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哨戒任務

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「自分で?」

「あぁ、人が無理矢理従わせようとしてもダメで、自分が認めた主人以外には懐かないって話らしいな」

「なるほど...」

 つまり私はその主人とやらに選ばれたってことなんかな? そこら辺の経緯がイマイチ不明だが。そもそもなんで私を選んだんだ? なんかキッカケとかあったっけ?

 私が首を捻っていると、

「カリナ、数え終わったぞ。数は合ってた」

 そうラウムさんが報告してくれたので、

「ありがとうございます。ギルドマスター、子馬の件はいったん脇に置いといて、スタンピードの件の続きをお願いします」

「あ、そうだった。実はな、例のランクAのダンジョンなんだが、調査した結果幸いなことにスタンピードは発生していなかった」

「それはなによりです」

 私はホッと胸を撫で下ろした。

「だが実際に、ダンジョンの外へ出てしまっている魔物がいるのも事実なんで、念のために魔物の間引きを行うことになった」

「なるほど」

「間引きを行うのはアレックス率いるパーティーだ」

「あぁ、アレックスさんなら適任でしょうね」

 なんせここのギルド最強の冒険者だって話だもんね。

「そこでだ、君達にはダンジョン周辺の哨戒任務を依頼したいと思っている」

「哨戒任務?」

「あぁ、既にダンジョンの外に出てしまった魔物は早々に駆逐する必要があるんだが、なにせランクAのダンジョンからだからな。君達が遭遇したグリフォン並み強い魔物がまだ彷徨いている可能性もある」 

「確かに...」

「だからある程度、強いパーティーを派遣する必要があるんだ。そして早目に魔物を見付けるためには君のパーティーメンバーであるステラ、彼女の飛行能力が頼りになると思っているんだよ」

「あぁ、なるほど...」

 私はチラッとステラさんの様子を伺った。ギルドマスターに名指しされたステラさんはちょっと緊張しているように見えた。

「話は良く分かりました。ちなみに確認なんですが、ウチのステラが担うのはあくまでも哨戒任務だけであって、見付けた魔物を必ずしも倒さなければならないなんてことはないと思っていいですか?」

 そう、この点はしっかり言質を取っておかないとね。もう一度グリフォン並みの強敵と戦って勝てなんて言われたら堪んないからね。

「あぁ、他のパーティーに連絡して貰うだけで構わない」

「それを聞いて安心しましたよ...」

「もちろん、君達だけで倒してくれても構わないんだぞ?」

「それは丁重にお断りします...私達がグリフォン一頭倒すのにどんだけ苦労したと思ってんですか...」
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