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学園編
閑話・天才と天災は混ぜるな危険
しおりを挟む(シャーロック公爵視点)
弟とあの天災児がまたとんでもないものを作り出した。
魔力水。
それは大聖女しか作りえない『聖水』に等しいもの。大聖女の聖水は魔を祓い、傷を癒やし、結界を張るものである。だが『魔力水』は……
「オズウェル!!」
「ぅひゃぁ!?」
弟が根城にしている醸造所兼研究室に押し入ると、良い感じにデキ上がっていた弟が飛び上がった。まったく……この子はまた昼間から飲んでいるのか…。
「に…兄様!?いきなり来ないでください!びっくりしたぁ、もう……」
「びっくりした、じゃない!なんだあの装置は!?お前とリオは何を作り出したかわかっているのか!」
「ああ~…あれ?」
ふー……と弟は酒精の混ざった息を吐き、ヘラリと笑った。……く!なんだかこの子はリオに似てきたな!?悪い友達ができると流される性質だったのか!
「理論的には実家にいる時に完成してたんだけど、公爵家で研究したらほら、先代公爵に横取りされちゃうでしょ?だからプレンダーガストで作ったんだぁ。リオっていう規格外の魔力供給源もあるしぃ?」
まさかの屑男が原因か…っ!
「すごいよねぇ、あれ。飲めば魔力が回復するし、疲労も取れる。自然治癒能力も大幅に向上するから聖水と同程度の治癒も見込まれる。リオの魔力がたっぷりだから、その辺に撒けばリオより弱い魔物は襲ってこないし。あと精神汚染を除去する効果もあるよ?長期的な治験はほら、なんていったかなぁ?2年くらい前に王族を傷付けて奴隷落ちしたっていう高位貴族の少年?あれの勾留施設に卸してくれって宰相サマに言われてさぁ。良いお小遣い稼ぎになってるんだぁ~」
それ、は……『聖水』の上位互換じゃあないのか!?
「しかも飲むと美味しい!兄様も飲んだ?竜舌蘭酒の魔力水割り!シュワシュワしてて爽やかで、これで割るとすごく気持ちよく酔っ払えるのに次の日響かないんだぁ」
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「………美味い……」
「でしょ!これね!リオの発案で、樫の木の樽を焼いて熟成させてみたんだぁ!まだリオのお店でも取り扱ってないんだよ!兄様が一番乗りだねっ」
くっ……こ、こんなことで、誤魔化されてやるとでも…!?
「はい♡おかわりどーぞ!」
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誤魔化されてやるか!!弟が可愛い!天使か!?
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