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キラン!
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タモツは蕎麦をすする。
「こいつはうめえな」
膝の上にはイツモがゴロゴロ鳴らす。
先日蘆根が食事をした蕎麦処 枇杷の葉のお持ち帰りのお蕎麦であった。
『ここは浜薔薇の耳掃除です』
本日はメーカーさんと共同企画、パックサービスデーとなっております。
固まるまでに20分ほどかかります、また3日以内にパックをした方はご遠慮ください。
店内だけではお客さんが入りきらず、椅子をもって外で待ちながら。
「おや、あなたもですか」
「やはりプロが塗りますと違いますな」
なんてお客さん同士は話をしている。
そして浜薔薇のパック愛好家の人たちには別名、愛称がある。
それをパック民という。
浜薔薇はこうしたサービスは不定期で開催される。
「理由は浜薔薇で売れるものが独自だからです」
キャンペーンやサービスというものは、売り上げを出してくれているお店に、さらに売り上げを出してもらうために行われたりする。
「浜薔薇は魔法使いというか、ここでヒットすると全国区の商品になるんで」
そう、もう前例がある。
それがもち肌伝説という商品のことだ。
もち肌伝説のメーカーさんは、浜薔薇の、蘆根に営業にいった。メーカーさんもそう期待はしてなかったのだが。
「あれ、いいね」
と蘆根が決めて、お客さんが買っていくようにもなった。
「所長がとても喜んでました」
一度もち肌マックスキャンペーンという、これ蘆根が名前つけたんだろうなというイベントを行った。
この時はシェービングしたお客さんにもち肌伝説をつけてくれて、ミニボトルをサービスしますをやったところ、想定よりは売れました。
「というか、浜薔薇はね、棚を抑えたい店になってきたから」
特に傑がいるようになってからである。
何しろ、置いておくと…
「じゃあ、ショーケースに入っているのまた全部お願いね」
「はいはい」
傑は雑に返事をするが、客はそこで嫌な顔をするタイプでもない。
「いや、この間さ、配ったら、いい顔できたんだよね」
最初はええと思っていた女性陣もネットでレビューを見たら、一度ぐらいは使ってみよう、何これ!!!!だったらしい。
そこからおねだりされるらしい。
傑は嫌な顔した。
「こういうのも必要よ」
そうショーケースでまとめて買う人はこの間やってきた酔っぱらい社長である。
最近は仕事でこっちまでやって来る、夜の〆は浜薔薇の屋台、帰りに浜薔薇のショーケース内をまるごとお買い上げコースになってる。
「さすがに毎日はこれないから」
「ダメですよ、そういうお金の使い方したら」
「うちの秘書みたいだな」
秘書の方とは傑はやりとりしており。
「そこまで買ったんだったら、サンプルとかメーカーさんにつける交渉をしますか?」
「ああ、お願いします」
そこで任せるのも傑がしっかりと話し合いをし、報告書まで出してくれるし、他の人がやるよりもおまけなどが多く渡してくれるからです。
「こんなにお金使うんだから、きちんと得してくださいよ」
そういっておしゃれ番頭は他のものも出してくれる。
「どういうのがいいですか?」
「そうですね」
時間が夜だということもあるし、また秘書さんは…
「ああ、イツモちゃん」
イツモにも相手してもらおう。
(おっ、イツモの方も任せろって顔をしてる)
任せてくださいよ、必ず落として見せますよっていう、悪党みたいにも見える。
「女性向け多目でいいですよね?」
「そうですね、お願いします。ただシェービングフォームとかは男性陣に人気でしたね」
「あれは自分で髭剃る時は便利なんですからね」
浜薔薇の取り扱いしているシェービングフォームは、塗ってちょっと一分ほどで濡らしただけでは味わえないほど、柔らかくなり、T字カミソリの種類を問わないぐらい剃れるのである。
ゴロン
「イツモちゃんって、王子って呼ばれているんですか?」
「プリンスがKCJでは呼ばれてますね」
「この間のカレンダー見ましたよ」
KCJで配布している壁紙であるが、イツモは鯉のぼりの着ぐるみをきている。
「先月は蜂さんだったよね!」
この人は相当ファン、チェックが細かい。
「ケットシーは撮影に協力してくれる子はそういないから、やれるケットシーがいればお願いしますって感じで」
そしてイツモはただ写真だけではない、こうして着ぐるみやシチュエーション下での写真もokなので、重宝されている。
「イツモ様はおとなしいだけではないんです」
「すいません、こちら衣装になります!」
というと、スタスタと歩いて移動し。
「お着替え失礼します」
衣装をつけても特に暴れないし。
「じゃあ、こっちに目線ください」
カシャッ
「いいですね、じゃあ、ちょっと上を向いて」
カシャッカシャッ
「はい、そこに鯉のぼりが風で逃げる」
スタッフが吊るした鯉のぼりをサッ!と動かす、すると本能でイツモが追いかけるためにジャンプする。
「いいね、いいね」
このようにケットシーの撮影は、ケットシーもですが、スタッフも全力で挑んでおります。
「あの後、帰ってくると、すぐに寝るからよっぽど疲れているんじゃないかな」
「準備できましたよ、こちらで出せるものは出しますから、サンプルなどは後で確認してくだされば」
そして伝票を渡して、サインしてもらい。
「イツモちゃんまた来るからね」
本当?
「じゃーね!」
「いつもの本当?って顔は、こうすれば受けるとかわかってるやつだからな」
本来はもっと野性味があるのだが、そこは浜薔薇の王子、愛想は大事と学んでいるようだ。
キラン!
「こいつはうめえな」
膝の上にはイツモがゴロゴロ鳴らす。
先日蘆根が食事をした蕎麦処 枇杷の葉のお持ち帰りのお蕎麦であった。
『ここは浜薔薇の耳掃除です』
本日はメーカーさんと共同企画、パックサービスデーとなっております。
固まるまでに20分ほどかかります、また3日以内にパックをした方はご遠慮ください。
店内だけではお客さんが入りきらず、椅子をもって外で待ちながら。
「おや、あなたもですか」
「やはりプロが塗りますと違いますな」
なんてお客さん同士は話をしている。
そして浜薔薇のパック愛好家の人たちには別名、愛称がある。
それをパック民という。
浜薔薇はこうしたサービスは不定期で開催される。
「理由は浜薔薇で売れるものが独自だからです」
キャンペーンやサービスというものは、売り上げを出してくれているお店に、さらに売り上げを出してもらうために行われたりする。
「浜薔薇は魔法使いというか、ここでヒットすると全国区の商品になるんで」
そう、もう前例がある。
それがもち肌伝説という商品のことだ。
もち肌伝説のメーカーさんは、浜薔薇の、蘆根に営業にいった。メーカーさんもそう期待はしてなかったのだが。
「あれ、いいね」
と蘆根が決めて、お客さんが買っていくようにもなった。
「所長がとても喜んでました」
一度もち肌マックスキャンペーンという、これ蘆根が名前つけたんだろうなというイベントを行った。
この時はシェービングしたお客さんにもち肌伝説をつけてくれて、ミニボトルをサービスしますをやったところ、想定よりは売れました。
「というか、浜薔薇はね、棚を抑えたい店になってきたから」
特に傑がいるようになってからである。
何しろ、置いておくと…
「じゃあ、ショーケースに入っているのまた全部お願いね」
「はいはい」
傑は雑に返事をするが、客はそこで嫌な顔をするタイプでもない。
「いや、この間さ、配ったら、いい顔できたんだよね」
最初はええと思っていた女性陣もネットでレビューを見たら、一度ぐらいは使ってみよう、何これ!!!!だったらしい。
そこからおねだりされるらしい。
傑は嫌な顔した。
「こういうのも必要よ」
そうショーケースでまとめて買う人はこの間やってきた酔っぱらい社長である。
最近は仕事でこっちまでやって来る、夜の〆は浜薔薇の屋台、帰りに浜薔薇のショーケース内をまるごとお買い上げコースになってる。
「さすがに毎日はこれないから」
「ダメですよ、そういうお金の使い方したら」
「うちの秘書みたいだな」
秘書の方とは傑はやりとりしており。
「そこまで買ったんだったら、サンプルとかメーカーさんにつける交渉をしますか?」
「ああ、お願いします」
そこで任せるのも傑がしっかりと話し合いをし、報告書まで出してくれるし、他の人がやるよりもおまけなどが多く渡してくれるからです。
「こんなにお金使うんだから、きちんと得してくださいよ」
そういっておしゃれ番頭は他のものも出してくれる。
「どういうのがいいですか?」
「そうですね」
時間が夜だということもあるし、また秘書さんは…
「ああ、イツモちゃん」
イツモにも相手してもらおう。
(おっ、イツモの方も任せろって顔をしてる)
任せてくださいよ、必ず落として見せますよっていう、悪党みたいにも見える。
「女性向け多目でいいですよね?」
「そうですね、お願いします。ただシェービングフォームとかは男性陣に人気でしたね」
「あれは自分で髭剃る時は便利なんですからね」
浜薔薇の取り扱いしているシェービングフォームは、塗ってちょっと一分ほどで濡らしただけでは味わえないほど、柔らかくなり、T字カミソリの種類を問わないぐらい剃れるのである。
ゴロン
「イツモちゃんって、王子って呼ばれているんですか?」
「プリンスがKCJでは呼ばれてますね」
「この間のカレンダー見ましたよ」
KCJで配布している壁紙であるが、イツモは鯉のぼりの着ぐるみをきている。
「先月は蜂さんだったよね!」
この人は相当ファン、チェックが細かい。
「ケットシーは撮影に協力してくれる子はそういないから、やれるケットシーがいればお願いしますって感じで」
そしてイツモはただ写真だけではない、こうして着ぐるみやシチュエーション下での写真もokなので、重宝されている。
「イツモ様はおとなしいだけではないんです」
「すいません、こちら衣装になります!」
というと、スタスタと歩いて移動し。
「お着替え失礼します」
衣装をつけても特に暴れないし。
「じゃあ、こっちに目線ください」
カシャッ
「いいですね、じゃあ、ちょっと上を向いて」
カシャッカシャッ
「はい、そこに鯉のぼりが風で逃げる」
スタッフが吊るした鯉のぼりをサッ!と動かす、すると本能でイツモが追いかけるためにジャンプする。
「いいね、いいね」
このようにケットシーの撮影は、ケットシーもですが、スタッフも全力で挑んでおります。
「あの後、帰ってくると、すぐに寝るからよっぽど疲れているんじゃないかな」
「準備できましたよ、こちらで出せるものは出しますから、サンプルなどは後で確認してくだされば」
そして伝票を渡して、サインしてもらい。
「イツモちゃんまた来るからね」
本当?
「じゃーね!」
「いつもの本当?って顔は、こうすれば受けるとかわかってるやつだからな」
本来はもっと野性味があるのだが、そこは浜薔薇の王子、愛想は大事と学んでいるようだ。
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