空間魔法って実は凄いんです

真理亜

文字の大きさ
339 / 462

代替案

しおりを挟む
「そ、そうなんですね...」

「はい! そりゃもう可愛らしい女の子で、カリナさんに一番良く懐いているんですよね~!」

「な、なるほど...」

「だから絶対にカリナさんを連れて帰ってくるからねって約束して来たんですよ~! いやぁ、本当にカリナさんが戻って来てくれて良かった~! フローラさんも一緒に行きましょうよ! きっと他の皆さんも歓迎してくれますから~!」

「は、ハァ...」

 セリカさんが上手い具合に掩護射撃してくれた。フローラさんの心も大分揺れ動いているように見える。そしてちょうどそこに、

「ただいま戻りました~!」

 ステラさん達が帰って来た。

「お帰りなさい。如何でしたか?」

「それが...残念ながらこの部屋に不法侵入した連中は、既にこの町を離れたらしいんだ...」

 ラウムさんが悔しそうな表情を浮かべながらそう言った。

「そうなんですね...」

「えぇ、なんでもその連中は他の冒険者達からも非難を受けて、居場所がなくなったそうなんです...そのままずっと肩身の狭い思いをするくらいならと、思いきってこの町を離れる道を選んだとのことです...」

 アスカさんが後に続いた。

「なるほど...」

 命令されたとはいえ、自らの意思で違法行為に身を染めたんだ。自業自得と言うしかない。断ることだって出来たはずなんだから。同情の余地はない。

「しかもどうやらその連中が向かった先は王都らしいんです...」

 最後にステラさんが締めた。

「王都ですか...それじゃ捕まえるのは大変ですね...」

 というか王都の雑踏に紛れられたら、事実上捕まえるのは不可能であると言えるだろう。

「申し訳ありません...お役に立てなくて...」

 お三方を代表する形でステラさんが頭を下げたが、

「ステラさん、頭を上げて下さい。頭を下げるべきは私の方です。作戦が杜撰で申し訳ありませんでした」

 そう、真に謝るべきは作戦を考えた私の方で、ステラさん達はなにも悪くないんだから。謝る必要なんてどこにもない。

「そんな...カリナさん...」

 ステラさんが今にも泣きそうな顔になっちゃったから、私は気分を変える意味で、

「それでは代替案を実行しましょうかね!」

 と殊更明るく振る舞った。

『代替案!?』

 全員の目が点になった。まぁそりゃ無理もない。誰にも言ってないんだから。

「今から説明しますので、パーティーメンバーは私の周りに集合して下さい」

『応!』

「フローラさん、ちょっとだけ席を外しますね?」

「は、ハァ...」

 フローラさんに一言断りを入れてから、私はパーティーメンバー全員を亜空間に放り込んだ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?

猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」 「え?なんて?」 私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。 彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。 私が聖女であることが、どれほど重要なことか。 聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。 ―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。 前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

田舎娘、追放後に開いた小さな薬草店が国家レベルで大騒ぎになるほど大繁盛

タマ マコト
ファンタジー
【大好評につき21〜40話執筆決定!!】 田舎娘ミントは、王都の名門ローズ家で地味な使用人薬師として働いていたが、令嬢ローズマリーの嫉妬により濡れ衣を着せられ、理不尽に追放されてしまう。雨の中ひとり王都を去ったミントは、亡き祖母が残した田舎の小屋に戻り、そこで薬草店を開くことを決意。森で倒れていた謎の青年サフランを救ったことで、彼女の薬の“異常な効き目”が静かに広まりはじめ、村の小さな店《グリーンノート》へ、変化の風が吹き込み始める――。

勝手に召喚され捨てられた聖女さま。~よっしゃここから本当のセカンドライフの始まりだ!~

楠ノ木雫
ファンタジー
 IT企業に勤めていた25歳独身彼氏無しの立花菫は、勝手に異世界に召喚され勝手に聖女として称えられた。確かにステータスには一応〈聖女〉と記されているのだが、しばらくして偽物扱いされ国を追放される。まぁ仕方ない、と森に移り住み神様の助けの元セカンドライフを満喫するのだった。だが、彼女を追いだした国はその日を境に天気が大荒れになり始めていき…… ※他の投稿サイトにも掲載しています。

散々利用されてから勇者パーティーを追い出された…が、元勇者パーティーは僕の本当の能力を知らない。

アノマロカリス
ファンタジー
僕こと…ディスト・ランゼウスは、経験値を倍増させてパーティーの成長を急成長させるスキルを持っていた。 それにあやかった剣士ディランは、僕と共にパーティーを集めて成長して行き…数々の魔王軍の配下を討伐して行き、なんと勇者の称号を得る事になった。 するとディランは、勇者の称号を得てからというもの…態度が横柄になり、更にはパーティーメンバー達も調子付いて行った。 それからと言うもの、調子付いた勇者ディランとパーティーメンバー達は、レベルの上がらないサポート役の僕を邪険にし始めていき… 遂には、役立たずは不要と言って僕を追い出したのだった。 ……とまぁ、ここまでは良くある話。 僕が抜けた勇者ディランとパーティーメンバー達は、その後も活躍し続けていき… 遂には、大魔王ドゥルガディスが収める魔大陸を攻略すると言う話になっていた。 「おやおや…もう魔大陸に上陸すると言う話になったのか、ならば…そろそろ僕の本来のスキルを発動するとしますか!」 それから数日後に、ディランとパーティーメンバー達が魔大陸に侵攻し始めたという話を聞いた。 なので、それと同時に…僕の本来のスキルを発動すると…? 2月11日にHOTランキング男性向けで1位になりました。 皆様お陰です、有り難う御座います。

莫大な遺産を相続したら異世界でスローライフを楽しむ

翔千
ファンタジー
小鳥遊 紅音は働く28歳OL 十八歳の時に両親を事故で亡くし、引き取り手がなく天涯孤独に。 高校卒業後就職し、仕事に明け暮れる日々。 そんなある日、1人の弁護士が紅音の元を訪ねて来た。 要件は、紅音の母方の曾祖叔父が亡くなったと言うものだった。 曾祖叔父は若い頃に単身外国で会社を立ち上げ生涯独身を貫いき、血縁者が紅音だけだと知り、曾祖叔父の遺産を一部を紅音に譲ると遺言を遺した。 その額なんと、50億円。 あまりの巨額に驚くがなんとか手続きを終える事が出来たが、巨額な遺産の事を何処からか聞きつけ、金の無心に来る輩が次々に紅音の元を訪れ、疲弊した紅音は、誰も知らない土地で一人暮らしをすると決意。 だが、引っ越しを決めた直後、突然、異世界に召喚されてしまった。 だが、持っていた遺産はそのまま異世界でも使えたので、遺産を使って、スローライフを楽しむことにしました。

今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので

sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。 早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。 なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。 ※魔法と剣の世界です。 ※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。

処理中です...