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学園編

領地の発展と炭酸水魔道具

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ケレス開発、プレンダーガストのさらなる発展。たまに王都に行って襲ってきた反社会組織やら災害級の魔獣やらをぶった斬って。


リオ・プレンダーガスト、いつのまにか15歳になりました。


いやー、早い。光陰矢の如しっつーのはまさにこのこと。やることが多すぎて多すぎて、いつのまにか2年が過ぎてたって感じだ。……まあ、俺が領地改革を始めた時から時間は駆け足どころか全力疾走だったんだけどな?食糧事情も良くなり、馬に乗ってても食べれる 糧食レーションを開発し、背も伸びた……気がする。や、多分デカくなったんだよ?成長期だもんな。でもさあ!ティグレの方がめちゃ伸びたんだよ!待ってくれよ……5年前はそんなに変わらなかっただろ?もう大人身長だよティグレ青年!対して俺の身長はティグレの頭ひとつ分低いくらい。とりあえずリサやメアリーばあちゃんは抜いた!ガラス職人の姐さんより低いけど…。良いんだ。男は二十歳まで伸びると前世では聞いた。だから!俺の戦いはここからだ!!

未完打ち切り漫画のラストシーンみたいだな…とか思ったが、俺の人生はまだまだ続く。

ケレスは農業都市として発展した。元々がプレンダーガスト領よりずっと王都に近い立地だ。都会に近い田舎。トカイナカとして観光地にもなった。清潔で整然とした豊かな農地や牧草地。野菜も肉も果物も、全てが美味いという別荘地のような扱いになった。ま、当然俺が目を光らせているから領民以外の住居は建てさせない。他領の者は土地を購入できない。別荘は個人所有ではなく高級宿屋だし、商館も賃貸だ。ケチくさいようだが、他領の支配は徹底排除した。前世のヒノモトも、隣国にそれで何度も煮湯を飲まされたしな。

ケレス領中央の役所には聖女ヘスティアの巨大像。……うん、何故か曾祖母様は中央神殿から『聖女』として認められた。王家の非道な行いにも折れず、プレンダーガストの疫病に立ち向かい、多くの領民を救って命を落としたこと。そして勇者おれの曾祖母ということで検討されたらしい。死んで聖人になるっつーのは前世でも良くあったことだが、俺と同じ顔の巨像をドーンと建てたり、土産物屋に絵姿やらミニ聖女像が並ぶのは居た堪れない。ついでに『プレンダーガストの勇者シリーズ』の絵本とか並んでるのは愧死しそうになる。ホントもうマジでやめてくださいお願いします。売れ筋商品らしいから禁止はしないけどさぁ!

プレンダーガストはすでに王都並みの発展を遂げた。衛生面とか福祉面とかならプレンダーガストの圧勝だ。食事所とか酒場のお洒落感はまだまだなんだが……良いんだよ。田舎料理でも美味けりゃ。

ガラス産業の方は、前世のイベントなんかも参考にして、好きなプレンダーガストグラスを選んでもらい、そのグラスでアルコール飲料や果実水が飲める酒場も直営で作った。一番人気は炭酸割り。俺としてはマルガリータとかギムレットあたりかと思ったんだが、アガベシロップ100%で作る異世界テキーラはまったりとコクがあり、果実のような花のようななんとも言えない香りがする。15歳になって個人的に酒を解禁したので味見したんだが、中々に美味い。炭酸は錬金術師に言って作ってもらった炭酸水魔道具メーカーで作る。材料は空気と俺の魔力。なので料金設定は強気のお値段。グラス買取で5杯まで飲める。

グラスが選べるバーもどきのプレオープンに招待した四公爵が「この値段で炭酸これを飲ませるのか!?」とか言いながらテキーラ入りのソーダをガブガブ飲んでた。高いんだか安いんだか…。王都で飲まれている王妃様考案の炭酸水は、重曹の塩っぽさと柑橘酢の酸っぱさの独特の味がする。プレンダーガストの炭酸水は単純に水と二酸化炭素のクリアな味だ。

作り方は魔法陣を何重にも重ねた魔道具を使い、まず空気中の酸素と水素で水を生成、さらに空気中から二酸化炭素だけを抽出、水と二酸化炭素をボトルに高圧で閉じ込める。手動でよーく振る。これでもか!って振る。以上!水は普通の水で良いんじゃねえ?って思ったが、不純物が入ると故障すると言われた。クッソ、繊細かよ!?

錬金術師オズウェルに「これ、多分、リオきみにしか動かせないよ?最適化とかしてないからね」と言われた、非常に魔力を食う魔道具だ。……良いんだ。俺が飲みたかっただけだし。あとポチタマシルキーが喜んで飲むし。








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