浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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クーシーの血

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今日も店を開ける。
「おはようございます」
「今日は朝寒いな」
傑が自転車でやってきた。
ガレージの中に自転車を停めて、店内に入ってくる。
掃除はタモツがもう終えていて、奥に座ってテレビでもみているのか、バラエティー番組の音声だけが聞こえてくる。
予約の確認。
「多いわけでもなく、少ないわけでもなくって感じですね」
タイムスケジュールにお客さんが予約を入れる仕組みなので、予約が完了しているものだけを確認すればいい。
「そういえばマッサージはどうだった?」
「練習のために自分の足をマッサージするって、意味があるというか、疲れの取れ方がおかしかったです」
「だろうな、何もやってないと特にわかるぞ」
指や手の力の入れ方を学ぶために、自分の体でマッサージの練習するのだが。
「もっと早くに練習すれば良かったですね」
「だろ?だいたいみんなそういうし、思うんだよな」
何しろ疲れが取れやすくなるし、睡眠時間が短くもなるから。
「でもまあ、最初のうちにこれ教えるのは反対の人たちはいた」
「なんでです?」
「マッサージだけ覚えて、遊ぶために使うからって言ってた」
「ああ、それは今の僕でも、それはあり得るかもって思うから、やっぱり気にしているんじゃないですか」
「疲れとかもそうだし、消化能力も上がるぞ」
「それは真面目にやっている人だけでは?」
「毎日練習していれば結構たどり着けると思うぞ」
大事なのはきちんと手順通りにやること。
「でも自分にやるのって、結構面倒くさいですよね」
全部自分で用意して、クリームとか使うから、最初にみんな準備しないと、クリームの手で歩き回ることになるぞ! 
「俺は今だと五分ぐらいか、確認のためにやっているに近いかな」
「5分」
傑はそんな時間で終わらない。
(えっ?塗ってでしょ)
蘆根という男はどこまで先にいっているのだろうか。
そこから傑が自分にマッサージをするとき、なんで蘆根が5分で終わるのか考えてみたのだが、よくわからない、でもよくわからないままにはしない。
彼もやはりこだわりの道を歩んでいるから、気になるのである。
「やっぱり部分よりも全身にマッサージした方が朝が違うんだよな」
この状態でさえも、二時間ぐらい早く起きるようになってしまう。
蘆根ももちろんマッサージのせいで早起きしても体力がある状態なので、何をしているかというと、ケットシーのイツモを揉んでいたりする。
イツモはKCJの検診なども受けているが、おそろしく健康という妙な結果が出ていた。
「なんでこんなに健康なのか」
ケットシーは猫とは違うのは、機嫌を損なうとトレミー状の障壁を張り出すわ、そのせいで静電気が起きやすいので、きちんと防備した環境でないと医療機器類が全滅になる、それこそ普通の電化製品だって危ない。
浜薔薇の店内にイツモが入らないようにしているのはそういう理由でもあった。
「イツモ様はなんでこんなに元気なんだろう、まるで子猫だ」
大人になる時期は猫と同じぐらいなので、子猫のようにヤンチャなのがわけがわからない。
「跳び跳ねたりしなくなるんですがね」
毎日のように裏の友人ワンコのフェカリスの所に遊びにいったり。
「後はそうですね、イツモ様の縄張りは広すぎる、昔ならまだしも、今の世の中、町内の広さをパトロールしているだなんて」
昔というのは、それこそ、ケットシーの本場の村を守っていたお話があったころ、吟遊詩人がブルゴーニュの話が流行していた時期ぐらいである。
「村に熊や猪が入らないようにしてたんですよ、ケットシー、日本の猟犬みたいな、あっ、でもクーシーはクーシーでいるしな」
イツモの友達フェカリスは、クーシーの血を引いています。
(またよくわからない用語が出てきた、クーシー)
「クーシーというのは、まあ、ケットシーと同じような感じだと思ってください」
「協会はあるんですか?」
「ありませんよ」
えっ?なんでそんなのあるんですか?みたいな顔を、波里にされると結構解せないものがあった。
「ああ、イツモ様、今日も素敵な光沢ですね、毛艶が違いますよ」
「毎日マッサージはしているからな」
「一度動画を撮影してくださいよ、ケットシー向けマッサージの」
「でもな、ケットシーって個体差があるだろうし、下手な仕事はできないな」
イツモ以外の他のケットシーもマッサージ等をしてみて、わかってからだとそういう撮影はしてもいいのだが。
「むむむむ、これは難題ですよ」
まずケットシーは一ヶ所におらず、イツモの近所といえば36キロ離れた街にいるという。
そしてもう一つの問題が。
「なんだ、イツモどうした?」
他のケットシーの話をするとこうしてイツモが蘆根の元になんでか来るのである。
ケットシーの縄張りに猫がいても喧嘩にはならない、むしろ共存したり、平和な感じになるのだが、ケットシー同士は結構威嚇しあうし、またケットシーの家族に、他のケットシーがちょっかいかけようものならば。
ソレガダレダカワカッテイルノカ?
殺気を飛ばしてしまうのである。
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