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薔薇露茶
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「うちの猫には困ったものなんです」
猫にまたたびといった言葉通り、その猫は時折家を抜け出した、そして見つかるのは彼女が好きなまたたびの仲間、夏梅の生えた、人様の庭であった。
「イツモがまたたび好きじゃねえかと育ててみたが、他の猫が集まってくるようになったな」
浜薔薇の庭は椎茸もそうだが、夏梅、キウイフルーツも育ててる。
「まあ、育てるって言っても、実がほしいっていうよりは、猫が喜ぶと思ってよ」
ただその猫がイツモよりも他の猫で。
「あっ、やっぱりいた」
近所の方が自宅に自分のところの猫がいないと、浜薔薇の庭を見に来るようになるし。
「いい子にしてたよ」
そういってタモツに抱き上げられて飼い主のもとへ。
「でも心配しているんだからな、そこはわからないと」
通じたかはわからないが、逃げた子にそう一言口にした。逃げた猫は目を細めていたが、あれはわかっているのだろうか?
その茶店は満開の時期に営業する。
だから年によっては営業日が大幅に変わることになる。
「しかし、またこれはすごいものだな」
東司は友人に言う。
「そうだろ?」
友人はその店に東司を誘った。
「お前なら気に入ると思ってさ」
薔薇園といっていいほどの薔薇、店がある周囲は黄色の薔薇が多い。
「こっちに赴任になってないと、こういうのは合わせられないし」
元々は薔薇園、しかし金銭的なものが不足で売り払われたのだが。
「今じゃちょっとした社交場でもあるのさ」
その辺はあまり詳しくない、ふ~んとのこと。しかし店の前に置かれているメニューを見ると、東司はご機嫌になる。
(このお茶をこの価格で出すとは…)
これは期待できる。
(せっかくの薔薇園だから、この薔薇露茶でもいいな)
なんてもう、何を飲むかで頭が一杯になっていた。
「お二人様でよろしいですか?」
「はい、お願いします」
「お席の方はご自由にどうぞ」
何分見頃の花を見るための席なので、お客さんに任せるらしい。
見渡してみると、知っている顔が一人いた。
(えっ?何、お前知ってるの?)
(いや、話したことはないが知っている人を知っているという感じか)
(そうか、それならいい、おっかないのから離れて座らせてもらうぞ)
友人がおっかないのと言ったのは、浜薔薇の店を任されている蘆根の友人の顔であった。
(あいつはラーチャーだ)
(ラーチャー?)
(本名は皆無 優/かいむゆうとかいったかな)
(こっちの人間?)
(いや、そうじゃないが、かなりのやり手、特に調査が怖いって話だ)
(まあ、身に付けているもの見れば、ただ者ではないということはわかるけども)
(ランクは落としてあるけども、オーダーだもな、いや、待て、ここに来ているだけで、どこの世界の人間であれ、何かしらできる人間だぞ)
(あっ、そうか)
「紅茶をお待たせしました」
「楽しみ」
「本当にお茶となると目がないな」
「ああ、そうだな、一人で飲むのも好きなんだが、こうして世間話して飲むのも好きなんだよな」
「あれ、波里くんは?」
「あいつ珈琲が好きだから」
平行線な部分がある。
「そういえばお菓子も、毎年この日のために作られているから、それも注文するといいんじゃないか?」
「そんなのもあるのか?」
「ショーケースは今年は出てないか、聞いてみるといいよ」
「じゃあ、ちょっと聞いてみるか」
店員に聞くと、和菓子と洋菓子どっちにしますか?と聞かれたので、和菓子にした。
ホクホクの顔をして、テーブルに戻ってきた。
「目当てのもの手にはいったか?」
「ああ、大福!」
「俺のもある?」
「もちろん、しかし、ここは本当にすごいな、一般のお客さんにももっと宣伝すればいいのに」
「最初の頃はそれやってたんだが、利益出せなくてな、ほら薔薇園っていってただろう」
薔薇が見頃になる頃にお客さん入れてました、そしてこの茶店もそのお客さん相手に出店させてと話が来たから店を出しましたが。
「どっちもダメでな、それでまあ、薔薇園も大分売られて、外から見たら、薔薇園の面影わからないからな」
「ここにそういうのがあるのまったくわからないものな、何度か通ったと思うけども」
「だろ?俺みたいにこっち長いのならばわかるけども、そうでなければ案内されないとわからない、ただまあ、この残った薔薇の愛好家って言うのがいてな、とあるお偉いさん、宣伝はしてないが一般の人も入れることは入れる、ただ実際に案内なしでやってくる人は滅多にいないがね」
それこそ、薔薇や茶の熱心なファンがここに○○があるんじゃないですか?っという形で来る程度。
「こっちは地方だからな、あちこちの業界の奴ら、まあ、俺らみたいなのも含めて、ゆっくり安全に過ごせる場所って言うのはそうないものだから、不思議と集まるのよ」
「だって値段安いし、珍しいもの出ているし、安全だし、変な人いないし」
「それ全部揃っているの、この編にある?」
「ないな」
「昔はあったんだけども、そういうところがだんだん無くなっていって、こういう形になっていった」
「ああそういえば前にあったぞ」
「何が?」
「宗教の勧誘があったんだが…」
「まさか」
「異界から会議に参加の神を勧誘してな、あれは帯同しているみんなが血が凍った」
「その場にいなくて良かった」
会議参加神は、やんわり断った後に、緊張で固まっている護衛や職員たちに、よくあるんだよ、勧誘、生命保険に入りませんか?って聞かれたこともあるんだよ、私何万年生きるから確かに必要かもねって心の中では思ったよと気さくに答えた。
猫にまたたびといった言葉通り、その猫は時折家を抜け出した、そして見つかるのは彼女が好きなまたたびの仲間、夏梅の生えた、人様の庭であった。
「イツモがまたたび好きじゃねえかと育ててみたが、他の猫が集まってくるようになったな」
浜薔薇の庭は椎茸もそうだが、夏梅、キウイフルーツも育ててる。
「まあ、育てるって言っても、実がほしいっていうよりは、猫が喜ぶと思ってよ」
ただその猫がイツモよりも他の猫で。
「あっ、やっぱりいた」
近所の方が自宅に自分のところの猫がいないと、浜薔薇の庭を見に来るようになるし。
「いい子にしてたよ」
そういってタモツに抱き上げられて飼い主のもとへ。
「でも心配しているんだからな、そこはわからないと」
通じたかはわからないが、逃げた子にそう一言口にした。逃げた猫は目を細めていたが、あれはわかっているのだろうか?
その茶店は満開の時期に営業する。
だから年によっては営業日が大幅に変わることになる。
「しかし、またこれはすごいものだな」
東司は友人に言う。
「そうだろ?」
友人はその店に東司を誘った。
「お前なら気に入ると思ってさ」
薔薇園といっていいほどの薔薇、店がある周囲は黄色の薔薇が多い。
「こっちに赴任になってないと、こういうのは合わせられないし」
元々は薔薇園、しかし金銭的なものが不足で売り払われたのだが。
「今じゃちょっとした社交場でもあるのさ」
その辺はあまり詳しくない、ふ~んとのこと。しかし店の前に置かれているメニューを見ると、東司はご機嫌になる。
(このお茶をこの価格で出すとは…)
これは期待できる。
(せっかくの薔薇園だから、この薔薇露茶でもいいな)
なんてもう、何を飲むかで頭が一杯になっていた。
「お二人様でよろしいですか?」
「はい、お願いします」
「お席の方はご自由にどうぞ」
何分見頃の花を見るための席なので、お客さんに任せるらしい。
見渡してみると、知っている顔が一人いた。
(えっ?何、お前知ってるの?)
(いや、話したことはないが知っている人を知っているという感じか)
(そうか、それならいい、おっかないのから離れて座らせてもらうぞ)
友人がおっかないのと言ったのは、浜薔薇の店を任されている蘆根の友人の顔であった。
(あいつはラーチャーだ)
(ラーチャー?)
(本名は皆無 優/かいむゆうとかいったかな)
(こっちの人間?)
(いや、そうじゃないが、かなりのやり手、特に調査が怖いって話だ)
(まあ、身に付けているもの見れば、ただ者ではないということはわかるけども)
(ランクは落としてあるけども、オーダーだもな、いや、待て、ここに来ているだけで、どこの世界の人間であれ、何かしらできる人間だぞ)
(あっ、そうか)
「紅茶をお待たせしました」
「楽しみ」
「本当にお茶となると目がないな」
「ああ、そうだな、一人で飲むのも好きなんだが、こうして世間話して飲むのも好きなんだよな」
「あれ、波里くんは?」
「あいつ珈琲が好きだから」
平行線な部分がある。
「そういえばお菓子も、毎年この日のために作られているから、それも注文するといいんじゃないか?」
「そんなのもあるのか?」
「ショーケースは今年は出てないか、聞いてみるといいよ」
「じゃあ、ちょっと聞いてみるか」
店員に聞くと、和菓子と洋菓子どっちにしますか?と聞かれたので、和菓子にした。
ホクホクの顔をして、テーブルに戻ってきた。
「目当てのもの手にはいったか?」
「ああ、大福!」
「俺のもある?」
「もちろん、しかし、ここは本当にすごいな、一般のお客さんにももっと宣伝すればいいのに」
「最初の頃はそれやってたんだが、利益出せなくてな、ほら薔薇園っていってただろう」
薔薇が見頃になる頃にお客さん入れてました、そしてこの茶店もそのお客さん相手に出店させてと話が来たから店を出しましたが。
「どっちもダメでな、それでまあ、薔薇園も大分売られて、外から見たら、薔薇園の面影わからないからな」
「ここにそういうのがあるのまったくわからないものな、何度か通ったと思うけども」
「だろ?俺みたいにこっち長いのならばわかるけども、そうでなければ案内されないとわからない、ただまあ、この残った薔薇の愛好家って言うのがいてな、とあるお偉いさん、宣伝はしてないが一般の人も入れることは入れる、ただ実際に案内なしでやってくる人は滅多にいないがね」
それこそ、薔薇や茶の熱心なファンがここに○○があるんじゃないですか?っという形で来る程度。
「こっちは地方だからな、あちこちの業界の奴ら、まあ、俺らみたいなのも含めて、ゆっくり安全に過ごせる場所って言うのはそうないものだから、不思議と集まるのよ」
「だって値段安いし、珍しいもの出ているし、安全だし、変な人いないし」
「それ全部揃っているの、この編にある?」
「ないな」
「昔はあったんだけども、そういうところがだんだん無くなっていって、こういう形になっていった」
「ああそういえば前にあったぞ」
「何が?」
「宗教の勧誘があったんだが…」
「まさか」
「異界から会議に参加の神を勧誘してな、あれは帯同しているみんなが血が凍った」
「その場にいなくて良かった」
会議参加神は、やんわり断った後に、緊張で固まっている護衛や職員たちに、よくあるんだよ、勧誘、生命保険に入りませんか?って聞かれたこともあるんだよ、私何万年生きるから確かに必要かもねって心の中では思ったよと気さくに答えた。
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