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1章 二学期中間テスト

※ やるよ♡貴哉がやれって言うならな~♡

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 ※伊織side

 今日の朝から貴哉の様子が変で、ずっとモヤモヤしていた俺。昼休みに貴哉から原因を聞けて少しは晴れたけど、やっぱり早川が絡んでて怒りもあった。
 俺は早川を殴りたい気持ちを抑えるのに必死だった。我慢出来たのはきっと朝一条と話していたからだ。一条と話して無かったらきっと早川の事を殴っていたと思う。
 そしたらなんとそれが正解だったらしく、貴哉との距離が更に近くなったんだ。恐るべし一条。

 それでも俺の怒りは無くならないけどな。
 だってあの早川だから。

 ここまで来たら一条の話を信じようと思った。だから貴哉には出来るだけ優しくしてあげて、気を紛らわしていた。
 貴哉がどうしたいのかを聞いて受け入れて、でもさ、さすがに早川のとこに戻りたいとか言われたら無理だぜ?きっと俺は大暴れするだろうな。

 
「伊織?何考えてるんだ?」

「ん?」


 貴哉の部屋のベッドの上。裸のまま俺の腕枕で寝転がる貴哉に不安な顔をしながら聞かれた。
 
 中間テストは明日から三日間。本当は勉強教えてやらなきゃだけど、今日ばかりは我慢が出来なかった。それは貴哉もだったらしく、帰りに迎えに行った時から早く帰りたがっていた。
 俺はそんな貴哉に嬉し過ぎて理性が吹っ飛んだ。
 いつもこんな貴哉ならいいのになー。

 俺はニコッと笑ってキスしてやった。


「本当は勉強教えてあげなきゃなのになーって、我慢出来なくてごめんな♡」

「そんなの俺もだしっ!テストはなるべく頑張るから、今日はいいだろっ」

「そうだな。明日からはちゃんと教えるな♡」

「うんっ」


 俺に抱き付いて来る貴哉が凄く愛おしい。
 早川とはもう関わらないって言ってくれた時、俺はやっと貴哉を手に入れられたと思った。
 貴哉と付き合ってるのは俺だけど、貴哉の心には早川がいたから。
 でも今度こそ俺を選んでくれたんだ。俺はその事を考えて貴哉が昨日早川としてしまった事は水に流そうと思った。


「貴哉♡愛してるぜ♡」

「俺も。愛してる……♡」

「あー、貴哉と同じ学年で同じクラスだったらな~。そしたら本当にずっと一緒にいられるのに」

「お前が留年すれば来年は同じ学年になれるぞ♪」

「あは♪それも悪くねぇな♪」

「いやいや、絶対進級しろよ!?お前マジでやりそうだわ!」

「やるよ♡貴哉がやれって言うならな~♡」

「言わねぇからお互いちゃんと進級しような?」

「俺は出来るけど、危ないのは貴哉だろ?遅刻も出来ねぇとか崖っぷちじゃん。てか何でそんなんになるまでサボってたんだよ?」


 ふと疑問に思って聞いてみた。
 俺達が通う城山高校は一応進学校だ。だからそれなりにちゃんと勉強したい奴が通うだけあって、貴哉みたいに出席日数が足りない奴とかは聞いた事がない。広瀬数馬みたいに特殊な理由がある奴とかはいる。普通に通ってて城山の勉強に付いて行けないとかはあるだろうけど、出席日数とか授業点とか危ないのは前代未聞だろう。


「勉強が嫌いだからだよ。たまたま家から近かったから城山にしたんだ。まさかここまで厳しい高校だとは思わなかった」

「いや、どこの高校もちゃんと出席しねぇとダメだぞ?ここから近いとこなら光陽があんじゃん。仲の良い野崎がいるのに、何でそこにしなかったんだ?」


 ここで貴哉の目が泳いだのを俺は見逃さなかった。こりゃ何かあるな。


「こ、光陽な~!俺も初めはそこ受けっかなぁって思ってたんだよ。でもさ、ほら……楓と喧嘩しちまってよ……」

「野崎と喧嘩?今は仲良いのに?え、元々光陽受けようとしてて、野崎と喧嘩したから進路変えたって事か?」

「おう……」

「あはは!すげぇなそれ!そんな理由で進路変えるなら普通同じレベルのとこ選ぶだろ!何が何でも家から近いとこ選ぶとか本当面倒くさがりだな」

「散々周りに言われたよ。お前には城山は無理だって。それもムカついたから何が何でも合格してやるって必死で勉強したんだ」

「そうかそうか。まぁ貴哉はやる時はやる男だもんな。でも城山入ってくれて良かった♡じゃなきゃ会えなかったじゃん俺ら♡」

「確かにな。て事で勉強頑張った俺に感謝するように!」

「本当感謝だわ~♪で、何が原因で喧嘩したのよ?高校離れたのに良く仲直り出来たな」


 貴哉の親友である野崎の事は嫌いじゃない。昨日初めて会ったけど、感じの良い奴で、貴哉の友達にしてはまともそうだからだ。見た目はまんま光陽っぽいけどな。


「大した理由じゃねぇよ。意見の不一致ってやつ?仲直り出来たのは時間が経ってお互い心の整理が付いたからかな?」

「ふーん。なぁ、野崎に彼氏がいるのはマジなの?まぁモテそうだけど」

「マジだよ。俺は会った事ねぇけどな。少女漫画が好きらしい」

「何その情報!ウケる!」

「だろ?世の中にはいろんな奴がいるよな~。あ、そうだ、すげぇ束縛してくるらしいぜ?伊織好みじゃん?」


 ケケケと楽しそうに笑う貴哉。この子はふざけて言ってんだよな?さっきは俺がモテるの嫌だみたいな事言ってた癖に。
 ちょっとムカついたから貴哉の尻を触りながら耳元で言ってやった。


「俺は貴哉に束縛されてぇの!他なんか興味ねぇよ♡」

「ンッ……触んなよバカッ」

「可愛いー♡もう一回しちゃう?」

「しねぇよ!てか耳元で喋るの辞めろっ!くすぐったいだろっ」

「貴哉のココ、さっきのでまだ濡れててエロい♡なぁまたしたい♡」


 貴哉の尻触ってたら興奮して来た。しかもさっきヤッたままだから貴哉のアソコがまだ濡れてて俺の指がスルッと入った。エロ……


「アンッ♡……お前どんなけ元気なんだよっ……腰痛めたらお前のせいだからなっ♡」

「優しくするよ♡」


 貴哉からOKを貰って俺は優しくキスをして貴哉を抱いた。目一杯優しくして、目一杯愛して、愛し合った。
 貴哉を想う気持ち、ちゃんと伝わってるかな?
 人をちゃんと愛するって貴哉が初めてだから不安にさせたり嫌な思いさせて来たけど、これからはちゃんと伝えられるように努力しよう。

 何よりも大切な貴哉を失わない為に。

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