浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

文字の大きさ
66 / 1,093

あなたの運命

しおりを挟む
最近昼御飯を楽しみにしている。
会社のそばは、コンビニぐらいしかなく、昼御飯のバリエーションに困っていたのだが、なんと近くにキッチンカーが来るのを発見した。
通勤中にたまたま前を通って、本日の営業時間とメニューが書かれていたので、それならばとお昼にやってきたところ。
(この値段とこの美味しさだったら毎日来てほしいな)
そう思ってしまうぐらいはまった。
「お客さん、いつもありがとうございます」
そしていつの間にか、お店の人にも顔を覚えられていて。
「あっ、浜薔薇のサイトをみてくだされば、うちの店の出店情報載ってますし、他のお店も今度からやってくるみたいなんで、楽しみにしてください」
そんな事を言われたら心踊ってしまうじゃないか!と思っていたら。
「本日は炊き出しなので、余裕がありましたら、こちらに料金お願いします」
「これって俺も食べても、買えるの??」
「大丈夫です」
なんで焼きたてピザハーフとか200円で、これめっちゃいいチーズ使ってるんだけど。
「コーヒーと紅茶はサービスです、紅茶の方は時間をいただいてます」
ものすごい賑わいになっていた、平日の昼にこれだけの人って、まあ、みたこともある人いるから近所の人がメインなんだろうが。
ピザはお金を払ってからもらう、食べるとやはり想像通りに旨いと言うか、想像より旨い。
「本当は釜まで作るつもりだって言ってたぜ」
「釜のピザなんて食べたことないや」
なんて声が聞こえてきたりした。
(ピザ持って返りたいが、冷めちゃうと味が落ちちゃうのかな)
結局こみ合って来たので、食べたらさっさと会社に戻ることなった。
たまたまニュースで国内の食料支援についての特集が流れ、それを見たら、浜薔薇でやっていることって都会みたいだなと、こちらでは目に見えない、俺が知らないだけかもしれないが、そういう支援をしなければならない部分が出てきてるのかもしれないし、あれだ、明日は我が身ということも考えられた。
「それを考えると少し怖いな」
ニュースを笑い溢れるバラエティーに変えた。

「炊き出しって、キッチンカーの出店料とかそのままスライドしている形なんですか? 
「あっ、そうなんですよ」
だいたいその金額で何十人か分の炊き出しを作り、お金払える人はきちんとKCJの職員が帳簿とか事務処理をして、災害時に救援するところに寄付していたりします。
「俺が金持ちならもっとドーンと払うんだけどもな!」
「蘆根さんがお金持ちなら、私、結婚してあげる!」
「その気持ちだけでもありがたいや」
浜薔薇に蘆根が来てから、ここには色んな人たちの笑い声が絶えない。
(俺も頑張らなきゃな)
なんて思ってしまうのだが。
「無理はしなくていいですからね」
この人はあの猫貴族の職員の人だ。
「あれ?顔に出てます?」
「わかりやすいです」
なんかこの人の目ってつぶらっていうか、めっちゃ綺麗な気がする。
「なんか蘆根さん見ていたら、自分は何やっているんだろうって気になりました」
「蘆根さんは特殊だから、真似すると失敗しますよ」
「そんなもんですかね」
「そうですよ、我々もこういう支援活動してますけども、ちゃんと計画立てる人間がいるから、安全確保しながらやれるんで、ほら、蘆根さんってとりあえずやってみようか!ってタイプじゃないですか」
「あ~それはわかるかも」
失敗したらその時直していけばいいじゃん!
「あれって真似できなくないですか、よそからみてて」
「それもわかるかも」
直していくと、元の形がわからなくなるまで変わっていき、これなんだっけ?でも動いているからいいか!ぐらいの歪な成功になるので。
「やっぱり蘆根さんって、上手くやっているように見えるじゃないですか」
「見えますね」
「普通の人が感じる幸せの量と、蘆根さんの幸せって同じぐらいなんですけども、喜び方が違うんです、だからすごく見えちゃう、すごく見えちゃうから真似しちゃうんだけども、普通の人はそれでは満足しないから、失敗するって感じですかね」
「深いと言うか、何人か見てきたんですか?」
「ええ、とりあえずやってみればいいじゃん!って悩みにたいして答えてしまい、それをそのままやったら失敗したとかいう話でした」
「なんかうちの会社にいたな、そういう人」
「今の時代といえばなんですけども、ちゃんと成功するのならば、先に調べた方がいいです。いい人を紹介されましたとかそういうのがない状態なら特に、なんでもいうでしょ、最初がなんでも難しい」
「そうですね」
そこで足がなんかもぞっとする、下をみると、猫が体をこすりつけていた。
「貴族様、どうしたんですか?」
そういって猫に話しかけると。
「イツモ様はあなたを好ましく思っている」
「そうなの?」
ゴロリ
腹を見せた。
「まさかのお腹を見せるとは、…よろしければお腹を撫でる、俗にいうモフモフをしてあげてはくれませんでしょうか?」
敬語でモフモフしてくださいを頼まれるとは思わなかったな。
モフモフ
するお貴族様は気持ち良さそうな顔をした。
「あなたはケットシーに愛される才能があるようだ、もしかしたらケットシーを託される、そんな運命を持っていたかもしれない」
えっ?何?俺は運命の出会いを逃したの?それともこれから来るの?とんでもなく気になることを言われたんだが…あれからしばらくしても今のところその出会いは訪れてはいない。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

処理中です...