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2章 文化祭までのいろいろ
こんな大金なんで持ってるんだよ?まさかお前また!?
しおりを挟むカフェを出た後、空の好きなブランドショップで財布を選んでいた。空はこだわりがあるらしく、今使ってる財布と同じブランドがいいらしい。
「なぁ、貴哉~これとかどうかな?お洒落じゃね?」
「俺こういうの分かんねぇよ。使えれば何でも良くね?」
「デザイン大事だろ!それと使い勝手な!俺は長財布派だけど、貴哉は?」
「何そのきのこたけのこ派みたいなの!他に何派があるんだよ?」
「大まかに言うと長財布か二つ折りじゃね?ちなみに貴哉が今使ってるのは長財布な。二つ折りはこういうの」
空が丁寧に説明してくれて、ショーケースの中にある二つ折りとやらを指差していた。
正直どっちでもいい。でもそれを言うと空がうるさくなりそうだから悩む振りをしといた。
「うーん、使い慣れてる今と同じ形のがいいかな?」
「了解~♪俺も長財布が良いから嬉しー♡」
そんじゃあ俺に聞かねぇで初めから長財布にしろよ。と心の中で思って俺はニコニコ笑って頷いた。
「これかっこいいな!ちょっと中見てみよう」
「どれも同じに見える……」
空が店員を呼んでショーケースの中に入っていた黒い財布を物色し始める。俺はチラッと値段を確認してみる。ん?ちょっと待て。見間違いじゃなければ桁がおかしい事になってっぞ?ゆっくり数えてみよう。一、十、百、千……万!?この財布、28,000円もするのか!?無理無理!高校生がこんなもん使っちゃダメです!
「うん♪使い勝手も良さそうだ。貴哉、これに……」
「お前ちゃんと値段見たのか!?俺こんなに持って来てねぇよ!」
「ちょ、声でけぇよ!恥ずいから!」
俺と空のやり取りに店員がクスクス笑っていた。
馬鹿だろこいつ!ほら、店員も子供の癖にって笑ってんじゃねぇか!
「支払いなら俺がするから大丈夫だよ」
「こんな大金なんで持ってるんだよ?まさかお前また!?」
「しー!頼むからここでそういう話しないでくれ!」
「いやするね、お前がまた変な事してんなら俺はお揃いの財布なんか買わねぇよ」
「……ちょっと店出ようか」
空は店員に一言言って、俺を連れて店を出た。
せっかく空と出掛けられてんのに、俺だって怒りたくねぇよ。でも、またおっさんと会ってるんだったら楽しく遊んでる場合じゃねぇだろ。
俺と空は歩きながら話す事になった。
「貴哉勘違いしてるけど、俺貴哉が思ってるような事してねぇよ」
「じゃあ何でそんな大金持ってんだよ?」
「……光児さんに貰ったんだ」
「光児さん?それ誰だよ?」
「兄貴の職場の人で、兄貴と俺の面倒見てくれてる人。俺来月誕生日なんだよ。プレゼント何が欲しいか聞かれたから、財布って答えたらお小遣いくれたんだ」
「え、そうだったのか?そんな人いたのか。てかお前の誕生日来月なのかよ!」
「うん。11月だよ。本当は一緒に行って買ってくれるって話だったんだけど、ちょうど貴哉とお揃いがいいなと思ったから訳を話してお小遣いを貰ったって訳。そう言う事ならって兄貴もくれたから実は結構持ってるんだ。こうなるなら初めに話しておけば良かったな。ごめん」
「何日だよ?」
「へ?」
「誕生日!俺知らなかった!」
「あー、3日だけど……俺は貴哉の誕生日知ってるぜ♪」
「何で知ってるんだ!?俺言ってねぇよな!?」
俺は自分の誕生日は聞かれても答えないようにしてんだ。空にも勿論話した記憶はない。
「凛子さんに聞いたんだよ。貴哉のアルバム見てる時に。めちゃくちゃ可愛いかった♡」
「あ!あれかー!」
母ちゃんてば酔った時に空に見せやがったな!
俺の誕生日は3月3日だ。そう、雛祭りの日。俺の記憶に無いぐらいガキの頃、まだ歩き始めたばかりの一歳の誕生日、せっかくだからと女の子用のドレスを着せてる写真があるんだ。それから毎年誕生日には女装させられた写真が残ってるんだ。
処分しようにも母ちゃんにバレたらと思うと出来ずにそのまま忘れていたんだ。
「誕生日の日にち一緒とか嬉しいよな♡それに、貴哉の覚えやすくて……」
「馬鹿にしてんだろ!?てかお前の誕生日何でもっと早く教えなかったんだ!」
「えー、そんなの自分から言うのもあれじゃん?近くなったらでいいかなーって」
「十分近いだろ!来週末じゃん!文化祭終わったらすぐじゃん!」
月末の土曜日にある文化祭の次の日の日曜日はもう月が変わって11月だ。て事は空の誕生日は火曜日?ど平日だな!
「でもさー、俺の誕生日教えてもどうせ一緒には過ごしてくれないんだろ?」
「おめでとうは言いてぇだろ!それに、お前は予定ねぇの?兄貴に祝ってもらうとかさ」
「貴哉と過ごせないなら一人でいつも通りに過ごすよ……兄貴も店あるし」
「ケーキは食わねぇのか?」
「一人で食ってもねー」
寂しそうに笑ってボソリと言う空。そんなのほっとけねぇじゃん!
「一緒に食うぞ!なんなら家に来い!母ちゃんにケーキ用意してもらうから!」
「いいのー!?やったー♡」
俺の誘いに嬉しそうに笑う空。理由が理由だし、伊織もダメとは言わねぇだろ。
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