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ポンコツじゃない仲間

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「あ、ステラさん、ちょっと右の方に行って下さい」

「クエッ!」

 思う存分絶景を楽しんだ後、私は本来の任務である偵察を開始した。

「あれは...オークの群れですね。方角は...セリカさんの居る場所から見て東の方になるのかな」

「クエッ!」

「あ、ちょっと離れた場所にゴブリンの群れも発見」

「クエッ!」

「そろそろ戻りましょうか」

「クエッ!」

 ...うん、分かってけど、私ずっと独り言喋ってるみたいだよね...


◇◇◇


「ただいま戻りました~!」

「お帰りなさ~い」

 セリカさんが迎えてくれた。魔物は出なかったみたいだ。

「魔物は居ました?」

「えぇ、ここから東にちょっと行った所にオークの群れが」

「そうなんですね。じゃあそこに?」

「えぇ、ステラさんの着替えが終わったら」

「お待たせしました」

 そこにステラさんが戻って来た。両手にメリケンサックを嵌め、両足に鉄板入りのブーツを履いている。

 そう、ステラさんは近接戦闘系なのだ。

「じゃあ行きましょうか」


◇◇◇


 私達は森の中を順調に進み、オークの群れの前まで辿り着いた。

「それじゃあ打ち合わせ通りに、まずは私がオークの群れを混乱させますんで、ステラさんは各個撃破で。セリカさんはステラさんが危なくなったら瞬間移動ですぐ助けに入って下さい」

「「 了解! 」」

「じゃあ戦闘開始です!」

 私はまず群れのボスらしきデカい個体のオークの背後に、亜空間からそっと近付いた。そしてレイピアを首の後ろの急所に突き立てる。 

「ブギャッ!?」

 ボスらしき個体が倒れた。群れが混乱する。そこへ、

「ハァッ!」「ヤァッ!」

 ステラさんが襲い掛かる。群れから外れた個体を殴る蹴るの肉弾戦で着実に倒して行く。うん、良い動きだ。一対一ならオークは物の数じゃないね。

 セリカさんはいつでも助けに入れるように、近くの物陰に隠れている。でもどうやらセリカさんの助けは要らないみたいだ。

 私もステラさんが多対一にならないように、オークを一体ずつ片付けて行く。やがてオークの群れは壊滅した。

「お疲れ様でした~」

「ステラさん、さすがですね!」

「いやぁ、それ程でも~」

 セリカさんのポンコツ振りが記憶に新しいだけに、ステラさんの有能振りが目に付くね。

「じゃあ早速解体しましょうか~」

 セリカさんが嬉々としてオークを解体しはじめる。

「はい~ ちゃっちゃとやっちゃいましょうか~」

 ステラさんも解体は平気みたいで、二人して血塗れになりながらオークを解体して行っている。

 私? 無理に決まってんじゃん!
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