生き残りゲーム

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Episode 12 / 人狼GAME 2

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生存者9人 脱落者6人

3日目(昼)
side Mirai

海斗「…俺は、霊能だった。遠山さんは人狼だったよ。」
優徒「…となると、今回の占いが白な以上手がかりがないな。」
未来「グレランか、仮指定→本指定でどうですか?」
唯葉「は?わかるようにどうぞ?」
未来「あっ、ごめん……その、グレランは役職が分かってない人達と、白確……あ、人狼じゃないってわかってる人のことなんですけど、それ以外の人たちでランダムに投票することです。仮指定は、役職が確定してる…今だと悠理か海斗さんが怪しいと思う人を何人か上げて、その上で話し合って誰か一人を本指定として指名して、皆で票を合わせるんです。」
輝琉「グレランは危険な要素もあるし、本当は仮指定→本指定がいいと思うんだけどね。」
悠理「ならそれでいきましょう、時間はあるし!私と海斗で進めていくね。…本当はこんなことしたくない、けど、…照くんは死んでた。相手がやる気ならこっちもやらないと、だめだと思うから………」
海斗「……俺は、輝琉ちゃんと未来ちゃんが怪しいと思う。冷静すぎる。」
悠理「……私も、輝琉……と優徒くん。冷静過ぎて、この2人のどちらかが人狼なら怖すぎる。勝てる気がしなくて…。」
優徒「俺はその2人なら山本未来が怪しいと思う。」
輝琉「私…は…唯葉さんが怪しいと思う」
悠理「それはないよ!」
優徒「なんで言いきれる?」
悠理「だって唯葉ちゃんが照くんを殺せるわけないじゃん!」
未来「ここでそう言うメタ発言は頷けないけど…まあ確かに。少なくとも初日に殺すような気はしないかな。」
唯葉「別に唯葉は照くんのこと何とも……」
未来「はいはい」
渚「まあそれを逆手に取ったっていうのも有り得んくはないけど、あんまり考えたくないわな。」
海斗「多数決も加味したら…輝琉ちゃんかな。」
悠理「だね…。うん、本指定は輝琉で、お願いします」

その日はそれから会話をすることも無く、皆バラバラに過ごした。

side Hikaru

コンコン、とドアがノックされた

優徒「入っていいか?」

優しい、優徒の声だった。

輝琉「ええ。」

優徒は私の隣に腰掛け、真っ直ぐとこっちを見て言った。

優徒「…君はきっと、人狼じゃないだろう。なのに何故反論しない、何故抗わない?」
輝琉「…私の疑いが晴れたとしても、次は優徒が疑われるかもしれない。…私はもう、大切な人が目の前で死ぬのを見たくないの。」

優徒は泣いていた。初めて見る顔だったので驚いてしまったが、私も泣いていることにその後気付いた。…気付くと私は優徒を抱きしめていた。

輝琉「だから、貴方は生きて。」
優徒「…ありがとう。絶対に皆と、勝って、生き残ってみせる。」
輝琉「えぇ。」
優徒「なぁ…輝琉」
輝琉「はい?」
優徒「…好きだ」

私は何も言わず、強く抱きしめ返した。

……

3日目(夜)
side ???

?「………………」

生きるためには殺らなきゃいけない。
また、今日も1人で長い廊下を歩く。
今日は昨日よりずっと簡単にドアが開いて、住民は寝ているようだった。

?「悪ぃな…」

昨日と同じように殺り、自室へと戻った。

4日目(昼)
side Kazuki

悠理「未来ちゃん、白だったよ!」
未来「占ってくれたんだ、ありがとう」

その時、来ていない人を探しに行ってくれていた海斗と、例の部屋の様子を見に行っていた優徒さんが戻ってきた。

海斗「…唯葉さん、やっぱり亡くなってた…」
優徒「輝琉も然り……な。」
考「あと7人っすね」
渚「俺は、和輝を怪しいと思ってるんや。昨日から挙動不審過ぎるねん。」
未来「それは葉月さんの事があったから、」
渚「…そうかもしれんけど。どの道、俺か青葉さんか和輝の誰かやねん。俺は俺がそうじゃないことを知ってるから、この2人のどっちかしかおらんねん。」
考「うーん…俺は青葉の方やと思うけどなぁ」

結局、長い話し合いの結果、俺が処刑されることになった。
不思議と怖くはなかった。怒りもなかった。もうすぐ、葉月の所へいける……そんな気持ちでいっぱいだった。
俺は例の部屋に向かい、重い扉を開け、まるで操られているかのように、ごく自然に、ロープに手をかけた。

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