記憶を無くしている俺が、この世界に蔓延る輩を一人残らず粛清するまで(第一章、魔王を粛清するまで完結)

ぎたー

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第二章、国王を粛正するまで

第34話・「村長達の真意」

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 村長からモンスター討伐の依頼を受けたソルは森へ向かう。その途中で、シャーロットを召喚し村民や村長の動向を探ってくるように命じる。





 村民と村長が輩だとは言わない、全ては推測だ。だからこそ、シャーロットに偵察へ行かせている。
 俺としては、輩でないことを祈っている。皆が普通の人なら優しい世界となるはずだ。

 なんにしても森にいるものは排除するけどね。村長と組んでいるなら輩確定、村長と組んでいないなら村民の生活を脅かしているものを倒すことで人助け。全て上手くいく。

 しばらく歩くと森が見えてきた、結構大きく見える。
 森に入ると虫の声や獣の声も聞こえてくる、今のところ襲撃もないために奥へ向かうことにする。
 歩いているとシャーロットからメッセージがくる。

 ソル様、報告いたします。
 頼む。
 
 ~ソルが森に向かった後の村長と村民の話~

 ソルを村長の家へ案内した男性は村長と話していた。

 「村長、あいつは森へ行きましたか」

 「ああ、行ったよ。ワシの村は魔王領に一番近く、王都から一番遠い。王都から見捨てられたこの村が生き残るためには他国と取引をするしかない」

 「ですね、あの森には魔王軍がいるんですよね?」

 村長は男性の言葉にうなずく。

 「魔王軍は旅人をいたぶったり食べたりすることで欲求を満たしているようだ、本当に下劣な種族だ」

 「でも報酬をいただけるんですよね?」

 「ああ、魔王軍はから食糧や金までもらえるのだ。あの旅人には悪いが、ワシが幸せになる為にはしょうがないことだ。もちろん、村のみんなにも分け与えてやるからな」

 村長は男性に下卑た顔をする。
 男性はお辞儀をするが、お辞儀した顔は憎しみにまみれていた。村長が中抜きをしていることを男性は知っているのだ。
 いつか村長を必ず殺す、殺した後で私が魔族と取引すればこの村を支配できる。

 「あの旅人が魔王軍を倒して帰ってきたらどうするおつもりで?」

 「その時は帝国へ売り渡すさ。帝国がいつも巡回にくるだろう?そやつらに連れて行ってもらおう。金を払うとも言ってたしな」

 ちっ!魔王軍が死んだ後まで考えてやがったのか。このクズ、絶対に地獄行きだな。
 帝国のやつらに金を払って村長を殺してもらうのもありかと、男性は下卑た顔をする。


 といった具合です。
 シャーロット、俺を案内した男性の心の声まで語っていたが脚色か?
 いえ、対策をしていない人間の心を視る事ぐらい余裕です。
 そ、そうなのか。
 
 ソルはあらためてため息をつく。
 
 そこは輩を生む村なのか?
 そうですね。他の村民の話も聞いてましたが、旅人が魔王軍へ差し出されたことを大変喜んでいました。報酬がもらえると。
 ・・・分かった、ありがとう。シャーロットはそこで待機していてくれ、なにかあればメッセージを。
 かしこまりました。

 ソルはシャーロットとのメッセージを終わる。
 本当に王国はどうなっているんだと、愚痴っていると声を掛けられる。

 「うわー、久しぶりだなー!やあやあ、君がモンスター討伐に派遣された人間かい?」

 話しかけてきたやつは顔の色が黒く、見るからに悪人顔だ。魔王領に住んでますよね?と聞きたくなるような風貌だ。

 「あなたは魔族ですか?」

 「そうそう!良く知ってるね、物知りだな君は」

 「何故、魔族の方がここにいるのですか?」

 「ヒヒ、僕はねぇ・・・君を食べようと思っているんだよ!ひゃっひゃっひゃ!何が何だか分からないだろうから教えてあげる、村長がね君を魔王軍に売ったんだよ!だから君は僕のものだよ!」

 心底楽しそうに魔族が俺に語り掛ける。
 シャーロットの話通りか。

 「魔王様より、魔王軍は王国から搾取してはいけないということを聞いてませんか?」

 「お?そんな情報まで知っているなんて君は本当にすごいねぇ。でもそれは違うよ、僕は村長に報酬を払っているからね。ギブアンドテイクさ」

 おお、確かに。
 この魔族の言い分が正しいぞ。魔族より村長や村民のほうが輩度合いが高いっていう意味が理解できない。人間はどうなってしまったんだ。

 「さあてそろそろ食べようかな。僕に挑んでもいいし、逃げてもいいよ。戦うのも狩るのも好きだからねぇ」

 魔族は目を光らせて俺を見てくる。
 うーん、俺が輩にならないためにも最後通告はしておくか。
 
 「魔族さん、俺に攻撃してこないなら見逃してあげるけどどうする?」

 「ひゃっひゃっひゃ!いいよね、錯乱した人間を食べるのも大好きだよ!」

 俺はため息をついてしまう。
 魔族が輩かと言われれば、そうでもないんじゃないかと思っている。思っているが、殺しにくるなら殺すしかないよな。

 「いくよー!」

 魔族が長い爪を出現させて、飛び掛かってくる。
 
 ソルは飛び掛かってくる魔族を見ながら思う。
 んー、どうせなら使ったことのない召喚スキルでも使ってみるか。
 強い鬼を1体だけ召喚してみよう、これで事足りれば鬼部隊が相当な戦力になると思う。強い鬼をイメージしながら召喚する。

 「鬼召喚」

 魔族は笑みを浮かべながら両爪をソルの腹に向かって突き出す。
 両爪はとてつもなく硬いものへ突き立てたために、バキッ!という音が鳴り響き折れてしまった。
 
 「な、なんだ?!」

 そこにいたのは、全身の筋肉がムキムキな赤黒い巨体の鬼。
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