腐女神さまのいうとおり1〜亡国王子と死神辺境伯〜

とうや

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亡国王子、海鮮パーティーを開催する 1

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突然の再会の後に、先生は「ああ、それより飯じゃ飯!食いながらでも話は出来る!」と笑った。うん、まごうことなき先生だ。


先生 ーーー 東郷琥太朗とうごうこたろうはヒノモトでの剣術の先生であり、お隣に住んでたお爺ちゃんだ。住んでいた……というか、父さんと母さんが強引に隣に住んだらしい。先生は動乱の時代を侍として生き抜き、戦後の混乱期に2人の子供を拾った。それが父さんと母さんだ。

「『人斬り東郷』が親じゃあ生き難かろうて」

そう言って養子にまではしなかったらしいが、実質俺たち4姉弟の祖父のようなものだ。ダブルインカムの両親は、礼儀作法と護身術と言いながら俺たちを小学校に入る前から先生の家に突っ込んだ。先生はさぞや迷惑だっただろう。……ん?いや、迷惑?子供なりにすっごい『お手伝い』してた気がする。あの広い屋敷と道場を雑巾掛けに掃き掃除、窓拭き、猫の世話。小学生になってからは、洗濯とかご飯の準備とかもみんなでしたね。うん、迷惑とお手伝い、プラマイゼロ。たぶんそう。そうだといいな…。

その先生、カカカと笑いながらカニを真っ二つにして。わー、わぁあー……インベントリって火がついたまま消えないのぉ!?


「ふむぅ…蟹がちとでかいのう?どれ、もう少し細切れに…」

「ヒィアア!!お、お、お…おおおおおおお!お待ちくだされオサムライ様!!」


アダルベルトおじさんが悲鳴をあげた。っていうか、お侍ってこの世界にもあるんだぁ。


「今、解体人を呼びます故……今しばし!今しばしお待ちくだされ!!そして素材を買い取らせて下さいませぇッ!!」


え…?アダルベルトおじさん、なんか言葉おかしいよ?どこ語?……あ、東の島国の言葉?あー、うん。ファンタジーあるあるかあ。


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