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対等
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「そうか、それは残念だ。だが、主力で戦わなくても構わないから、他のパーティーが戦っている時にはフォローに回ってくれると助かる」
「えぇ、分かりました。そのくらいなら」
「ありがとう。アレックス達のパーティー含め、今回の任務に参加するパーティーは皆既に出発している。君達もなるべく早く向かってくれないか?」
「分かりました。いったんパーティーホームに戻ってからすぐに出発します」
「頼んだ」
私達はギルドを後にし、出発の準備を整えるためにパーティーホームへと戻った。
◇◇◇
「そうですか...ランクAのダンジョンの魔物が...」
「えぇ、でも今回は哨戒が主な任務ですから、危ない目にはそうそう遭わないと思います。だからそんなに心配しないでくださいね?」
パーティーホームに戻って留守番役のフローラさんに今回の件を報告すると、途端に心配そうな表情を浮かべたので、私は安心させるように微笑みながらそう言った。ちなみに他のメンバー達は旅の支度をしているところだ。
「分かりました...ご武運をお祈りしています...」
「あ、そうだ。フローラさん、例のグリフォンがやっとギルドに買い取って貰えたんですよ。はい、これがフローラさんの分け前になります」
そう言って私は亜空間から金貨袋を取り出した。
「あ、ありがとうございます...って、重っ! あ、あの...本当に私まで分け前に預かってもよろしいのでしょうか...」
「当たり前じゃないですか。フローラさんは大事な大事パーティーメンバーの一人なんですから」
「す、すいません...あ、ありがとうございます...」
フローラさんは恐縮頻りだが、これは他のパーティーメンバー達とも良く話し合って決めたことだ。魔物と戦ったり護衛任務に就いたりする我々と、留守を守ってくれているフローラさんは対等な立場であると。どっちも同じくらい大変だし、同じくらい大事な仕事なんだと。
当初、フローラさんは私達と同等に報酬を分け合うということを固持していた。自分には命の危険に晒される恐れがないから、危険手当て付きの私達と同等に扱われるのはとてもじゃないが畏れ多いと。
フローラさんの気持ちは良く分かるが、その上で私達は全員一致でゴリ押しした。パーティーメンバーに上下関係を持ち込まない。全員が対等である。そういった認識を常に持っていないと、以前のようにパーティーは簡単に破局を迎えてしまう。
それを身を持って体験してきた私達は、全員が同じ認識を共有していた。私はそのことが非常に嬉しかったし、恐らく他のメンバー達もそうだったと確信している。
「えぇ、分かりました。そのくらいなら」
「ありがとう。アレックス達のパーティー含め、今回の任務に参加するパーティーは皆既に出発している。君達もなるべく早く向かってくれないか?」
「分かりました。いったんパーティーホームに戻ってからすぐに出発します」
「頼んだ」
私達はギルドを後にし、出発の準備を整えるためにパーティーホームへと戻った。
◇◇◇
「そうですか...ランクAのダンジョンの魔物が...」
「えぇ、でも今回は哨戒が主な任務ですから、危ない目にはそうそう遭わないと思います。だからそんなに心配しないでくださいね?」
パーティーホームに戻って留守番役のフローラさんに今回の件を報告すると、途端に心配そうな表情を浮かべたので、私は安心させるように微笑みながらそう言った。ちなみに他のメンバー達は旅の支度をしているところだ。
「分かりました...ご武運をお祈りしています...」
「あ、そうだ。フローラさん、例のグリフォンがやっとギルドに買い取って貰えたんですよ。はい、これがフローラさんの分け前になります」
そう言って私は亜空間から金貨袋を取り出した。
「あ、ありがとうございます...って、重っ! あ、あの...本当に私まで分け前に預かってもよろしいのでしょうか...」
「当たり前じゃないですか。フローラさんは大事な大事パーティーメンバーの一人なんですから」
「す、すいません...あ、ありがとうございます...」
フローラさんは恐縮頻りだが、これは他のパーティーメンバー達とも良く話し合って決めたことだ。魔物と戦ったり護衛任務に就いたりする我々と、留守を守ってくれているフローラさんは対等な立場であると。どっちも同じくらい大変だし、同じくらい大事な仕事なんだと。
当初、フローラさんは私達と同等に報酬を分け合うということを固持していた。自分には命の危険に晒される恐れがないから、危険手当て付きの私達と同等に扱われるのはとてもじゃないが畏れ多いと。
フローラさんの気持ちは良く分かるが、その上で私達は全員一致でゴリ押しした。パーティーメンバーに上下関係を持ち込まない。全員が対等である。そういった認識を常に持っていないと、以前のようにパーティーは簡単に破局を迎えてしまう。
それを身を持って体験してきた私達は、全員が同じ認識を共有していた。私はそのことが非常に嬉しかったし、恐らく他のメンバー達もそうだったと確信している。
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