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馬鹿だって自覚あったんだね
しおりを挟むお互い見つめ合いから睨み合いに変わった。笑顔だけど、どちらも譲らないという表情で会話は進んでいく。
「どう見ても俺が男役っしょ。貴哉は姫なんだから」
「いつ俺が姫になったんだコラ。俺にだってブツはついてんだよ使わせろ」
「そもそも経験ないんだから、経験者に任せてればいいだろ未経験者は」
「何サラッと自慢してんだよチャラ男が。ただの女好きじゃねぇか」
「今は貴哉好きだ舐めんな」
「はぁ、もうやめよーぜ!俺今まで通りキスとか出来ればいいやもう」
「俺はやだ!貴哉とヤリたい!」
「んな事言ったって俺ケツに挿れられるとかやだし」
「うー、じゃあ俺に挿れていいよ」
「マジで?お前本当にいいのか?」
「だってしたいもんセックス」
「やめとこーぜ?ぜってー痛いから」
「貴哉ビビってんの?」
「なっ誰がビビってるって!?」
「弱虫貴哉!」
確かにビビってるよ。てか早川のそこまでしてやりたいって気持ちが分からない。下手したら怪我するかもしれないだろそんな事。
俺とセックスがしたいが為に女役をやると言った早川だけど、余裕無さそうに見えるぞ。そりゃそうだろ。早川だって男とは初めてなはずだ。
まだ俺に噛みついて来る早川にゆっくり手を伸ばしてほっぺを触ってやる。ビクッと反応して、驚いた顔で見て来た。
「悪いけど、今は出来ねぇ。その時が来たらでもいいか?空の事大事にしたいんだ」
「た、貴哉?」
「勢いとかでやって空の事傷付けたくねぇよ。少し待ってくれ」
「……やば。ちょーかっこいい」
「そ、そうか?」
珍しく早川にかっこいいと言われたから照れちまった。いつも可愛いばっかだもんな。でもまぁ俺の気持ち伝わったみてーだな。
「俺待つよ。その代わりちゅーはいっぱいしてな?」
「ああ。嫌ってぐらいしてやる」
それから俺たちは夢中でキスをした。
すっかり夜になっていたとも知らずに、明日も学校だから早川は帰って行ったけど、少しはセックスの勉強でもするか!
ん?勉強?って俺追試しなきゃだった!生徒会長からの連絡待ちだけど、俺ってば早川とこんな呑気な事してる場合じゃねぇんだった!
とりあえず今日連絡先を交換した銀髪に電話してみる事にした。掛けてみるとすぐに出た。
『あは!貴ちゃんから電話とか予想外でウケるー』
「お前電話に出て言う言葉がそれかよ」
『だって面白かったんだもん。で、何の用ー?』
「俺の追試の事だけどよ、どうなったんだ?」
『葵くんからまだ何も聞いてないから分からない。明日にでも連絡来るよきっと。なんてったって貴ちゃんは前代未聞のEランクだからね』
「ふーん。本当になんとかなるのか?」
『なるよ。葵くんの言う事を聞いてればね』
「正直言ってさ、周りが心配してんだよな。お前らと付き合うの」
『俺って評判良くないもんねー!まぁそれは貴ちゃん次第でしょ。貴ちゃんなら周りの意見なんて気にしないと思うけどー』
「まぁな。俺は夏休みが来ればなんだっていい」
『そう言えば今日飛び降りてたけど、足とか大丈夫だったの?めっちゃ面白かったけどさ』
「あ!てめぇ嘘吐いただろ!早川浮気なんかしてなかったぞ!」
『あはは!あんなとこで堂々とチューする馬鹿いないでしょ!それなのに本気になって飛び降りちゃうんだもん!』
「覚えてやがれ!ぜってーやり返してやるからな」
『それは楽しみだなぁ♪俺、貴ちゃんの事大好きだから嬉しいや』
「言ってろ。人で遊んでられるのも今の内だ」
『あー、楽し。今度デートしようか』
「何でいきなりそうなるんだよ」
『貴ちゃんて休みの日何してるのかなーって。あ、彼氏とデートしてるのか』
「早川とはいるな」
『空くんってかっこいいよね』
「まぁな」
『貴ちゃんでもかっこいいって思うの?』
「当たり前だろ。あいつはかっこいいだろ。付き合ってるからとかじゃなくて、男から見ても顔はいいだろあいつ」
『顔は?』
「性格はどうだろうな?俺と付き合う前は女好きのチャラ男だったし」
『性格は嫌いなのー?』
「そうじゃねぇよ。俺は好きだ。ただ側から見たら女好きってイメージ良くねぇだろ」
『そう?健全な男子ならみんな女の子好きでしょ』
「健全なって何だよ。俺女に興味ねぇけど」
『俺もなーい。じゃあ俺と貴ちゃんは健全じゃないんだな』
「もう切るわ。お前と話してると更に馬鹿になる気がする」
『あ、馬鹿だって自覚あったんだね♪』
最後は何も言わずに切ってやった。
何だかんだ銀髪と長電話しちまったじゃねぇか。
うーん、明日には生徒会長から連絡くるとか言ってたけど、俺何もしなくていいのか?担任からも追試の事とか何も言われねぇし、何も出来ねぇんだけどよ。
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