ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。

千晶もーこ

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69 捕縛

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「アイラン·ハンニー様。少し聞きたいことがあるのですが?」
「な、何よ!」
「貴方はこの世界一番の魔法使いなのですか?」
「そうよ!」
「それは、誰かに言われたのですか?それとも…」

話を続けようとすると、知っている魔力が近づいてくるのが分かった。

「話は後になりそうですね。」
「はぁ?」
「貴方のお迎えがきたようです。」
「迎え?」
「リーナ!」

ザック様と共にパール、ルーフ、そして騎士達までもがぞろぞろやって来た。

ちょっと、多くない!?

「アイザック様!?何故ここに……迎え…あ~、そういう事。何だ魔法はちゃんと効いていたのね!心配して損したわ!」

アイラン様は、腰に手を当て胸を張った。

淑女がそのポーズは如何なものかと…。

「私はここですわ!」

アイラン様はそう声を上げると、騎士団に向かって…いえ、ザック様に向かって手を振った。

「捕らえろ!」

ひとりの騎士の声で他の騎士達がアイラン様を捕らえようと向かう。

あ、ちょっと…

「待ってください!」

私の声で騎士たちが止まった。

「リーナどうした?」

私の側まで来ていたザック様に問いかけられる。

「今、彼女の周りにバリアを張って、魔力を防いでいます。この世界一番の魔法使いだそうです。バリアの中に入ったら、どんな魔法にかかるか分かりません。」

私は小声で説明する。

「この世界一番?…分かった。リーナ、少し離れるが大丈夫か?」
「え?あ、はい。」

パールを私の元へ残し、ザック様は騎士のひとりに近寄り、耳打ちをした。

さっきもあの方が号令を出していた。きっと、この隊の隊長さんね。

そんな時、パールとルーフは私の足元に絡みついてきた。

何これ…。
こんな状況だけど、これは幸せだわ。

「アイザック様。私の元に来てくれたのではないのですか?」

アイランは自分の所に来ず、サリーナや騎士団の元にいるアイザックに声をかけた。

「ある意味そうだね。」
「やっぱり!それなら、こちらへ早くいらしてください。」
「うーん…少し待ってくれるかな。隊長に許可を得るから。」

ザック様?

ザック様は隊長らしき人に再度耳打ちをした後、こちらをちらりと見た。
口が動く。

『つかまえる』

「!」

「許可は得た。しかし、そんなに魔力を放っていては、近づけない。」
「そうですわよね!…はい!大丈夫ですわ!」

アイラン様は、自分の周りの魔力を消し、両手をザック様に向かって差し出した。

“パール、アル、ルーフ、合図をしたらザック様の元へ。”
“リーナ。大丈夫よ。”
“パール?”
“アイザック君も未だに成長を続けているということよ。それに、アイザック君は年上の男性よ。守られてあげなさい。”

年上…。
そうだ、そうだよね。
分かってたよ、分かってた、頭では…。
………でもOLだった感覚も完全には抜けてないのよ。

そんな事を考えていると、ザック様はアイラン様が差し出した手を取っていた。

………手を取る必要ある?

「捕まえた。」
「はい、捕まりました。テヘッ。」

テヘ!?貴方いくつ?

「アイザック様。お待ちしていました。」

アイランの甘い声。
文字通り捕まったのだが、罪人としてではなく、愛ゆえのものだと信じて疑わないアイランの顔は、笑顔で溢れている。

その時、アイランが薄い膜に覆われていった。

「何、これ?」

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