浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

文字の大きさ
260 / 1,093

第何回か忘れた清掃修理大会~1ドアの部~

しおりを挟む
「どうしたの?アレ?」
指をさされたサメのおっちゃん。
「ああ、コレ」
雑誌を見ると、『水族館のアイドル!サメメちゃん結婚します』とある。
「おっちゃん、この子好きなの?」
河川サメで顔出ししている子って少ないのよ。
「アイドルに本気になってもさ」
そこは人間とちゃうよ、昔はおっちゃんが住んでいた川にもぎょーさん仲間がいてたんだけども。
若き日の頃。
「あれです、飼育員さん!」
「よし」
スッ
そういうと飼育員は手で銃を作り。
「バン!」
効果音を口でつける。
するとだ。
バタ!
やられましたと河川サメが倒れたのである。
「今のうちに運ぶぞ」
そうやっておっちゃんの、水族館生活が始まったんよ。
「その話はいつ聞いても、おっちゃんらしくておかしい」
そして捕獲された秋にでっかい台風が来て、おっちゃんは水族館にいたから助かったんだけどもな、そこで仲間が流されてしまって、一匹も見つからんかったそうだ。
そのまま治水工事も始まって、おっちゃんこっち来てから、一回だけな勇気を出して見に行ってみたんよ。
もしかしたら、おるかもしれないってな、前に住んでいたところすごく綺麗になってたよ、でもおっちゃんは昔の小汚ない方が好きやったかな。


『第12回ドリーム大賞、浜薔薇の耳掃除は83位でした、応援ありがとうございました』


『映画 フィギュアスケート サメシングルは浜薔薇の耳掃除を応援しています』

浜薔薇のファンには色々と種類が多いが、一番多いのは王国の住人だろうか。
先日まで他よりも頭ひとつ多かったのだが、最近めちゃくちゃ増えたのである。
「理由は接種の際の食料支援を行うとKCJが発表したことですね」
我々KCJ浜薔薇出張所は、接種の際に必要となるであろう食料を支援し、配達もします。解熱剤に対しても医療従事者が来てくれることになりましたので、そちらも問い合わせください。
「…」
「…」
「俺は今日から住人になるわ」
「ああ、それがいいと思う」
一人暮らしや他の家族に頼れない人たちがここで一気にサポートを受けた。
「なんかさ、家族仲ってそこまで悪くはないと思っていたけども、苦しい中でもいつもと変わらなかったわけ、KCJに連絡して、食料品支援してもらった」
その際に聞かれること。
「冷蔵庫ありますか?」
「あります」
「ない場合は1ドアの冷蔵庫貸し出してました」
電気代が無理な方は、クーラーボックスと保冷剤で対応するよ。
「王子がいなかったら、この対応してもらえなかったと思ったら、住人になるしかない」
「だな!」
代わりにアンケートなどを元気になってから取ったりもしますが。
「家族という名前はあるけども、実際は…」
「うちの医療チームがキレるようなことが起きてますね」
「ここら辺も改善案をやっていかないと、良くなることはないだろうな」
浜薔薇出張所の近隣でさえそれである、国内のアンケートを取ったのならばもっと凄まじいのではないだろうか。
「それにしてもうちの方だけ、冷蔵庫を用意してもらっていいんだろうか」
「ああ、それは支部の方では人口の規模が違いますからね、それなら先に出張所の方で手厚くして、こちらで余裕を作っておく方がと、正直どうなるかは読めないですから」
「それはそうだ」
「冷蔵庫は整備部門の、第何回かは忘れた清掃修理大会冷蔵庫1ドアの部を先日やったので余裕があるんですよ」
第何回か忘れた清掃修理大会が正式名称です。
今回の競技に使われる冷蔵庫は、ホテルのリフォームのために買い換えになった客室用の冷蔵庫、こちらは六年ものとなっております。
「それをいかにして綺麗に、そして修理するかの種目になってますが」
「今回は面白いことになりそうですね」
当然のように実況と解説がいます。
「なかなか同じもので競い会うことがないじゃないですか、するとやはり己の腕が試されると思うんですよ」
「勝負の見所としてはどこですかね?」
「やっぱりハズレの冷蔵庫を引くことでしょうかね」
「ハズレというのは、同じ年数使われながらも、汚い部分があったり、冷えが弱くなったり、本来ならばリサイクル料金を支払って買い換えるようなものなんですが、この整備部門の主催の競技に関しては、そういうのをいかにして甦らせるか、そこも大事なポイントになっています。各冷蔵庫は現状を写真で撮影しています、清掃修理が終わり次第、新しく写真を撮り、それを重ねて、驚きの体験を皆様にもしていただけたらと思っております、それでは現場のリポートの準備ができたようですね、それではお願いします」
といった具合である。
評価項目は清掃、修理、作業時間、消費電力などがあり。
「整備部終わると興味失いますからね」
そのままにするので。
「あっ、この数だと支部では足りないから、浜薔薇出張所の方で使ってもらえますか?」
はい、わかりましたと、トラックで何回か運ばれてきたという。
「電気代としては年5000円ぐらいかな」
これと飲み物、ペットボトルが四本。食べ物はゼリーやヨーグルトなど…
「とかだったんですが、先に接種したかたがが、山宮さんの豆腐を…と口にしたので」
前に作った雪冷豆腐を加工パックを変えて、二週間賞味期限がのびたものを追加した。
「甘いのが辛くて、だるさの中、豆腐すすって生き延びたよ」
こちらの仕様は現在のものです。
この山宮さんの雪冷豆腐はサメのおっちゃんもお気に入りになりました。
おっちゃん、住んでたところ綺麗なところじゃないから、水の味がそのまま出るようなものが好きなんよ。
「おっちゃんは、ああ見えてグルメだから、今は茄子ばっか食べとる」
茄子の水分がおっちゃんの食欲を刺激するんや。
「じゃあ、俺も」
ペチ
おっちゃんのひれで叩かれる。
「ケチ」
「あっ、それ、人間は生で食ったらあかんやつやぞ」
「ええ、そういうやつなん?」
モグモグモグ
大変やな、人間さんは、こんな美味しいもの食べれないなんて。
「くっそ、おっちゃんわざと見せつけて来てる」
「それ食べるなら、素揚げしてカレーにしろって」
「素揚げ面倒!!でもカレー食べたい」
そのまま夜も遅いが、カレーを宅配してもらったという。
モグモグモグ
「おっちゃん、まだ食べてるの」
「お腹出るよ」
大丈夫、おっちゃんはスリム、スリム!
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

BODY SWAP

廣瀬純七
大衆娯楽
ある日突然に体が入れ替わった純と拓也の話

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

処理中です...