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主人
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私達がギルドに着くや否や、
「あぁ、君達。ちょうど良かったよ。今、君達のパーティーホームに使いを出すところだったんだ」
受付嬢と話していたギルドマスターが声を掛けて来た。
「方針が決まったんですか?」
間違いなく例のスタンピードに関することだろう。私はちょっと緊張しながらそう聞いた。
「あぁ、それもあるがグリフォンの買取金額がようやく定まってな。ここじゃなんだから俺の執務室まで一緒に来てくれ」
「分かりました」
私達はギルドマスターの後に続いて執務室に向かった。
「さて、まずは買取金額だが、1,200万で買取たい。如何だろうか? ちなみにこの金額には、君達が別個で倒したオーガ二体分の金額も含まれている」
1,200万か。6で割るとちょうど一人頭200万になるな。キリも良いしなかなかの金額になったんじゃなかろうか?
私はチラッと仲間達の方に目配せした。全員が軽く頷いたので、
「分かりました。その金額でお願いします」
「ありがとう。それじゃこれを」
そう言ってギルドマスターは、ドスンとばかりに金貨袋を机の上に置いた。
「数えてくれ」
「すいません、皆さん。手分けして数えて貰っていいですか? 私はちょっとギルドマスターとお話があるので」
またしても全員が頷いてくれたので、金貨袋を代表してラウムさんに預けてから、私は改めてギルドマスターに向き直った。
「話とは?」
「えぇ、実は...」
私は例の子馬の件について掻い摘まんで説明した。
「そうだったのか...まさかあの好事家の件にまで君達が関わっていたとは思わなかったよ...ギルドとしてはお礼を言うべきかもな」
「ふぇっ!? お礼!?」
お礼を言われるような筋合いは無いと思うけど...
「あぁ、なんせ逃げ出した魔物や大型動物の数が多過ぎて、親衛隊だけじゃとても手が足りず、我がギルドに応援要請が来たんでな」
「そうだったんですね...」
故人に対してあんまりこういうことは言いたくないけど...なんてハタ迷惑な...
「カリナ、それでその子馬は今どこに?」
「私の亜空間の中に居ます」
そう言って私は亜空間の一部を可視化した。子馬はまだ寝てるようだ。
「これはまた...幻想的な美しさだな...」
「ギルドマスター、この子馬は本当に神の使いやら聖獣やらと言われているユニコーンなんでしょうか?」
「すまん...俺は魔物のことに関しちゃそれなりに詳しいつもりなんだが、こういったファンタジー系はちょっと...そもそも実在しているなんて思ってなかったしな...」
ギルドマスターは頭をポリポリ掻きながら申し訳無さそうにしている。
「そうですか...」
「ただ、小耳に挟んだことはある。聖獣とか呼ばれる類いのものは自分で主人を選ぶのだと」
「あぁ、君達。ちょうど良かったよ。今、君達のパーティーホームに使いを出すところだったんだ」
受付嬢と話していたギルドマスターが声を掛けて来た。
「方針が決まったんですか?」
間違いなく例のスタンピードに関することだろう。私はちょっと緊張しながらそう聞いた。
「あぁ、それもあるがグリフォンの買取金額がようやく定まってな。ここじゃなんだから俺の執務室まで一緒に来てくれ」
「分かりました」
私達はギルドマスターの後に続いて執務室に向かった。
「さて、まずは買取金額だが、1,200万で買取たい。如何だろうか? ちなみにこの金額には、君達が別個で倒したオーガ二体分の金額も含まれている」
1,200万か。6で割るとちょうど一人頭200万になるな。キリも良いしなかなかの金額になったんじゃなかろうか?
私はチラッと仲間達の方に目配せした。全員が軽く頷いたので、
「分かりました。その金額でお願いします」
「ありがとう。それじゃこれを」
そう言ってギルドマスターは、ドスンとばかりに金貨袋を机の上に置いた。
「数えてくれ」
「すいません、皆さん。手分けして数えて貰っていいですか? 私はちょっとギルドマスターとお話があるので」
またしても全員が頷いてくれたので、金貨袋を代表してラウムさんに預けてから、私は改めてギルドマスターに向き直った。
「話とは?」
「えぇ、実は...」
私は例の子馬の件について掻い摘まんで説明した。
「そうだったのか...まさかあの好事家の件にまで君達が関わっていたとは思わなかったよ...ギルドとしてはお礼を言うべきかもな」
「ふぇっ!? お礼!?」
お礼を言われるような筋合いは無いと思うけど...
「あぁ、なんせ逃げ出した魔物や大型動物の数が多過ぎて、親衛隊だけじゃとても手が足りず、我がギルドに応援要請が来たんでな」
「そうだったんですね...」
故人に対してあんまりこういうことは言いたくないけど...なんてハタ迷惑な...
「カリナ、それでその子馬は今どこに?」
「私の亜空間の中に居ます」
そう言って私は亜空間の一部を可視化した。子馬はまだ寝てるようだ。
「これはまた...幻想的な美しさだな...」
「ギルドマスター、この子馬は本当に神の使いやら聖獣やらと言われているユニコーンなんでしょうか?」
「すまん...俺は魔物のことに関しちゃそれなりに詳しいつもりなんだが、こういったファンタジー系はちょっと...そもそも実在しているなんて思ってなかったしな...」
ギルドマスターは頭をポリポリ掻きながら申し訳無さそうにしている。
「そうですか...」
「ただ、小耳に挟んだことはある。聖獣とか呼ばれる類いのものは自分で主人を選ぶのだと」
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