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3.お断りしてください
しおりを挟む嫌な予感がします。なにしろこのポメラニアン、わたくしのこととなると非常にポンコツなのです。わたくしのため、と張り切ると、やることなすこと裏目に出る。それがポンコツポメラニアン。略してポンポメ。
「どんなプレゼントですの、お父様?」
「ああソワヨ!聞いておくれ!お前の為に王太子との見合いを捥ぎ取ってきたよ!」
……………………はい???
「お前も殿下も、もう20歳。身を固めるには良い歳だと思ってね。お前は殿下と同じ教室だっただろう?殿下はお前のことを憎からず思っていたようだ」
「………………え…………は?あ、あの?でも、殿下、ですの?我が国の王太子ダミアン様?あの『真実の愛事件』の……?」
「ああ、大丈夫だよソワヨ。あの事件の男爵令嬢はすでに修道院にぶちこ…ンンッ、修道院で神に祈って奉仕活動をしているよ。殿下とは切れている」
「真実の愛(笑)ですのよ?わたくしの親友、リーゼロッテを…貶めて、泣かせた……」
「リーゼロッテ嬢は気の毒だったな。だが大丈夫、王家の再教育で殿下は学習された。お前もこんなに美しく女神で天使なのだし、万が一は無いだろう」
ーーー クソが!
「お断りしてください」
「……は?」
「お、こ、と、わ、り、してください。わたくし、殿下を軽蔑しておりますの。あのお方のせいでわたくし、男性不信ですのよ?」
「だが…」
「大方あれでしょう?国内外の歳の合う貴族令嬢に打診したけれど断られ、もう言いなりになりそうな女がわたくししか残っていなかった。違います?」
「違う!それは違う!大丈夫だよソワヨ。パパが上手くやる。殿下も陛下も国も、全て操ってお前を世界で一番幸せな女の子に……」
「世界で一番不幸せですわッ!」
わたくしが叫ぶとお父様はしおしおと、お塩をかけたナメクジのように萎んでしまいました。
「……わかった。この話は無かったことにしてくるよ」
よっしゃ!勝った!!もうひと押し!
「お父様?わたくし、お母様のようにお強くて、お父様のように頭が良い方でないとお嫁にいきません。……ね?」
にっこり笑うと、お父様は嬉しそうに頷いた。
このポンポメ!ちゃんと断ってこいよ!?
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