腐女神さまのいうとおり1〜亡国王子と死神辺境伯〜

とうや

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亡国王子、1人目の同郷と邂逅する 3

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睨み合う巨大イカと巨大カニ軍団。あと真っ白いウナギ(?)。その上にキラリと何かが光った。


「カカカカカ!今夜の飯は鰻か蟹汁か!?烏賊刺しも良いのう!」


声。空中を駆けていく影は……


「せ……せんせえ!?」

「…む?知り合いか?」

「えー……えええ…」


空中をで駆けていく姿は、俺の記憶の中の『先生』とはだいぶ違う。かなり違う。若い。若すぎるんだ。先生は皺くちゃのおじいちゃんで、髪も真っ白の白髪だった。手足も木の枝みたいに細かった。

それなのにこの『先生』は、つやっつやの黒髪で、着物から見える手足はしっかりとお肉と筋肉がついてる。しわしわじゃない。お顔はかなりの美形だ。あっさりした塩顔だからこっちの人にはない顔だよねぇ。


「せんせえー!」


叫んでみた。違ったら恥ずかしいけど、多分違わない。


『うふふ~!女神様の祝福よぉ~』


やっぱり一花姉だったかぁ…。


「……お?おおお?応、そこにるのは二葉か!?一花の言うた通りじゃ!ほんにちいそうなって!」


小さくないもん!成長期だもん!


先生は嬉しそうに笑いながら俺の心を抉り、カニの手を切り落とした。……あ、美味しそう…。(じゅるり)


「………から逃げていたのか…」


フィアツェンさんが呆然と呟いた。あー、先生ってやっぱり規格外だったんだあ。全盛期は水滴を蹴って縮地で走ったって本当だったんだぁ…。




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