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感覚の翻訳
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蘆根にマッサージを頼み、後は寝転がるだけなのだが。
(あ~書類作らなきゃならないんだよな、どうしようか)
そういう悩みがマッサージを受ける前にあったのだが、そこは個室マッサージ。
いわゆる癒しのミュージックが流れ、付き合いで目を閉じると。
スヤッ
爆睡した。
そこから目を覚ましたときにお客さんは驚く。
(世界が違って見える)
ここ何ヵ月か仕事のトラブルをなんとかするために駆け回り、休めるときに休む、食べれるときに食べるといった、不規則な生活をしていて。浜薔薇に来たのも今なら浜薔薇にこれるからというただそれだけでやって来たから。
「蘆根さん、今何時?」
時間を聞いたら。まだマッサージを受けてから一時間も経過してないという。
(なんで一時間してないのに、たくさん寝たぐらい気持ちいいんだよ)
驚いてる顔をしてると、その心を読まれたのか。
「光と音と気温とマッサージの力ですね」
「ええ、そうなの」
「体が疲れていると好む暗さとか、音とかがあるので、そういう環境を作ってあげてからマッサージを受けてもらって、そうするとみなさんそのまま寝ちゃうんですけどもね」
それで起きるとスッキリするという。
「あっ、ちょっとトイレ貸して」
「はい!」
蘆根にはたくさんの先生がいるのだが、この環境を作るきっかけになった先生の店というのはやはりすごく。
(異世界な感じだった)
交通量が多い道路がそばにあるのに、その気配も感じさせず、時の流れさえも変わってしまったかのよう。
「魔法ですか?」
「いやいや、ただ人間がどこでそれを感じているかっていうのを遮断するような作りになっているだけだよ、気温は外気と比べてどうすると快適に感じるのかとか、科学とかの測定ってやつだよ」
「へぇ」
「特に今は猛暑とかあるから、昔からの家で何かをするというのは難しいんだよな」
「それはわかりますね」
「直射日光を遮りとか、いろいろ工夫はするけども、最初からわかった上で建築とかリフォームした方がいいんだけどもね」
「どうやって任せる人見つけたんです?」
「マニア」
「えっ?」
「損得よりも己の好みを追求するマニアな、話が止まらない人がいたから、その人に実は今こういうのを作ろうとしているんですけども、どういう伝統技術や新技術があるんですか?って聞いた」
そしたら一人が。
「これは素人さんでもわかりやすいから」
「毎日のようにこれ見てくれ、これもだよって来たんだ」
そこで先生はある程度以上詳しくもなったのである。
「金勘定が入るとそれはやれないとか言って止まる人はいるから、先にある程度知識をもった上で、これはいけるんじゃないかとか、集めていくことになるんじゃないかな」
浜薔薇と蘆根の自宅はご存じの通り職人さんと、ローンなどのお金は商人さんにやってもらいましたが、元々は自分で勉強してからやるつもりでした。
「うちは跡継ぎいないんで、いいさこれぐらい」
商人さんが手伝ったときにそういった。聞きたいがこれ以上理由は聞かない方がいいんだろうなが、蘆根の顔から出ていたらしく。
「これは生き方だからね、締めるところは締めて、使うところは使っていうのは感情ではなく、利益で見なきゃいけないから」
「そういうもんですか」
その割にはお節介というかなんというか。
「この辺の商人の数も少なくなったからな、変なの幅きかせはじめてる、それがいやなんだよ、真面目によく働いてくれる人間が金で困るようにしてはならないんだ、それでは誰も真面目にやってくれなくなるじゃないか」
「…」
「なんだい?」
「いや、申し訳ないなと、俺はそんな真面目じゃないし」
「えっ?」
「えっ?」
朝から店をあけて、夜まで営業し、お客さんが頼ってくれば時間外でもあける。
それで健康状態はどうかというと、マッサージを学んでいるせいで、体型もずっとキープできている。
そして最近では飼いケットシーのイツモの関係で、KCJの活動にも参加、この辺では手薄な社会福祉にも協力的。
「そういえば無料のカットの話とかも聞いたんだけども」
「ああ、あれですか」
就職やバイトの履歴書を作ると思うのだが、その時の写真を撮影する際に、KCJと協力してカットやシェービングをするよというやつである。
「そこのアパートの部屋、元々は民泊のために貸していたんですけども、こんなご時世だからって手放すことにして、そのままKCJが借りることになったんですよ」
二部屋あって、連絡すればお風呂を貸してくれたりします、また急な場合でも駐車場にKCJのキャンピングカーがいるので、職員にお伝えください、すぐに準備をしますよ。
「蘆根くんが一人いると、世の中がいい方向になっているのを自覚した方がいい」
「そうですかね、俺はただこう、やりたいことをそのままやっちゃってるから、申し訳ないなとは思います」
そうなったときの集中力で、職人技を身につけてきたところがあったりします。
(かといって蘆根くんって、教えるときもこれはガツンといけばわかるだろ?系でもないんだよな)
そういう感覚の翻訳はできるのに、自分が教える側に回ると。
「まずはここのツボなんだけども、体がびっくりするから、先にこう撫でてあげる」
本人は説明は苦手といってはいるが、ちゃんと理解できる文章を作れるならば、それでいいのではないかと思うし。
(これで教育もやることになったら、蘆根くん寝る時間もないから、潰れちゃうよな)
周囲からは心配されていた。
(あ~書類作らなきゃならないんだよな、どうしようか)
そういう悩みがマッサージを受ける前にあったのだが、そこは個室マッサージ。
いわゆる癒しのミュージックが流れ、付き合いで目を閉じると。
スヤッ
爆睡した。
そこから目を覚ましたときにお客さんは驚く。
(世界が違って見える)
ここ何ヵ月か仕事のトラブルをなんとかするために駆け回り、休めるときに休む、食べれるときに食べるといった、不規則な生活をしていて。浜薔薇に来たのも今なら浜薔薇にこれるからというただそれだけでやって来たから。
「蘆根さん、今何時?」
時間を聞いたら。まだマッサージを受けてから一時間も経過してないという。
(なんで一時間してないのに、たくさん寝たぐらい気持ちいいんだよ)
驚いてる顔をしてると、その心を読まれたのか。
「光と音と気温とマッサージの力ですね」
「ええ、そうなの」
「体が疲れていると好む暗さとか、音とかがあるので、そういう環境を作ってあげてからマッサージを受けてもらって、そうするとみなさんそのまま寝ちゃうんですけどもね」
それで起きるとスッキリするという。
「あっ、ちょっとトイレ貸して」
「はい!」
蘆根にはたくさんの先生がいるのだが、この環境を作るきっかけになった先生の店というのはやはりすごく。
(異世界な感じだった)
交通量が多い道路がそばにあるのに、その気配も感じさせず、時の流れさえも変わってしまったかのよう。
「魔法ですか?」
「いやいや、ただ人間がどこでそれを感じているかっていうのを遮断するような作りになっているだけだよ、気温は外気と比べてどうすると快適に感じるのかとか、科学とかの測定ってやつだよ」
「へぇ」
「特に今は猛暑とかあるから、昔からの家で何かをするというのは難しいんだよな」
「それはわかりますね」
「直射日光を遮りとか、いろいろ工夫はするけども、最初からわかった上で建築とかリフォームした方がいいんだけどもね」
「どうやって任せる人見つけたんです?」
「マニア」
「えっ?」
「損得よりも己の好みを追求するマニアな、話が止まらない人がいたから、その人に実は今こういうのを作ろうとしているんですけども、どういう伝統技術や新技術があるんですか?って聞いた」
そしたら一人が。
「これは素人さんでもわかりやすいから」
「毎日のようにこれ見てくれ、これもだよって来たんだ」
そこで先生はある程度以上詳しくもなったのである。
「金勘定が入るとそれはやれないとか言って止まる人はいるから、先にある程度知識をもった上で、これはいけるんじゃないかとか、集めていくことになるんじゃないかな」
浜薔薇と蘆根の自宅はご存じの通り職人さんと、ローンなどのお金は商人さんにやってもらいましたが、元々は自分で勉強してからやるつもりでした。
「うちは跡継ぎいないんで、いいさこれぐらい」
商人さんが手伝ったときにそういった。聞きたいがこれ以上理由は聞かない方がいいんだろうなが、蘆根の顔から出ていたらしく。
「これは生き方だからね、締めるところは締めて、使うところは使っていうのは感情ではなく、利益で見なきゃいけないから」
「そういうもんですか」
その割にはお節介というかなんというか。
「この辺の商人の数も少なくなったからな、変なの幅きかせはじめてる、それがいやなんだよ、真面目によく働いてくれる人間が金で困るようにしてはならないんだ、それでは誰も真面目にやってくれなくなるじゃないか」
「…」
「なんだい?」
「いや、申し訳ないなと、俺はそんな真面目じゃないし」
「えっ?」
「えっ?」
朝から店をあけて、夜まで営業し、お客さんが頼ってくれば時間外でもあける。
それで健康状態はどうかというと、マッサージを学んでいるせいで、体型もずっとキープできている。
そして最近では飼いケットシーのイツモの関係で、KCJの活動にも参加、この辺では手薄な社会福祉にも協力的。
「そういえば無料のカットの話とかも聞いたんだけども」
「ああ、あれですか」
就職やバイトの履歴書を作ると思うのだが、その時の写真を撮影する際に、KCJと協力してカットやシェービングをするよというやつである。
「そこのアパートの部屋、元々は民泊のために貸していたんですけども、こんなご時世だからって手放すことにして、そのままKCJが借りることになったんですよ」
二部屋あって、連絡すればお風呂を貸してくれたりします、また急な場合でも駐車場にKCJのキャンピングカーがいるので、職員にお伝えください、すぐに準備をしますよ。
「蘆根くんが一人いると、世の中がいい方向になっているのを自覚した方がいい」
「そうですかね、俺はただこう、やりたいことをそのままやっちゃってるから、申し訳ないなとは思います」
そうなったときの集中力で、職人技を身につけてきたところがあったりします。
(かといって蘆根くんって、教えるときもこれはガツンといけばわかるだろ?系でもないんだよな)
そういう感覚の翻訳はできるのに、自分が教える側に回ると。
「まずはここのツボなんだけども、体がびっくりするから、先にこう撫でてあげる」
本人は説明は苦手といってはいるが、ちゃんと理解できる文章を作れるならば、それでいいのではないかと思うし。
(これで教育もやることになったら、蘆根くん寝る時間もないから、潰れちゃうよな)
周囲からは心配されていた。
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