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いくら早川でもそこは譲れねぇな
しおりを挟む楓と別れた後、早川と歩くけど明らかに元気が無さそうだった。何が不満なんだ?
「おーい?何黙ってんだよ」
「貴哉が」
「俺が?」
「モテるから嫌なんだ」
「はぁ?何だそれ」
喋ったと思ったら訳の分からない事を言いやがる。やっぱり楓に告られたっての気にしてんのか。
「さっきの奴も、一条さんも、中西だって!みんな貴哉貴哉って!貴哉は俺のだ!」
「おい、銀髪は関係ねぇだろ。それにモテるのはお前の方だろ。朝とかもいろんな女に声かけられてるじゃねぇか」
そうそう。チャラ男号の後ろに乗ってると早川がどんなけ顔が広いのかが良く分かる。同じ高校だけじゃなく、他校の人まですれ違う度に名前を呼ばれてるんだ。ほぼ女子からだけどな。
「俺はいいの!貴哉はモテたらダメ!」
「ふん、勝手に言ってろ」
「なぁ、野崎って奴とまた会うのか?」
「ああ。約束したしな。てかお前も来るだろ?」
「俺あの人嫌い」
「またお前は!楓は俺の親友なんだぞ!嫌いとか言うな」
「だからだよ。俺より先に貴哉と会って、俺より先に貴哉に告白したじゃん」
「……だからなんだよ?」
「俺より貴哉の事を分かってるみたいだし。悔しいじゃん」
「はぁ、俺が今付き合ってるのは早川だろ。そして俺の好きな奴は早川。お前だけだ」
「そうだけど……」
「楓とキスするとか考えらんねぇし、付き合いたいとも思わねぇ。でも早川とならしたいと思う。今すぐにな」
さすがに外じゃしねぇけどな。その事を伝えると早川はパッと顔を上げて嬉しそうに笑った
あ、機嫌直ったか?
「貴哉大好き!早く貴哉んち行こう!」
「はは、お前はそうでなくちゃな!」
元気になった早川のチャラ男号に乗りすぐ近くまで来ていた俺の家まで急ぐ。
何だろうな。早川とキスやそういうのをしたいと思う事はたまにあるけど、今は特にしたい。てかもっと一緒に居たい。
ずっと心にモヤモヤした感情があって、その原因の楓に会ってちゃんと謝れたからスッキリしたのかも。
あっという間に着いて二人で部屋まで階段を駆け上がって、鞄を適当に投げ捨ててどちらともなく抱き合いながらベッドに倒れ込みそのままキスが始まった。
「貴哉、好き。大好きっ」
「俺もだっ」
「ちゃんと言って?」
「……好き、だ」
恥ずかしいから俺からはあまり言わないが今は特別だ。すると早川はそれはそれは満足そうに笑って俺を深く強く抱きしめた。
ああ、居心地がいい。ずっとこうしていたいぐらいだ。
それからしばらくキスをしてイチャイチャした後、ふと早川の異変に気付く。
「なぁ、早川お前……」
「だって~♡貴哉とイチャイチャしてたら仕方ないだろ~♡」
やっぱり!やたら下半身を押し付けて来るなと思ったら、早川のモノは完全に勃っていた。
まぁ俺も半勃ちぐらいにはなってるけどよ……
ぶっちゃけ俺と早川は身体の関係はまだない。てか男同士で出来るのか、どうやるのか分からない。
そりゃ俺も男だ。セックスをしてみたいとは思うけど……
「あのさ、早川?男同士って……」
「ん?」
「その、アレだよアレ。どうすんだよ?」
「アレって何?どうするって?」
「俺達でもセックスって出来んのか?」
「…………」
「何で黙るんだよ!恥ずかしいだろ!」
「出来る!いや、俺も未知の世界だから分からねぇけど、出来るだろ!貴哉ヤろう!」
「い、今か!?」
肩をガシッと掴まれてキスをされる。そして服の下に手を入れられた。前にもこんなような事をされたが、その時はビックリして拒否ったけど、今回はすげぇドキドキする。嫌じゃねぇ。
「お、おい、早川っ」
「何?」
「この後、どうするんだ?」
「っ……貴哉ぁ、空気読んでよ」
「だって!分からないとこえーじゃん!」
「普通の男女で言ったらこのままイチャイチャして自然と始まるもんだろ」
「うううっ始まるって、アレだよな?」
「そ、アレ」
「でもさ、俺が知ってるのは男のアレを女に入れるんだ。俺とお前だと入れるとこなくね?」
「……あるよココに」
「は?ってギャア!」
俺が真面目に聞くと、真面目な顔で言われてケツを触られた。
マジか!まさかとは思ってたけど、ここを使うのか!
「なんつー声出してんだよ」
「だってお前がいきなり触るから!」
「でも疑問も解消されたしこれでセックス出来るよな」
「そうだけど、本当にお前のケツに入るのか?」
「ん?俺の?何言ってんの貴哉?」
「いや、間違ってねぇだろ?俺のを早川に入れるんだろ?」
「…………」
「…………」
流れる沈黙。こいつまさか、俺に挿れる気だったのか?いくら早川でもそこは譲れねぇな。
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