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まさかの寝落ち
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疲れている人が多いのか、個室のマッサージの予約が多い。
「あれか、自宅で仕事しているのか、運動不足なんだろうな」
常連のお客さんの疲れの位置も変わってきている。
「そうでしょうね、健康診断で引っ掛かる人多くなったっていってましたし」
「竹踏みとかしてくれればな、階段の登り降り増やすとか」
「そういうのは習慣なので」
マッサージ類はただ寝ていれば受けれるが、運動は自分の意思で行わなければならないため、始めるのも続けるのも難しいようである。
トットットッ
そこにフェカリスとイツモがやってくるが、フェカリスの上にイツモが立っているというどこかの音楽隊のようであった。
「バランス感覚良すぎるだろ!」
「そもそもこういうのいつ覚えているんだろう」
この二匹は仲良しなので、見ていると飽きないよというのは、フェカリスの飼い主の話である。
常連客のマッサージ。
「あれ、お客さん…自転車やめたんですか?」
「ああ、好きだったけども、やめたな」
ちょっと残念そうにいう。
「自転車だと太ももに筋肉つきますから、そういうの無くなっているんで」
「自転車楽しいんだけどもね…ゆっくりはしばらくは無理だろうな」
何か事情があるようだ。
「代わりにスクワットとかしているみたいですけども」
「よくわかったね」
「バランス変わってますし」
「自転車は乗りたい、ただ精神的に楽しむ余裕がなくて、たまにジムでバイクに乗ると、今で乗ったところ思い出したりはしているんだけどもね」
「仕事ですか」
「ああ、そう、そうなんだ」
グイ
ここで足のツボを押す。
「やっぱり疲れているな」
「副腎ですね、後考え事している人はだいたい
こことか」
ゴリ
「あれなんか音したね」
「ここに老廃物があるとそれだけでしんどくなりますから、とってもいいですか?」
「お任せするよ」
足のツボは頭の下に胃のツボがあり、この人の足を見ていると、繋がっているなと思える老廃物の溜まり方をしていた。
この流し方というのは痛いやり方もあるが、そうではないやり方もある、そうではないやり方は時間がかかった。
ちょっとでも良くなるように、蘆根という男はそういう考えを常に持っている。
「一度開脚してもらえます、足のつけねで老廃物止まっているんで、流したいです」
「えっ?そんなに悪い?」
「座り仕事しているとどうしても」
「難しいもんだね」
開脚してもらった後、軽く左右に回した。
「手の方も見せてもらっていいですか?」
「ああ」
手の方もかたいし、冷たい。
「キーボードとか叩きすぎてすね」
おそらくここで支えているんだろうなという癖の場所が少々悪い。
「そこから、肩に…目と」
「なんか良いところないな」
「まあ、難しいんですよ、この辺」
「ふ~ん」
「場所が繊細すぎるのと、この点だけが悪いとなると、ツボだけでは限界があるし、体全体で回復を補うしかないというか」
「悩んじゃってるみたいね」
「そうですね、今までマッサージしてきた人はこういう疲れ方しなかったので、逆に習いたいですね、こういうときにどうやって癒すのか」
勉強会とか開きたいぐらいである。
「蘆根先輩でもダメってことは、誰がやってもダメなんじゃ」
「そうは思わないけどもよ、色々と調べているけども、仕事の環境をそれぞれが気を付けないと、マッサージでは限界があるっぽくてな」
(あっ、これ諦めてない顔だ)
「まあ、イツモで例えるなら…」
そこで呼ばれたと思い、イツモがとことこやってきて。
「ちょうどいい」
蘆根はイツモをマッサージする。
「やっぱりさ、食事から見直した方がいいというか、いつもの分量で肉がついている感じだな」
そういってイツモの肉のたるみを強調した。
「でもイツモって結構筋肉ですよ」
「寒いと肉がつく感じだな」
毛の生え方も冬になると、伸び方も変わる。
「やっぱりそういう季節に敏感だなっていつも思うよ」
気温が低くなると、被毛の生え代わりために食事の量を増やしている。
「ブラッシングで血行をよくしてあげることも忘れずにって言われたな」
最初はブラッシングの習慣に慣れなかったイツモだが、そこは蘆根の職人技。
「人間へのブラッシングとは違うんだよな、何て言うのかな、義務だと付き合ってくれないから」
終わるとご褒美をあげてましたが、そのうちにあれ?ブラッシングって気持ちよくない?と気付き始める。
「そうなったら勝ちよ」
今ではイツモ用のブラシの準備をすると、目の前に現れる。
「こうやってそれじゃあ、ブラッシングさせてくれっていってな、初めてる」
傑の前で実際にブラッシングを始めるが、気持ち良いのか、目を細めて、たまに蘆根や傑を見ている。
「この時に触りることも慣れていってもらったんだけどもさ」
空いている手で撫でるように。
「痒いところありませんか」
蘆根の空いている手に、イツモは前足をかけている。
ゴロゴロ
そして喉を鳴らし始めた。
(僕がやると絶対にこうならないのに)
我の姿を見て精進するがいい!
イツモはいきなりピタっと止まった。
「寝ちゃったか」
「ええ、まさかの寝落ち」
「まあ、安心するといつもこうだな」
そのまま抱っこされて、イツモは爆睡したままもふられ続けた。
「あれか、自宅で仕事しているのか、運動不足なんだろうな」
常連のお客さんの疲れの位置も変わってきている。
「そうでしょうね、健康診断で引っ掛かる人多くなったっていってましたし」
「竹踏みとかしてくれればな、階段の登り降り増やすとか」
「そういうのは習慣なので」
マッサージ類はただ寝ていれば受けれるが、運動は自分の意思で行わなければならないため、始めるのも続けるのも難しいようである。
トットットッ
そこにフェカリスとイツモがやってくるが、フェカリスの上にイツモが立っているというどこかの音楽隊のようであった。
「バランス感覚良すぎるだろ!」
「そもそもこういうのいつ覚えているんだろう」
この二匹は仲良しなので、見ていると飽きないよというのは、フェカリスの飼い主の話である。
常連客のマッサージ。
「あれ、お客さん…自転車やめたんですか?」
「ああ、好きだったけども、やめたな」
ちょっと残念そうにいう。
「自転車だと太ももに筋肉つきますから、そういうの無くなっているんで」
「自転車楽しいんだけどもね…ゆっくりはしばらくは無理だろうな」
何か事情があるようだ。
「代わりにスクワットとかしているみたいですけども」
「よくわかったね」
「バランス変わってますし」
「自転車は乗りたい、ただ精神的に楽しむ余裕がなくて、たまにジムでバイクに乗ると、今で乗ったところ思い出したりはしているんだけどもね」
「仕事ですか」
「ああ、そう、そうなんだ」
グイ
ここで足のツボを押す。
「やっぱり疲れているな」
「副腎ですね、後考え事している人はだいたい
こことか」
ゴリ
「あれなんか音したね」
「ここに老廃物があるとそれだけでしんどくなりますから、とってもいいですか?」
「お任せするよ」
足のツボは頭の下に胃のツボがあり、この人の足を見ていると、繋がっているなと思える老廃物の溜まり方をしていた。
この流し方というのは痛いやり方もあるが、そうではないやり方もある、そうではないやり方は時間がかかった。
ちょっとでも良くなるように、蘆根という男はそういう考えを常に持っている。
「一度開脚してもらえます、足のつけねで老廃物止まっているんで、流したいです」
「えっ?そんなに悪い?」
「座り仕事しているとどうしても」
「難しいもんだね」
開脚してもらった後、軽く左右に回した。
「手の方も見せてもらっていいですか?」
「ああ」
手の方もかたいし、冷たい。
「キーボードとか叩きすぎてすね」
おそらくここで支えているんだろうなという癖の場所が少々悪い。
「そこから、肩に…目と」
「なんか良いところないな」
「まあ、難しいんですよ、この辺」
「ふ~ん」
「場所が繊細すぎるのと、この点だけが悪いとなると、ツボだけでは限界があるし、体全体で回復を補うしかないというか」
「悩んじゃってるみたいね」
「そうですね、今までマッサージしてきた人はこういう疲れ方しなかったので、逆に習いたいですね、こういうときにどうやって癒すのか」
勉強会とか開きたいぐらいである。
「蘆根先輩でもダメってことは、誰がやってもダメなんじゃ」
「そうは思わないけどもよ、色々と調べているけども、仕事の環境をそれぞれが気を付けないと、マッサージでは限界があるっぽくてな」
(あっ、これ諦めてない顔だ)
「まあ、イツモで例えるなら…」
そこで呼ばれたと思い、イツモがとことこやってきて。
「ちょうどいい」
蘆根はイツモをマッサージする。
「やっぱりさ、食事から見直した方がいいというか、いつもの分量で肉がついている感じだな」
そういってイツモの肉のたるみを強調した。
「でもイツモって結構筋肉ですよ」
「寒いと肉がつく感じだな」
毛の生え方も冬になると、伸び方も変わる。
「やっぱりそういう季節に敏感だなっていつも思うよ」
気温が低くなると、被毛の生え代わりために食事の量を増やしている。
「ブラッシングで血行をよくしてあげることも忘れずにって言われたな」
最初はブラッシングの習慣に慣れなかったイツモだが、そこは蘆根の職人技。
「人間へのブラッシングとは違うんだよな、何て言うのかな、義務だと付き合ってくれないから」
終わるとご褒美をあげてましたが、そのうちにあれ?ブラッシングって気持ちよくない?と気付き始める。
「そうなったら勝ちよ」
今ではイツモ用のブラシの準備をすると、目の前に現れる。
「こうやってそれじゃあ、ブラッシングさせてくれっていってな、初めてる」
傑の前で実際にブラッシングを始めるが、気持ち良いのか、目を細めて、たまに蘆根や傑を見ている。
「この時に触りることも慣れていってもらったんだけどもさ」
空いている手で撫でるように。
「痒いところありませんか」
蘆根の空いている手に、イツモは前足をかけている。
ゴロゴロ
そして喉を鳴らし始めた。
(僕がやると絶対にこうならないのに)
我の姿を見て精進するがいい!
イツモはいきなりピタっと止まった。
「寝ちゃったか」
「ええ、まさかの寝落ち」
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