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9.少し悲しげな王国の生贄風、媚薬という名の自白剤を添えて
しおりを挟む夜会当日、わたくしは紫紺のドレスを身に纏い、金のアクセサリーを嫌味なく使って『戦場』へ赴きました。
左手のブレスレットは薬入れになっていて、いつもは解毒薬しか入っていませんが、本日は王妃殿下が用意してくださった『ちょっと良い気分になって素直になっちゃうお薬』が入っています。念の為多めに用意してますのよ?これは王妃殿下にも事前にご報告しています。手が震えてうっかり…ということもありますからね?ええ、うっかりですわ、うっかり。ほほほ。
エスコートをしに迎えにいらしたクソ王太子は、目に痛いド桃色の礼服に赤いチーフ。ええ、あの売女の色ですわね。
好都合です。僥倖です。わたくしの見送りに来ていた侍女軍団の殺気が怖いですが。
「ああ、ソワヨ。まるで豊穣の女神のようだよ」
「まあ…殿下ったら…」
ファーストネームで呼ぶんじゃねえ。しかも呼び捨てかこのクソロリコン野郎が。
わたくしは(超不本意ですが)婚約者である殿下の色を纏っているというのに、このクソロリコン浮気野郎は堂々と愛人の色を纏っている。陛下の誕生日を祝うパーティーで、同盟各国の要人を招いたこの夜会で、堂々と浮気宣言!いやぁ、最近のバカはやることが突き抜けていますなあ。
今日のわたくしは『少し悲しげな王国の生贄風、媚薬という名の自白剤を添えて』ですのよ?
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