジードレインも食らったことあるやつっているの?
いたら情報くれ。

その後。
何気なく会話したら、両方の経験者いたわ。
どっち?
「エナジードレインは最中は気持ちいいよ、疲れたときのマッサージぐらい気持ちいい、けど終わると、凄まじくだるいんだ、それに比べるとタキ先生は逆だからね、何回か受けたことあるけども、精神が昂っているときは、まず落ち着けるような、それこそスヤッと眠れるような優しいマッサージをしてくれるし、体力がある、精神的にも安定しているときは強めだね、疲れが残らないようなマッサージになるかな」

情報ありがと。
これ、浜薔薇のファンクラブと情報交換してもいいんじゃないの?
でもさ、異世界系の話とかポロっとでもしちゃダメだしさ。
そこなんだよな、帰還者とか異世界方面にかかわっていると、一般人には理解できない悩みあるから、ストレス凄まじいんだよな。
そうそう、普通のお店は失言したらまずいからいけないし、ギリギリ浜薔薇なんだよな。
本当、あそこ、王子がいてくれて良かったよ。
そこに春ちゃんだからな。
春ちゃん可愛い!
春ちゃん可愛いp(^-^)q
春ちゃん!
春ちゃん!
これだから春隣ちゃんのファンは。
えっ、だって河川ザメだよ。
河川ザメ好きなのか。
人間との繋がりが、河川ザメを補食しようとしたモンスター、海藻類だっけ、あれを日本人が食べて、一種類最強の天敵を食べて応援して、絶滅させたんだろう?
何、その話。
その海藻、藻ンスターで調べれば出てくるよ。
サメ肌にめちゃくちゃ絡まるから、淡水のスパイダーって呼ばれるやつな。
その絡まった状態で、サメは力尽きて、それを養分にします。
あれ、飢饉の時だっけ、食えるものがなくなって、木の皮を食べるとか、そういう際に藻ンスターは食えるのかな?で試したら、めちゃくちゃうまかったんだって。
そこから飢饉じゃなくても、あっ、藻ンスター、ちょっとお腹減るからって感じでむしっていったと。
サメが捕まっているって見ると、はずしてサメを助けて、サメからすると、自分を襲った藻ンスターを人間がそのままモグモグ食べ出すのを見たら、恩を感じたらしく。
お中元とお歳暮は欠かさないと。
義理堅い!


腹減ったが金はねえと暑いなかただ耐えていたところ。
コンコン
誰かが訪ねてきた。
「サメ?」
映画に出てたやつ?なのかな?サメはよくわからん。
スッ
上等な木箱を差し出してきた。
「くれるの?ありがとう」
乾麺らしい。
そのままサメは行ってしまったが、メッセージがついていた。
ご先祖様にお世話になりました。あの時のサメの子孫でございます。
「ん????」
サメの文化と風習は理解できないことがある。
「こういうとき誰に相談すればいいの?これ食っていいの?」
それが最近社会問題にもなっていた。

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