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空気が微妙になった
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「おっ、今帰りか?」
「なんか皆無さんに浜薔薇に行けって」
「あ~」
「やっぱりマッサージとか痛いんですかね?俺痛いの苦手だから、嫌だな」
足つぼのイメージがあったらしい。
皆無さんはこういったらなんだけども、坊っちゃんよりも家を継いでもらえたらなと俺は思っている。
そんなことを運転中に考えるのはどうよっては自分でも思っている、疲れているからだ。
(だからといって、他に仕事なんてあるのかね?)
なんだかんだでこの仕事は食える、学のない俺が本まで読めるようになって、一人前になった恩というのははかりしれない。
(先代さんが目を光らせているうちは良かった)
それを坊っちゃんは口うるさいと思っていたのはわかっていあ、わかっていたが。
(何回、皆無さんに助けられたかわかってます?わかっているのに、それを追い出す真似して、そんなことしたら、人なんてついていかねえに決まっているじゃないか)
その時バックミラーにうつった顔は、鬼気迫るものがあった。
(疲れているよな)
一人になると、出るわ出るわ、こんなにも抱えていたのかと思うぐらいで。
(俺みたいなのを拾ってくれる土壌があの時にはあった、今はない、それが全てじゃないか)
食うに食えないような生活が終わるとも思わなかったし。
(あ~そういえば、浜薔薇って炊き出しとかやってんだよな、偽善じゃなきゃいいな)
そこまで思い付いたら、また自己嫌悪モードに入っていった。
(皆無さんの紹介だぞ、そう、うん、たぶん大丈夫だ)
こんな思考に陥るとき、本当俺はどうにかしていると思ってしまうのだ。
浜薔薇のサインポールが見えてきた。
サインポールはいつも止まっているのは、猫が集まってきちゃうからといっていた。
(猫が多いのだろうか?あっ、サインポールの上にも猫が飾ってある)
残念、それはケットーシーさ!
急に猫がおりてきた。
「うわ、本物かよ」
駐車場に車をいれる。
「飼い猫?野良猫?」
この毛並みを見てもわからぬとは、あれか、初心者か。
「ナオ!」
一声鳴くと。
「いらっしゃい」
男が店から出てきた。
「すいません、皆無さんの紹介できました」
「予約は承ってます、私は蘆根、そっちはケットーシーのイツモ」
「ケットーシー?ああ、俺初めて見ましたわ、熊殺しのケットーシーってすげぇもんが、こんな町中で見られるだなんて」
「さすがにイツモは熊はまだ、でもまあ、町内が縄張りだから空き巣とか、ゴミを荒らすカラスとかはなんとかしてくれるぞ」
統計ではケットーシーがいると、そういった被害は著しく低くなります。
「で、マッサージでいいよな?」
「いいんですけども、俺、痛いの苦手なんですけどもね」
その時イツモはお客さんの足にすりよった。
「こいつ可愛いですね」
「マッサージの準備しますから、その間にイツモと遊んでてください」
約10分間イツモはお客さんと遊びました。
「では着替えもすみましたので、マッサージを」
「手加減してくださいよ」
「マッサージはしたことあります?」
「いや、特には」
「では」
そういってまず体操をしてもらう、腕をぐるぐる回したり、あしをのばしてもらったり。
「はい、結構です」
「なんかしばらくぶりに動いた感じがする」
「それだとマッサージしても痛いときがあるので、こうして先に動いてもらうですね、デスクワークとかします?」
「はい」
「腰とか痛いですか?」
「そこまではないっす」
「あっ、もしかして優のやつ、椅子を変えてません?」
「そうですね、皆無さんの目の届く範囲っていうんですかね、そこら辺と他のやつらって備品が違うんですよ」
「結構いいやつ使っているでしょ」
「はい、飯とかも旨いんですよね、差し入れとか給料日前に必ずいれるし」
「あいつはそういうやつです、でも優しさなんかじゃない」
「わかってます、打算です、でも俺にはその打算がありがたいんですよ、なんていうか、自分が使えるやつって思われているのが自信になる」
「昔はそういうの本当に下手でしたから」
「そうなんですか!」
「ええ、それこそ、俺の元カノですかね、きっかけ」
「えっ、そっちとも付き合ったとか、そういうご関係で」
「いや、それはない、…いや、たぶんないと」
空気が微妙になった。
「優は同級生で、まあ、元カノもですね、私と違って優は将来を期待された組でした」
「はあ、それは今も昔も変わらないんだな」
「ただそのときは、尖ってたというか、あるじゃないですか、特有の」
「なるほど」
「あっちはあっちで引けない、こっちはこっちで引けないなんてことがあったも、友人たちが間に入った、優みたいなタイプと、のほほんとしている俺らというのは、学校でもあまり友人にはならないものなんだけども、これが不思議と垣根を越えたんですよ」
優や有為などの期待を背負って、日々プレッシャーに苛まされているような生徒たちを気にかけたのは、蘆根や元カノのサキの家族たち。
「知らん間にうちの母親が、優くん、ちゃんと食べている?とか世話やいてました」
「あ~」
支給される生活費も少なかったりしたので、食い物はもちろんなんだが、蘆根にとって印象的だったのは。
(誕生日を祝われることに驚いていたからな)
カラン
ペンのキャップが落ちた。
「落ちましたよ」
「悪いな」
「皆無さんのそれ、こだわってますよね、ヴィンテージでしょ?」
「なんだかんだで長い付き合いになっているだけさ」
使い込んだペンは友人たちからの誕生日プレゼントだ。
「あそこに出入りするなら、ペンは自分のものの方がいいわよ、土地持ちなら適当なものでもいいかもしれないけどもさ」
「色は俺が選んだぞ、限定版の方が思い出になるし」
「というか、こういうペンって、インクのやつが高くつかない?」
「そこは普通のボールペンのリフィル値段で高く見えるやつにしてやったわよ」
身なりで判断されるのはあまり好きではないが、少なくとも皆無優は同級生との家族が世話を焼いたおかげで、この辺に困ることなく、今は一人で出来るようになっていた。
「それでもプロに力を借りた方がいいときもあるから、傑に伝えて見繕ってもらってるよ」
予算伝えても、必ずそれ以下で仕上げる、ここら辺も皆無が気に入っている点である。
「なんか皆無さんに浜薔薇に行けって」
「あ~」
「やっぱりマッサージとか痛いんですかね?俺痛いの苦手だから、嫌だな」
足つぼのイメージがあったらしい。
皆無さんはこういったらなんだけども、坊っちゃんよりも家を継いでもらえたらなと俺は思っている。
そんなことを運転中に考えるのはどうよっては自分でも思っている、疲れているからだ。
(だからといって、他に仕事なんてあるのかね?)
なんだかんだでこの仕事は食える、学のない俺が本まで読めるようになって、一人前になった恩というのははかりしれない。
(先代さんが目を光らせているうちは良かった)
それを坊っちゃんは口うるさいと思っていたのはわかっていあ、わかっていたが。
(何回、皆無さんに助けられたかわかってます?わかっているのに、それを追い出す真似して、そんなことしたら、人なんてついていかねえに決まっているじゃないか)
その時バックミラーにうつった顔は、鬼気迫るものがあった。
(疲れているよな)
一人になると、出るわ出るわ、こんなにも抱えていたのかと思うぐらいで。
(俺みたいなのを拾ってくれる土壌があの時にはあった、今はない、それが全てじゃないか)
食うに食えないような生活が終わるとも思わなかったし。
(あ~そういえば、浜薔薇って炊き出しとかやってんだよな、偽善じゃなきゃいいな)
そこまで思い付いたら、また自己嫌悪モードに入っていった。
(皆無さんの紹介だぞ、そう、うん、たぶん大丈夫だ)
こんな思考に陥るとき、本当俺はどうにかしていると思ってしまうのだ。
浜薔薇のサインポールが見えてきた。
サインポールはいつも止まっているのは、猫が集まってきちゃうからといっていた。
(猫が多いのだろうか?あっ、サインポールの上にも猫が飾ってある)
残念、それはケットーシーさ!
急に猫がおりてきた。
「うわ、本物かよ」
駐車場に車をいれる。
「飼い猫?野良猫?」
この毛並みを見てもわからぬとは、あれか、初心者か。
「ナオ!」
一声鳴くと。
「いらっしゃい」
男が店から出てきた。
「すいません、皆無さんの紹介できました」
「予約は承ってます、私は蘆根、そっちはケットーシーのイツモ」
「ケットーシー?ああ、俺初めて見ましたわ、熊殺しのケットーシーってすげぇもんが、こんな町中で見られるだなんて」
「さすがにイツモは熊はまだ、でもまあ、町内が縄張りだから空き巣とか、ゴミを荒らすカラスとかはなんとかしてくれるぞ」
統計ではケットーシーがいると、そういった被害は著しく低くなります。
「で、マッサージでいいよな?」
「いいんですけども、俺、痛いの苦手なんですけどもね」
その時イツモはお客さんの足にすりよった。
「こいつ可愛いですね」
「マッサージの準備しますから、その間にイツモと遊んでてください」
約10分間イツモはお客さんと遊びました。
「では着替えもすみましたので、マッサージを」
「手加減してくださいよ」
「マッサージはしたことあります?」
「いや、特には」
「では」
そういってまず体操をしてもらう、腕をぐるぐる回したり、あしをのばしてもらったり。
「はい、結構です」
「なんかしばらくぶりに動いた感じがする」
「それだとマッサージしても痛いときがあるので、こうして先に動いてもらうですね、デスクワークとかします?」
「はい」
「腰とか痛いですか?」
「そこまではないっす」
「あっ、もしかして優のやつ、椅子を変えてません?」
「そうですね、皆無さんの目の届く範囲っていうんですかね、そこら辺と他のやつらって備品が違うんですよ」
「結構いいやつ使っているでしょ」
「はい、飯とかも旨いんですよね、差し入れとか給料日前に必ずいれるし」
「あいつはそういうやつです、でも優しさなんかじゃない」
「わかってます、打算です、でも俺にはその打算がありがたいんですよ、なんていうか、自分が使えるやつって思われているのが自信になる」
「昔はそういうの本当に下手でしたから」
「そうなんですか!」
「ええ、それこそ、俺の元カノですかね、きっかけ」
「えっ、そっちとも付き合ったとか、そういうご関係で」
「いや、それはない、…いや、たぶんないと」
空気が微妙になった。
「優は同級生で、まあ、元カノもですね、私と違って優は将来を期待された組でした」
「はあ、それは今も昔も変わらないんだな」
「ただそのときは、尖ってたというか、あるじゃないですか、特有の」
「なるほど」
「あっちはあっちで引けない、こっちはこっちで引けないなんてことがあったも、友人たちが間に入った、優みたいなタイプと、のほほんとしている俺らというのは、学校でもあまり友人にはならないものなんだけども、これが不思議と垣根を越えたんですよ」
優や有為などの期待を背負って、日々プレッシャーに苛まされているような生徒たちを気にかけたのは、蘆根や元カノのサキの家族たち。
「知らん間にうちの母親が、優くん、ちゃんと食べている?とか世話やいてました」
「あ~」
支給される生活費も少なかったりしたので、食い物はもちろんなんだが、蘆根にとって印象的だったのは。
(誕生日を祝われることに驚いていたからな)
カラン
ペンのキャップが落ちた。
「落ちましたよ」
「悪いな」
「皆無さんのそれ、こだわってますよね、ヴィンテージでしょ?」
「なんだかんだで長い付き合いになっているだけさ」
使い込んだペンは友人たちからの誕生日プレゼントだ。
「あそこに出入りするなら、ペンは自分のものの方がいいわよ、土地持ちなら適当なものでもいいかもしれないけどもさ」
「色は俺が選んだぞ、限定版の方が思い出になるし」
「というか、こういうペンって、インクのやつが高くつかない?」
「そこは普通のボールペンのリフィル値段で高く見えるやつにしてやったわよ」
身なりで判断されるのはあまり好きではないが、少なくとも皆無優は同級生との家族が世話を焼いたおかげで、この辺に困ることなく、今は一人で出来るようになっていた。
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