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亡国王子、海鮮パーティーを開催する 2

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じゅうじゅうと焼けていくのは海の幸。海鮮の焼ける良い匂いがあたり一面に漂っている。

あの後、知らせを受けて飛んできた双子とお祖父様、あとアダルベルトおじさんお抱えの解体屋さん達が市場に揃った。巨大カニとか白い鰻っぽいモンスターとかダイオウイカみたいなイカとかは一旦凍らせて解体作業が始まった。お口の中がすでにカニ鍋ウナギにイカ刺しになってた先生はブーブー言ってたけど。代わりに結界を解いた途端に雪崩れ込んだお魚とか貝を頂くことになった。魚人さん達は海にお帰り頂いた。錬金術の良い素材になるらしいけど……ねえ?

酔い潰れてたけど、孫の危機に駆けつけたお祖父様だが、先生を見た途端に


「………っ!?…っっ!!??……か…可憐じゃ…!」


とか頬を染めて呟いた。うん、やめて。先生はだめ。なんか生々しくて無理。

しかしねえ?先生って若返ってヒノモト風のイケメン!って思ってたら、こっちの世界の基準では『可憐』なんだあ…。シュッとした感じなんだけどなあ。

市場で即席のバーベキューコンロもどきをたくさん作ってもらって、


「そこのかたたち!おてつだいしたら、いっしょにたべさせてあげます」


逃げもせず、肩を寄せ合い抱きしめあってガタガタ震えていた浮浪者っぽい人たちに声をかけた。物語の主人公様みたいに俺は優しくないんだぞ?働かざるもの食うべからず!俺は先生の家でそう叩き込まれた。慌てて近寄ってくる人たち。


「まずはてをあらって、りょうしのおじさんたちのしじにしたがってください」


ふんす!

どう見ても悪役!でも悪役がいないと「可哀想」って手を差し伸べる人がいないでしょ?

弱ってる人に働けって言ってる悪逆非道の俺の頭を先生が撫でた。


「うむ、それで良い」


良いんだ?

フィアツェンさんも蕩ける笑顔で撫でてくれた。うん、フィアツェンさんは俺を甘やかしすぎだと思うよ?あとおじちゃんたち。涙ぐんだりほっこりしたりしないで!








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