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店内がほんわかしました
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「これは塩分なので、気になるなら、普段から気をつけてくれると」
「くっ、ラーメンよ、お前とは相容れないというのか!」
「続けて食べるとなっちゃいますから」
「久しぶりに外回り行ったら、久しぶりだからってついね、気を付けよう、そんなに私は若くはないもんな…」
寂しそうにいうのである。
このお客さんは塩分に弱い、どのぐらい弱いかと言うかというと、まず胃腸が重くなり、そしてお腹がぽっこりしてくるのである。
「しばらく、節制かな」
「いきなり色んなものを我慢すると、それはそれで続きませんからね」
「まあね、それはね、ただね、この年になるとね、周囲に病気とか出てくるわけよ」
「あ~それは」
「そうなのよ、そうなってからシビアな節制するよりはって思ってて」
「血管脆くなると、マッサージも遠慮してもらいますし」
「な、なんだと」
「ええ、最初にお聞きするじゃないですか、問診票で」
「あれにはそういう理由が」
「ありますよ、マッサージする方も、マッサージされる方も安心安全、そして気持ちいい、大事じゃないですか」
そこで顎のラインを指でなぞり。
「今日なんか入学式でしょ?そうすると写真撮影したりしますから、そうなるとね、写真うつりを気にするんですよね、だから先にわかっている場合は」
食べ物気を付けてください、前の日にマッサージしますので、翌朝一番いい状態になるように善処します。
「えっ?そんなことまでやってたの」
「やっぱりホテルにいましたからね、パーティーとか宴会とか、そういうので人前に出るときに、顔を気を付けたいっていうのは欲求があるんですよ」
「男性でも」
「男性でも、いや、男性の方がってことですかね、威厳とか、そういうのを求めるので」
ホテル時代の先輩の一人ははそういったお客さんを専門としていた。
「あそこまで行くと、女性の美容みたいなもので、なりたい自分を後押しするような技術がいるんですよ」
そういうのは特別なスキルといえる。
「俺はどうしても地の美しさを追求したいんですよね、そういう意味では浜薔薇では理解されてうれしいですかね」
蘆根さんはこういう人だからでこれでいいんじゃない?とお客さん達は思っている。
「あ~蘆根さんがこうしたらいいんじゃないですか?っていうじゃん、私はじゃあそれでって任せると、おお!これは何て素晴らしいんだ!っていうものが出てくるから、それは素晴らしいと思うんだよ、ほら前にさ、カットするときに、こういうのはどうですか?って、私はあまりそういうスタイルなんかは気にしないからさ」
その時は傑もこういう感じがいいのでは?とアドバイスがありました。
「この髪だと、伸びると、シルエットがザクザクの段になっちゃいますから、丸さだしていくとか」
「そのシルエットを活かしつつも、軽さを出せばこれからの時期快適ですし、髪を洗ったときに乾きも早いと思いますよ」
「いいな、乾きが早いって、ほら、ものぐさなんでさ」
そんなものぐさが、ヘアスタイルにこだわれる、その入り口、それがこの人にとっては浜薔薇なのだ。
「こういうの好きな人の気持ちが少しだけわかったよ」
そう笑いながら言う。
「うちは傑がいますからね、そういうこだわりを楽しむにしても、ちゃんと予算内で、いや、予算よりももっと安く満足できるの出してくれますからね、浜薔薇に欠かすこと出来ないっすよ」
そんな傑は、最近はスタイリストとしての仕事以外にも注文が来たりする。
「ヶ崎さんいます?」
ヶ崎って傑のことね。
ヶ崎 傑(がさき たける)これがフルネーム。
彼を訪ねてきたのは、高校生で。
「彼女の誕生日近いんですけども、なんかいいもの、何がいいですかね!」
「はい、それは奥で聞くよ」
店内がほんわかしました。
「それはほんわかする」
「誕生日のためにバイトして、その給料でいい感じのものを探していると」
「えっ?何?傑くんってそういうこともするの」
「いつの間にか頼まれたって感じですね」
それこそ、デートのスタイリストを引き受けていったら、その時に、クリスマスはどうすればいいですか?っていう話になった。
「そういう話だけはあったんですが、最近は誕生日とか、なんか記念日はどうしたらいいですかって」
いいか、浜薔薇の傑さんならこういうとき間違いないから!
本当っすか。
ああ、俺が考えていたデートだとな、彼女は全然喜ばないが、傑さんが考えるとニコニコなんだぞ。
そして最後にまた連れてきてね!すごく楽しかったなどと言われるから、次も傑さんにお願いしなければいけない!
「使えるお金、出来ればセーブしてほしいんですけども、そういうこと全く考えないんで、そうすると配分がね、大事なんですよ」
プレゼントとそのプレゼントを渡すシチュエーション。
「俺はな、デートはラーメン屋でもいいとは思うんだ」
「先輩…先輩がいきたいところに行くのならば、彼女さんが行きたいところに行くことも大事ではありませんか?」
ポロ
蘆根は目から鱗が落ちた、本当にポロって。
「くっ、ラーメンよ、お前とは相容れないというのか!」
「続けて食べるとなっちゃいますから」
「久しぶりに外回り行ったら、久しぶりだからってついね、気を付けよう、そんなに私は若くはないもんな…」
寂しそうにいうのである。
このお客さんは塩分に弱い、どのぐらい弱いかと言うかというと、まず胃腸が重くなり、そしてお腹がぽっこりしてくるのである。
「しばらく、節制かな」
「いきなり色んなものを我慢すると、それはそれで続きませんからね」
「まあね、それはね、ただね、この年になるとね、周囲に病気とか出てくるわけよ」
「あ~それは」
「そうなのよ、そうなってからシビアな節制するよりはって思ってて」
「血管脆くなると、マッサージも遠慮してもらいますし」
「な、なんだと」
「ええ、最初にお聞きするじゃないですか、問診票で」
「あれにはそういう理由が」
「ありますよ、マッサージする方も、マッサージされる方も安心安全、そして気持ちいい、大事じゃないですか」
そこで顎のラインを指でなぞり。
「今日なんか入学式でしょ?そうすると写真撮影したりしますから、そうなるとね、写真うつりを気にするんですよね、だから先にわかっている場合は」
食べ物気を付けてください、前の日にマッサージしますので、翌朝一番いい状態になるように善処します。
「えっ?そんなことまでやってたの」
「やっぱりホテルにいましたからね、パーティーとか宴会とか、そういうので人前に出るときに、顔を気を付けたいっていうのは欲求があるんですよ」
「男性でも」
「男性でも、いや、男性の方がってことですかね、威厳とか、そういうのを求めるので」
ホテル時代の先輩の一人ははそういったお客さんを専門としていた。
「あそこまで行くと、女性の美容みたいなもので、なりたい自分を後押しするような技術がいるんですよ」
そういうのは特別なスキルといえる。
「俺はどうしても地の美しさを追求したいんですよね、そういう意味では浜薔薇では理解されてうれしいですかね」
蘆根さんはこういう人だからでこれでいいんじゃない?とお客さん達は思っている。
「あ~蘆根さんがこうしたらいいんじゃないですか?っていうじゃん、私はじゃあそれでって任せると、おお!これは何て素晴らしいんだ!っていうものが出てくるから、それは素晴らしいと思うんだよ、ほら前にさ、カットするときに、こういうのはどうですか?って、私はあまりそういうスタイルなんかは気にしないからさ」
その時は傑もこういう感じがいいのでは?とアドバイスがありました。
「この髪だと、伸びると、シルエットがザクザクの段になっちゃいますから、丸さだしていくとか」
「そのシルエットを活かしつつも、軽さを出せばこれからの時期快適ですし、髪を洗ったときに乾きも早いと思いますよ」
「いいな、乾きが早いって、ほら、ものぐさなんでさ」
そんなものぐさが、ヘアスタイルにこだわれる、その入り口、それがこの人にとっては浜薔薇なのだ。
「こういうの好きな人の気持ちが少しだけわかったよ」
そう笑いながら言う。
「うちは傑がいますからね、そういうこだわりを楽しむにしても、ちゃんと予算内で、いや、予算よりももっと安く満足できるの出してくれますからね、浜薔薇に欠かすこと出来ないっすよ」
そんな傑は、最近はスタイリストとしての仕事以外にも注文が来たりする。
「ヶ崎さんいます?」
ヶ崎って傑のことね。
ヶ崎 傑(がさき たける)これがフルネーム。
彼を訪ねてきたのは、高校生で。
「彼女の誕生日近いんですけども、なんかいいもの、何がいいですかね!」
「はい、それは奥で聞くよ」
店内がほんわかしました。
「それはほんわかする」
「誕生日のためにバイトして、その給料でいい感じのものを探していると」
「えっ?何?傑くんってそういうこともするの」
「いつの間にか頼まれたって感じですね」
それこそ、デートのスタイリストを引き受けていったら、その時に、クリスマスはどうすればいいですか?っていう話になった。
「そういう話だけはあったんですが、最近は誕生日とか、なんか記念日はどうしたらいいですかって」
いいか、浜薔薇の傑さんならこういうとき間違いないから!
本当っすか。
ああ、俺が考えていたデートだとな、彼女は全然喜ばないが、傑さんが考えるとニコニコなんだぞ。
そして最後にまた連れてきてね!すごく楽しかったなどと言われるから、次も傑さんにお願いしなければいけない!
「使えるお金、出来ればセーブしてほしいんですけども、そういうこと全く考えないんで、そうすると配分がね、大事なんですよ」
プレゼントとそのプレゼントを渡すシチュエーション。
「俺はな、デートはラーメン屋でもいいとは思うんだ」
「先輩…先輩がいきたいところに行くのならば、彼女さんが行きたいところに行くことも大事ではありませんか?」
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