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蘆根の頭装備 イツモ
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「俺がマッサージで教わったのは、時間の作り方だな、ほら、あれだ、色々とやりたいことがあっても、学校や仕事終わっても、ちょっとづつやっていくじゃ、精神的にもたないわけだよ」
蘆根のマッサージは時間を作り出せる。
「これを習得するには、まずは自分にマッサージすることだな、暇さえあればマッサージしてた」
そのために大変肌がきれいです。
「腕の内側の透明感!なんでこんなにきれいなの!」
「それこそ、マッサージの練習できなくなるから、日焼け止めクリームとか使う、まあ、それとマッサージぐらいなんだがな」
「それだけでなんとかなるの?」
「習得まで個人差はあるからな、毎日練習できる人ならば習得できるって言えるけども」
蘆根はそういうところはマメ。
「自分にマッサージすると、不調にも縁がなくなるからな」
消化不良が起きても自分で何とかしてしまえる男。
「わかりにくいなら、風呂に入ってだな、胃がぷかっと浮いてきたらな」
「胃が浮く?」
傑から質問。
「胃が悪いと、自宅ではわかりにくいか、温泉の浴場浸かるとわかるんだが、胃が浮いてくるから捕まえやすくて、丁寧に揉んでやるといいぞ」
「実際にさわっているわけじゃないですよね」
「ぷか!ってなるから、ぷか!って」
そんなこと言われても、傑には未だにそれがわからなかった。
「電気風呂で胃腸が動いた!っていう経験があるならわかるかもしれないな」
蘆根は温泉などによく行くが。
「あそこに行くと、俺の癒しは温泉に負けてたまるか!になる」
やっぱりどっかずれているようです。
「蘆根さん、お疲れ様です」
「シャンプーか?」
「はい、お願いします」
現在、シャンプー&コンディショナー、真夏のルンルンルンタッタのテスト中なのだが、テストというのは日中にそれで洗髪することだ。
「エアコン効いている環境ならいいが、そうでないなら、朝起きてべたべたしているとかはあるからな」
「そこが難しいところですよね」
彼らは修行中お金がなかったので、節約術に長けているところがあった。
むしろ、そこで蘆根と傑は接点を持ったようなものだ。
「あっ、そっちのパンの方が安くて美味しいですよ」
「そうなの?」
「道産の素材はハズシないですから」
傑からすれば、蘆根は食べればなんでもいいという感じだったので、少しばかりアドバイスをいれたのだ。
「お~い」
「なんですか?先輩」
「お前の言う通り、あれうまかったわ、帰り道食べながら帰ったんだ」
そのコメントをもらうことも、傑には珍しかったのだが。
「それで修行先がさ、これで友達と飯食いに行ってこいって言われて、うまいもの食えるんだ、ただ飯だぞ!」
本当かなっては思ったが。
「あっ、ホテルから独立した人なんだよ、ここ」
チラシというか、お品書きである。
「椀刺には自信があるそうだよ」
椀刺(わんざし)という言葉が普通に出てきたが、和食において、お吸い物とお刺身は腕が出ると言うやつで…
「ここだ、ここ」
内装が学生がひょいと入っていけるところではないし、それこそ、その年代のお客さんというと裕福な家庭の子女というところで。
(この格好で入ってもいいのかな)
それは店内に入ってからも強く感じた。
庭園のように石を敷かれた通路を歩いていく。
「こんにちは!」
「おお蘆根」
「いらっしゃい」
店主と女将が歓迎する。
「その子がお友だち?」
「いえ、後輩にあたります、本日はお招きありがとうございます」
「あらあら、ご丁寧に、うちはね、毎月はじめと、中旬に新しいメニューになるんだけどもね、今年はちょっと取れるものが色々と早くてね、せっかくだし蘆根くんにご馳走しようかなって」
「いつも賄い食べさせてもらったんだ」
「賄い用意しないと、食べないでずっと勉強しているからな」
「さっさっ、奥の間にどうぞ、立ってないで、ご飯食べに来たんでしょ」
店の作りに比べたら、お店の方々は気さくだが。
(すごい場違いな感じがする)
着替えてくれば良かったと傑は思うほどである。
(言ってくれれば、こんなカジュアルな、ポロシャツとか着替えて、いや、一度家に戻ってからにしたかった)
そして先付が運ばれてくる。
そこからデザートまで長いこと修行して、今の腕はこれですよ!とこれでもか、これでもかと。
「美味しいか?」
「全部美味しいです」
100円切っている食パンの紹介のお返しにしては、おかしいものが帰ってきた。
「今日は本当にありがとうございます」
「俺も招待されたほうだしな」
(この先輩は出身校もそうだし、どっかのお坊ちゃんなんだろうな)
蘆根は出身校から、家がそういう家業ではないと、そのままストレートに、この学校に来る人はいないと断言できる。
「やっぱりさ、自分の腕一本で生きていくは難しいけども、やりがいがあると思うんだ」
話していくうちのこのワードが出たとき、ああそれでこの道を選んだのかとわかった。
「苦労はするかもしれないけどもよ!」
その時から大分時間は経過したが。
(先輩のわけわかわなさは、ますますになってきたな)
何かが呼び寄せるんだろうか?
「おい、どうしたの?遊んでほしいのか」
前の季節に生れた子猫たちがちょっと大きくなって、最近は蘆根の元にやってくる。
人もそうだが、猫たちからも好かれるようだ。
じ~
(先輩、イツモが見てますよ、嫉妬しますよ)
子猫に嫉妬するなんて大人げないことはしませんが。
「今日はなんかやけに引っ付いてくるな」
それこそ、蘆根の頭装備 イツモといっていいほどぴったり来るのである。
蘆根のマッサージは時間を作り出せる。
「これを習得するには、まずは自分にマッサージすることだな、暇さえあればマッサージしてた」
そのために大変肌がきれいです。
「腕の内側の透明感!なんでこんなにきれいなの!」
「それこそ、マッサージの練習できなくなるから、日焼け止めクリームとか使う、まあ、それとマッサージぐらいなんだがな」
「それだけでなんとかなるの?」
「習得まで個人差はあるからな、毎日練習できる人ならば習得できるって言えるけども」
蘆根はそういうところはマメ。
「自分にマッサージすると、不調にも縁がなくなるからな」
消化不良が起きても自分で何とかしてしまえる男。
「わかりにくいなら、風呂に入ってだな、胃がぷかっと浮いてきたらな」
「胃が浮く?」
傑から質問。
「胃が悪いと、自宅ではわかりにくいか、温泉の浴場浸かるとわかるんだが、胃が浮いてくるから捕まえやすくて、丁寧に揉んでやるといいぞ」
「実際にさわっているわけじゃないですよね」
「ぷか!ってなるから、ぷか!って」
そんなこと言われても、傑には未だにそれがわからなかった。
「電気風呂で胃腸が動いた!っていう経験があるならわかるかもしれないな」
蘆根は温泉などによく行くが。
「あそこに行くと、俺の癒しは温泉に負けてたまるか!になる」
やっぱりどっかずれているようです。
「蘆根さん、お疲れ様です」
「シャンプーか?」
「はい、お願いします」
現在、シャンプー&コンディショナー、真夏のルンルンルンタッタのテスト中なのだが、テストというのは日中にそれで洗髪することだ。
「エアコン効いている環境ならいいが、そうでないなら、朝起きてべたべたしているとかはあるからな」
「そこが難しいところですよね」
彼らは修行中お金がなかったので、節約術に長けているところがあった。
むしろ、そこで蘆根と傑は接点を持ったようなものだ。
「あっ、そっちのパンの方が安くて美味しいですよ」
「そうなの?」
「道産の素材はハズシないですから」
傑からすれば、蘆根は食べればなんでもいいという感じだったので、少しばかりアドバイスをいれたのだ。
「お~い」
「なんですか?先輩」
「お前の言う通り、あれうまかったわ、帰り道食べながら帰ったんだ」
そのコメントをもらうことも、傑には珍しかったのだが。
「それで修行先がさ、これで友達と飯食いに行ってこいって言われて、うまいもの食えるんだ、ただ飯だぞ!」
本当かなっては思ったが。
「あっ、ホテルから独立した人なんだよ、ここ」
チラシというか、お品書きである。
「椀刺には自信があるそうだよ」
椀刺(わんざし)という言葉が普通に出てきたが、和食において、お吸い物とお刺身は腕が出ると言うやつで…
「ここだ、ここ」
内装が学生がひょいと入っていけるところではないし、それこそ、その年代のお客さんというと裕福な家庭の子女というところで。
(この格好で入ってもいいのかな)
それは店内に入ってからも強く感じた。
庭園のように石を敷かれた通路を歩いていく。
「こんにちは!」
「おお蘆根」
「いらっしゃい」
店主と女将が歓迎する。
「その子がお友だち?」
「いえ、後輩にあたります、本日はお招きありがとうございます」
「あらあら、ご丁寧に、うちはね、毎月はじめと、中旬に新しいメニューになるんだけどもね、今年はちょっと取れるものが色々と早くてね、せっかくだし蘆根くんにご馳走しようかなって」
「いつも賄い食べさせてもらったんだ」
「賄い用意しないと、食べないでずっと勉強しているからな」
「さっさっ、奥の間にどうぞ、立ってないで、ご飯食べに来たんでしょ」
店の作りに比べたら、お店の方々は気さくだが。
(すごい場違いな感じがする)
着替えてくれば良かったと傑は思うほどである。
(言ってくれれば、こんなカジュアルな、ポロシャツとか着替えて、いや、一度家に戻ってからにしたかった)
そして先付が運ばれてくる。
そこからデザートまで長いこと修行して、今の腕はこれですよ!とこれでもか、これでもかと。
「美味しいか?」
「全部美味しいです」
100円切っている食パンの紹介のお返しにしては、おかしいものが帰ってきた。
「今日は本当にありがとうございます」
「俺も招待されたほうだしな」
(この先輩は出身校もそうだし、どっかのお坊ちゃんなんだろうな)
蘆根は出身校から、家がそういう家業ではないと、そのままストレートに、この学校に来る人はいないと断言できる。
「やっぱりさ、自分の腕一本で生きていくは難しいけども、やりがいがあると思うんだ」
話していくうちのこのワードが出たとき、ああそれでこの道を選んだのかとわかった。
「苦労はするかもしれないけどもよ!」
その時から大分時間は経過したが。
(先輩のわけわかわなさは、ますますになってきたな)
何かが呼び寄せるんだろうか?
「おい、どうしたの?遊んでほしいのか」
前の季節に生れた子猫たちがちょっと大きくなって、最近は蘆根の元にやってくる。
人もそうだが、猫たちからも好かれるようだ。
じ~
(先輩、イツモが見てますよ、嫉妬しますよ)
子猫に嫉妬するなんて大人げないことはしませんが。
「今日はなんかやけに引っ付いてくるな」
それこそ、蘆根の頭装備 イツモといっていいほどぴったり来るのである。
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