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第二章、国王を粛正するまで
第33話・「村長の依頼」
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ソルは配下と一緒に魔王領をひたすら歩き、人間の国との国境まで歩いてきた。配下達が人間と関わればどうなるか見当もつかないと判断し全員を召喚解除して国境を越える。国境からさらに歩き、やっとの思いで人間の村を見つけ訪ねてみる。
「そか、こんな辺境までよくきなさった。村長のところへ案内するよ」
「ありがとうございます」
ソルは普通の人間と初めて話した。
男性の後ろを歩きながら色々と観察する。周りの建築物を見るに裕福とは言えないような環境ではあるが、この村にいる人達の顔には覇気がある。貧困で苦しんでいるというよりは、貧しいながらも・・・?
しばらく歩くとレンガで作られた家が見えてきた、あれが村長の家だな。
男性は旅人が訪ねてきたと村長に報告し、俺を村長の家へ招く。
「よく参られた、旅人よ」
「初めまして、ソルと申します」
俺を出迎えたのは爺さんだった、村長といえば爺さんだよな。
村長は俺の姿を上から下までじっくりと見た後、話し出す。
「ワシはこの村の村長をしているダズと申す。ソルさん、突然で申し訳ないのですが一つ頼まれてはもらえないだろうか?」
「・・・なんでしょうか?」
「ここより北へ行ったところに森がある、その森には動物がたくさんおって村の食糧源となっておったのだ。だが、1年くらい前からモンスターが現れた。そこで食糧事情をなんとかしようと村のものでモンスターを倒しに行ったが、ほとんどのものがモンスターに食べられてしまった。あんたにワシ達を助ける義理がないのは重々承知の上で頼みたい、そのモンスターを討伐してもらえないだろうか。報酬も払えるだけ払う、頼む」
村長はソルに向かって頭を下げる。
突然モンスター退治を旅人に依頼すること自体が非常識に思うが、切羽詰まっているという場合もあるか。とはいえ、旅人だからと言って戦闘スキルがあるものばかりではないだろう、俺の力量をスキルなどで判断したのか?と疑いの目を向ける。
「ワシが何故モンスター討伐の依頼をしたのか疑問に感じておりそうだな。実は、ワシは昔冒険者をやっておって相手の力量が見えるのだ。だからこそ強者とお見受けするソルさんに是非ともお願いしたいのだ」
ほう、この村長も分かるのか。俺も相手が格上か格下かくらいは分かるからな。
うーん・・・正直なところを言えば、俺が普通の旅人ならいきなりモンスター討伐を依頼されても無理だと断る。断るのだが、俺は魔王になれるほどの力をもっているし、報酬のお金とここら辺の情報を一気に手に入れれるチャンスだ。
ソルは少しだけ考え、モンスター討伐の依頼を受けることにする。
「分かりました。私がその話受けましょう」
「おお、受けてくれるか。本当にありがとう、いつ討伐にいってくださる?」
「今から行きます」
「今からですか!本当にありがとうございます。この家を出て、左へ歩けば森まで一本道なので迷うことはありません、討伐してくだされば必ず報酬をお支払いいたします」
「じゃあ行ってくる」
ソルは村長に見送られ森までの一本道を歩きだす。
村が遠くなるまで歩いたところで、シャーロットを召喚する。
「ソル様、お呼びでしょうか?」
「ああ、シャーロットは姿を隠して盗聴とか偵察みたいなことができる?」
「ええ、お任せください」
「よし、すぐに村長周辺の情報を収集してきてくれ。情報が集まり次第報告をメッセージでくれ」
「分かりました、すぐに向かいます」
シャーロットの足元に闇が広がり、沈んでいく。
ふー、シャーロットが偵察スキルを持っていてくれてよかった。この人選も考えて選んだのだ。
ガブリエルはあきらかに不浄なもの特化型だ。ということは、偵察とか小細工をできるタイプではないだろうと判断。
ヴィシャは武人タイプ、偵察より力を振るうのがメインだろうから却下。
アンは精神年齢が子供だ、無理。
となると大人の余裕があり賢く闇魔法が使えるシャーロットならそういったことができるのでは?ということで召喚した。転移もできると言ってたし、闇魔法でなら姿も消せるのでは?とね。
さて、どうしていきなり村長周辺に偵察を出したのかという話だが二つの理由がある。
まず、村を見渡していた時の村民の顔だ。建築物や村民の服装は貧しそうにも見えるのだが、何故か全員が覇気のある顔をしており目がギラついてる。村民同士で楽しくしゃべっていたりしても、俺の姿をチラッと見たときのあの獲物を狙う目がおかしい。
そして、村長の事も疑っている。突然モンスター討伐依頼の話をするほど食糧事情に切羽詰まっているなら村民は未来に絶望しているだろうし、痩せこけているだろう。だが、ここの村民達は絶望もしていなければ痩せこけてもいるようには思えない。ならば村長は何故この依頼をしたのだろうかという疑問が残る。
ここまで推察すると村長の言い分全てが怪しく思える。俺を陥れるために動いているとしたら、森にいるのはモンスターではなく盗賊の可能性まで見えてくる。いわゆる森にいるのは村長とつながった誰かという事だ。
ソルは村民と村長から輩の臭いを少なからず感じていた。
「そか、こんな辺境までよくきなさった。村長のところへ案内するよ」
「ありがとうございます」
ソルは普通の人間と初めて話した。
男性の後ろを歩きながら色々と観察する。周りの建築物を見るに裕福とは言えないような環境ではあるが、この村にいる人達の顔には覇気がある。貧困で苦しんでいるというよりは、貧しいながらも・・・?
しばらく歩くとレンガで作られた家が見えてきた、あれが村長の家だな。
男性は旅人が訪ねてきたと村長に報告し、俺を村長の家へ招く。
「よく参られた、旅人よ」
「初めまして、ソルと申します」
俺を出迎えたのは爺さんだった、村長といえば爺さんだよな。
村長は俺の姿を上から下までじっくりと見た後、話し出す。
「ワシはこの村の村長をしているダズと申す。ソルさん、突然で申し訳ないのですが一つ頼まれてはもらえないだろうか?」
「・・・なんでしょうか?」
「ここより北へ行ったところに森がある、その森には動物がたくさんおって村の食糧源となっておったのだ。だが、1年くらい前からモンスターが現れた。そこで食糧事情をなんとかしようと村のものでモンスターを倒しに行ったが、ほとんどのものがモンスターに食べられてしまった。あんたにワシ達を助ける義理がないのは重々承知の上で頼みたい、そのモンスターを討伐してもらえないだろうか。報酬も払えるだけ払う、頼む」
村長はソルに向かって頭を下げる。
突然モンスター退治を旅人に依頼すること自体が非常識に思うが、切羽詰まっているという場合もあるか。とはいえ、旅人だからと言って戦闘スキルがあるものばかりではないだろう、俺の力量をスキルなどで判断したのか?と疑いの目を向ける。
「ワシが何故モンスター討伐の依頼をしたのか疑問に感じておりそうだな。実は、ワシは昔冒険者をやっておって相手の力量が見えるのだ。だからこそ強者とお見受けするソルさんに是非ともお願いしたいのだ」
ほう、この村長も分かるのか。俺も相手が格上か格下かくらいは分かるからな。
うーん・・・正直なところを言えば、俺が普通の旅人ならいきなりモンスター討伐を依頼されても無理だと断る。断るのだが、俺は魔王になれるほどの力をもっているし、報酬のお金とここら辺の情報を一気に手に入れれるチャンスだ。
ソルは少しだけ考え、モンスター討伐の依頼を受けることにする。
「分かりました。私がその話受けましょう」
「おお、受けてくれるか。本当にありがとう、いつ討伐にいってくださる?」
「今から行きます」
「今からですか!本当にありがとうございます。この家を出て、左へ歩けば森まで一本道なので迷うことはありません、討伐してくだされば必ず報酬をお支払いいたします」
「じゃあ行ってくる」
ソルは村長に見送られ森までの一本道を歩きだす。
村が遠くなるまで歩いたところで、シャーロットを召喚する。
「ソル様、お呼びでしょうか?」
「ああ、シャーロットは姿を隠して盗聴とか偵察みたいなことができる?」
「ええ、お任せください」
「よし、すぐに村長周辺の情報を収集してきてくれ。情報が集まり次第報告をメッセージでくれ」
「分かりました、すぐに向かいます」
シャーロットの足元に闇が広がり、沈んでいく。
ふー、シャーロットが偵察スキルを持っていてくれてよかった。この人選も考えて選んだのだ。
ガブリエルはあきらかに不浄なもの特化型だ。ということは、偵察とか小細工をできるタイプではないだろうと判断。
ヴィシャは武人タイプ、偵察より力を振るうのがメインだろうから却下。
アンは精神年齢が子供だ、無理。
となると大人の余裕があり賢く闇魔法が使えるシャーロットならそういったことができるのでは?ということで召喚した。転移もできると言ってたし、闇魔法でなら姿も消せるのでは?とね。
さて、どうしていきなり村長周辺に偵察を出したのかという話だが二つの理由がある。
まず、村を見渡していた時の村民の顔だ。建築物や村民の服装は貧しそうにも見えるのだが、何故か全員が覇気のある顔をしており目がギラついてる。村民同士で楽しくしゃべっていたりしても、俺の姿をチラッと見たときのあの獲物を狙う目がおかしい。
そして、村長の事も疑っている。突然モンスター討伐依頼の話をするほど食糧事情に切羽詰まっているなら村民は未来に絶望しているだろうし、痩せこけているだろう。だが、ここの村民達は絶望もしていなければ痩せこけてもいるようには思えない。ならば村長は何故この依頼をしたのだろうかという疑問が残る。
ここまで推察すると村長の言い分全てが怪しく思える。俺を陥れるために動いているとしたら、森にいるのはモンスターではなく盗賊の可能性まで見えてくる。いわゆる森にいるのは村長とつながった誰かという事だ。
ソルは村民と村長から輩の臭いを少なからず感じていた。
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