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本編

ギルドマスター、謝る ロイside

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「とりあえず。 すまなかった、ロイ」

2人と1匹が帰ってきてすぐ。
マリアは体力の限界だったらしくリルを抱き抱えたまま ヨロヨロと頼りない足取りで部屋に向かった。あの様子だと部屋に入ったらすぐ寝るだろう。

ひとまず、リアードに話を聞くことにした。

そして俺が口を開くより先に、リアードが頭を下げ、謝ってきた。


「.........どこに行っていたか、の想像はついている。

ギルドマスターといえど、勝手なことをするな」

「お前が頑なにダメだと言っていた理由がよくわかった。は、ダメだ。揃いも揃って、ダメだ」

そう言いながらリアードは頭を抱えた。

「あーまぁ、そうだろうなぁ」

どの程度のものを見たのかはわからないが、
おおよその想像はつく。

これは明日 マリアに話を聞かないといけないな.......。


「まさかお前はアレを良しとしているのか!?」

などと考えていたら ついおざなりになった返答に、リアードは問い詰めてきた。

「良しとしてるわけじゃねぇけど、言っても聞かねぇとこあるからなぁ、アイツ」

「マリアもだが、リルも相当だろう。アレでまだ幼体か。 成長したら....と考えたら はっきり言って、怖い」

「それには俺も同感だな」

怖いなんてもんじゃねぇぞ、と言いたいのをグッと堪えた。


「魔物の成長は早い。1年もすれば 成体になるだろう」

「成長?  .........あぁ、そういえばそうだな」

── が引っかかった気がする。


「そういえばそうだな、って......。

契約からそんなに日が経っていないのか?」

「あー.......まぁ、そうだな」

なんだ? 何が引っかかったんだ???

「それであの主従関係か。マリアが従魔士として優れているのか、リルが賢いのか.........或いは両方か。

どちらにせよ、獣人が従魔法の素質持ちなのも非常に稀有な話だ。

お前の従魔のフリもしっかり出来ると聞いているぞ。主人以外の言うことを聞ける従魔、というのも珍しい。

それに──.......」

この時すでに、リアードの話はほぼなにも、頭に入ってきていなかった。





よって、気づいたときには目の前にリアードは居らず、それどころかたっぷり寝て起きたマリアに声をかけられたー......。
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