浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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口福の山宮

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「ハロウィーンの、イベント今年は大きくやれないだろうから」
下水道センターでは例年の写真の整理をしていたのだが。
「これ、おっちゃん?」
「ああ、それおっちゃん」
おっちゃんはスイカ柄になっていた。
「前に、これ、スイカでサメを作る奴があって、しかもな…写真見た方が早いか、これ」
テーブルの上にスイカサメのようだが。
「これ、テーブルくりぬいて、おっちゃんが顔をだしている、それで手を出そうとしたら、ガブって」
「それはジョーク扱いになるのか?」
「ブラック過ぎるからダメって、まあ、寮でやったとしても、後で人間関係険悪なるから、その年の下水道は、スイカ柄のおっちゃんがお菓子配ってたわ」
飴ちゃんやで。
「おっちゃんが歩き回っているときって、すっごいファンいない?俺、一回見たんだけどもさ」
ダッダッダッ
誰かが走ってくる。
「おっちゃん!!!!」
妙齢のおばさまでした。
「おっちゃんも対処うまいぞ、自分のところに走ってくるなら、こっちも走って愛情をアピールする」
この辺も長いんで、おっちゃん来てから下水道の見学が小学校の定番コースになったため、地元でのおっちゃんの知名度はすこぶる高い。
 「見学は、見学日以外でも予約受け付けているんだけども、あんまりそういうのはないから」
おっちゃんはそういうときは何をしているか、体をはっての
水質検査もしてますが、水槽も掃除しています。
時間外と夜間は金魚さんたちがいるから、綺麗にしとかなきゃいかん!
そして掃除が終わると、ザバァと水からあがって、体を拭いて。
「ああ、おっちゃん頼むわ、今日、加藤さんのお子さん、熱だして」
おっちゃん用のヘルメットをかぶる。
防災頭巾に見えますが、ヘルメットの基準はきちんと満たしております。
バインダーを受け取り、検査開始。
PHのチェックから、大腸菌の有無、臭気はないか。
これが一番苦手。
おっちゃんクッサ!を一回経験してからである。
決められた手順で周り、それを提出しておしまい。
「おっちゃん、なんだかんだでうちの仕事ほとんど出来るんじゃないか、代わり任せたいわ」
じゃあ、おっちゃんの代わりに、ちびっこを笑顔にさせる三回転飛んでくれる?
「そりゃあ、無理だ、おっちゃんにしかできないわ」
「あっ、そうだ、研究者の人がおっちゃんに会いたいって」
おっちゃんもえらくなったもんやな
「感極まっとる」
「しゃーない」
それでおっちゃんの小児科訪問のスケジュールとかぶらないなら、いつでもええよ。
こう見えておっちゃんはボランティアには大変積極的であり、下水道に見学に来ることができない子供たちが入院している病院に行くのである。
「おっちゃんは、丸っと消毒できるし、変なものを持ち込まない無菌ザメだしな」
どっかのシーと良く似た話ですね。
「こう見えて、おっちゃんウォータースピリットという、あれや、人魚と同種扱いだし」
「人魚!!イメージ壊れる」
そんなことをいいながら、言われてすぐに金髪のズラを用意するという笑いの覚悟が良くできたサメである。
「ウォータースピリット?」
「俺もそういわれたら、それはなんじゃらほい!っていう話だったから、既存のカテゴリーにおさまらないから、良くわからないもの、とりあえず水辺の生き物だからウォータースピリット扱いで」
すすっともうおっちゃんは後ろから見たら、人魚に間違えそうな座り方をしていた。
「うわ!人魚や!海の中に連れ込まれる!」
「おっちゃん、人間関係、スイカザメ並みに軋むから、その辺にして」
「なんやおっちゃんかいな、でもおっちゃん、騙せるんじゃないか」
クル!
正面を向いた。
「正面を向いたら、がっかりや、あっ、それで研究者の問い合わせなんだけども、古い倉から鮫の絵が書いた水瓶と使い方っていうのが出てな、実際に河川ザメ、おっちゃんと比べてみたいってな」
レプリカの水瓶がやって来るそうです。
「でこれが資料なんだけども」
昔その辺りでは、倉持ち、お金持ちは倉で河川ザメを飼ってました。
「お金持ちのステータス?とか」
「おっちゃんが金持ちのステータスか」
「いやいや、これな、水の中でおっちゃん寝る時、目開けるの知ってるか?」
「知らん」
「いつもベットでスヤッって顔しか見たことないな」
「水の中で、河川ザメは目を開けて寝ます、そこに倉を狙った泥棒が、ここに金目のものがあるかな?と、蓋を開けたとき」
「目を爛々と輝かしたおっちゃんが!」
「爛々かは知らんがな!話続けるぞ、河川ザメはプリティな顔はしとるが、サメはサメ、急に目があったら、人間は怖いらしくて、そういう仕組みを上手ーく利用して、倉にいたと、だからそっちの地域では、色んなところでも呼ばれているが、おっちゃんがこの間、天国を味わった浜薔薇さんのあそこら辺でも倉持ちザメとかいう方言があったりしたから、結構昔はおっちゃんの同類、ご先祖さん、ご近所さんがおったんじゃないかなって」
「歴史を感じるわ」
「おっちゃん、KCJの山宮さんに注文したもの職場に届いておるが」
「えっ?何、おっちゃん、ずっこい」
「何?段ボール大きい、まさかおっちゃん、ヒレ…あるか?」
ヒレはありますぅ~おっちゃんのチャームポイントですぅ。
「このやり取りいつも見るな」
土産物たくさん買ってきたときもチェックされる。
「おっちゃんの金目のもの言うたら、そこしか」
違うの、おっちゃんは全身が芸術品であり、金目のものなの!
「おっちゃんが山宮さんのご飯をおいしい、おいしいと、送料と実費で食い物頼んだら、山宮さんから、独り占めはもめるんでってことで、箱がこっちにも届いてな、おっちゃん、寮で独り占めするはずだったやろ!」
くっ
「近くにお店があるなら送らなかったってあるが、ここら辺は陸の孤島、車がなければどっこも出れんから」
サメはどうしているかというと、近くに川があるから、最悪上流すればいいかと思っているが、職員の車で送られていってる。
「おっちゃんのグルメぶりを知ってるから、久しぶりに缶詰じゃない弁当じゃぁぁぁ」
ああ、その上司のお喜び用、奥さんと上手くいっているのか心配になった。
「葬式にはまだ早いわ!」
冷凍で来ましたお総菜を温めてお昼に出したところ。
「これ、毎日炊き出しで出しておるんか!」
「こっちにも、公園の向こう側にKCJあるやろ?でもこんなのやってるって聞かんよな」
「旨い、なんでこんなにいい材料使ってるんだろ」
「安いと、やっぱり肉もペラペラだったりするのに、これはおっちゃんに感謝だな」
おっちゃんは山宮さんからの書き付けを見つけた。
『サメさんのお口にあったのならば幸いです』
口福の山宮、今度からそう呼ばなあかんな!
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