異世界転生したのだけれど。〜チート隠して、目指せ! のんびり冒険者 (仮)

ひなた

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本編

出発前夜 01

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「とうとう旅にでちゃうのね~  寂しくなるわ~」

旅に出る日の前夜。

ルイスの宿舎部屋に、私とロイさんは呼ばれた。


ーどうやら、お別れパーティーをしてくれるみたい。

エミリーさんがご馳走を作って待っていてくれた。


「エミリーさん。短い間でしたけどお世話になりました」

エミリーさんにはいろいろ迷惑かけちゃったからなぁ……。

「いいのよ、迷惑かけたのはマリアちゃんじゃなくて主にロイなんだから」

「…………(苦笑)」

否定も肯定も出来ずに苦笑していると、

「エミリー」

ロイさんがいつもよりちょっと低い声で名前を呼びながら、ジト目をエミリーさんに向けていた。

「何よ、本当のことでしょ?


マリアちゃん、美味しい?」

「え、あ、うん!とっても美味しいよ!」

これ以上は何も言う気ありませんって感じでエミリーさんは私に話しかけてきた。


「今更かもしれないけどマリアちゃん、旅の間のご飯はどうするの?」

「どう……って、作るよ? エミリーさんほどとはいかなくても ちょっとしたものくらいなら作れるよ」

タイムリーだなぁ……。

料理なんて転生してから1回も作ってなかったから試しにって昨日作ったんだよね。
味はそこそこイケてると思う。

無限収納の中に入ってるけど……。


「試しに作ってみたのがあって、魔法鞄マジックバックの中に入ってるんだけど 出してもいい?」

「あら、そうなのね。食べたいわ!」

「お前、いつの間に作ったんだ?」

「こんなチビが料理とか、大丈夫なのか?」

ロイさんは怒ってるというよりは、 “また勝手なことして……” っていうお父さんスイッチが入ったみたい。

ルイスはニヤニヤしながら揶揄ってくる。

……この世界、10歳くらいから働くことも珍しくはない。
でもルイスの反応からして、さすがに1人で料理をする10歳児はいないんだろうな……。


「味は悪くないと思うよ?」

魔法鞄マジックバックから出すフリをして無限収納から鍋ごと取り出した。


「あたたかいわね。作ったばかりなの?」

「え、あ、うん! エミリーさんに食べて貰おうかなーって思って、作ってきたの!」

無限収納は時間経過無しだから昨日作ったやつだけど 入れた時のままの温度だからあたたかいままなのをちょっと忘れてた。


「これならあたためなおさなくても平気そうね。ルイス、お皿」

「ん」

ー今夜部屋にお呼ばれして見て、意外だったのが、ルイスはエミリーさんに頭が上がらないことだった。

尻に敷かれてるってほどじゃなさそうだけど、パワーバランスはエミリーさんのほうが上みたい。
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