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代替案
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「そ、そうなんですね...」
「はい! そりゃもう可愛らしい女の子で、カリナさんに一番良く懐いているんですよね~!」
「な、なるほど...」
「だから絶対にカリナさんを連れて帰ってくるからねって約束して来たんですよ~! いやぁ、本当にカリナさんが戻って来てくれて良かった~! フローラさんも一緒に行きましょうよ! きっと他の皆さんも歓迎してくれますから~!」
「は、ハァ...」
セリカさんが上手い具合に掩護射撃してくれた。フローラさんの心も大分揺れ動いているように見える。そしてちょうどそこに、
「ただいま戻りました~!」
ステラさん達が帰って来た。
「お帰りなさい。如何でしたか?」
「それが...残念ながらこの部屋に不法侵入した連中は、既にこの町を離れたらしいんだ...」
ラウムさんが悔しそうな表情を浮かべながらそう言った。
「そうなんですね...」
「えぇ、なんでもその連中は他の冒険者達からも非難を受けて、居場所がなくなったそうなんです...そのままずっと肩身の狭い思いをするくらいならと、思いきってこの町を離れる道を選んだとのことです...」
アスカさんが後に続いた。
「なるほど...」
命令されたとはいえ、自らの意思で違法行為に身を染めたんだ。自業自得と言うしかない。断ることだって出来たはずなんだから。同情の余地はない。
「しかもどうやらその連中が向かった先は王都らしいんです...」
最後にステラさんが締めた。
「王都ですか...それじゃ捕まえるのは大変ですね...」
というか王都の雑踏に紛れられたら、事実上捕まえるのは不可能であると言えるだろう。
「申し訳ありません...お役に立てなくて...」
お三方を代表する形でステラさんが頭を下げたが、
「ステラさん、頭を上げて下さい。頭を下げるべきは私の方です。作戦が杜撰で申し訳ありませんでした」
そう、真に謝るべきは作戦を考えた私の方で、ステラさん達はなにも悪くないんだから。謝る必要なんてどこにもない。
「そんな...カリナさん...」
ステラさんが今にも泣きそうな顔になっちゃったから、私は気分を変える意味で、
「それでは代替案を実行しましょうかね!」
と殊更明るく振る舞った。
『代替案!?』
全員の目が点になった。まぁそりゃ無理もない。誰にも言ってないんだから。
「今から説明しますので、パーティーメンバーは私の周りに集合して下さい」
『応!』
「フローラさん、ちょっとだけ席を外しますね?」
「は、ハァ...」
フローラさんに一言断りを入れてから、私はパーティーメンバー全員を亜空間に放り込んだ。
「はい! そりゃもう可愛らしい女の子で、カリナさんに一番良く懐いているんですよね~!」
「な、なるほど...」
「だから絶対にカリナさんを連れて帰ってくるからねって約束して来たんですよ~! いやぁ、本当にカリナさんが戻って来てくれて良かった~! フローラさんも一緒に行きましょうよ! きっと他の皆さんも歓迎してくれますから~!」
「は、ハァ...」
セリカさんが上手い具合に掩護射撃してくれた。フローラさんの心も大分揺れ動いているように見える。そしてちょうどそこに、
「ただいま戻りました~!」
ステラさん達が帰って来た。
「お帰りなさい。如何でしたか?」
「それが...残念ながらこの部屋に不法侵入した連中は、既にこの町を離れたらしいんだ...」
ラウムさんが悔しそうな表情を浮かべながらそう言った。
「そうなんですね...」
「えぇ、なんでもその連中は他の冒険者達からも非難を受けて、居場所がなくなったそうなんです...そのままずっと肩身の狭い思いをするくらいならと、思いきってこの町を離れる道を選んだとのことです...」
アスカさんが後に続いた。
「なるほど...」
命令されたとはいえ、自らの意思で違法行為に身を染めたんだ。自業自得と言うしかない。断ることだって出来たはずなんだから。同情の余地はない。
「しかもどうやらその連中が向かった先は王都らしいんです...」
最後にステラさんが締めた。
「王都ですか...それじゃ捕まえるのは大変ですね...」
というか王都の雑踏に紛れられたら、事実上捕まえるのは不可能であると言えるだろう。
「申し訳ありません...お役に立てなくて...」
お三方を代表する形でステラさんが頭を下げたが、
「ステラさん、頭を上げて下さい。頭を下げるべきは私の方です。作戦が杜撰で申し訳ありませんでした」
そう、真に謝るべきは作戦を考えた私の方で、ステラさん達はなにも悪くないんだから。謝る必要なんてどこにもない。
「そんな...カリナさん...」
ステラさんが今にも泣きそうな顔になっちゃったから、私は気分を変える意味で、
「それでは代替案を実行しましょうかね!」
と殊更明るく振る舞った。
『代替案!?』
全員の目が点になった。まぁそりゃ無理もない。誰にも言ってないんだから。
「今から説明しますので、パーティーメンバーは私の周りに集合して下さい」
『応!』
「フローラさん、ちょっとだけ席を外しますね?」
「は、ハァ...」
フローラさんに一言断りを入れてから、私はパーティーメンバー全員を亜空間に放り込んだ。
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