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第一章、魔王を粛清するまで
第23話・ラスボス戦「決着」
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ソルにはカイ(勇者)の強さが見えなかった。だが、ヴィシャには強さが見えており自分よりも下だと言う。それを聞いてアンでも勝てるはずだと確信したソルはカイへとぶつける。カイとアンは剣で打ち合いを繰り広げる、それに焦れたカイは勇者スキルを使用して本気を出す。それに呼応するかのようにアンも本気を出すと言うと体中に血の模様が描かれ、歴戦の強者のような声を出した。
「人間ごときが思い上がるなよ」
アンの顔は化けの皮が剥がれたように怖い顔をしており、歴戦の強者のような声を出した。
カイはその顔と声に初めて恐怖を覚える。
「くっ、くそぉおおおおおおおおお!」
カイは自分が恐怖したという事実に自尊心が傷つけられ、雄叫びをあげて鼓舞する。そして、先ほどよりも速いスピードで駆け抜けアンに斬りかかる。
アンは口を開けニヤッと笑う。
勇者の力を纏った剣はアンの首をいとも簡単に斬り飛ばす。アンの頭はくるくると回りながら飛び、首から血が吹き出す。
カイはアンの首を斬り飛ばしたことでホッとしたような顔をする。
「血牢楼閣」
生首が一言告げる。
アンの全身が血となり、突如として血の波が現れカイを囲みだす。カイはアンの首を斬り飛ばしたことで安心していたために一瞬反応が遅れた。
血がどこからともなく現れ続ける。
その血と血の隙間から青い閃光が見える、勇者の力を纏った斬撃だろう。
だが、カイが血の波から出てくる気配はない。
血の波の中でカイが吠える。
「な、なぜだ!何故勇者の剣が通じない!」
「所詮、お前は紛い物だろう?聖剣を所持していない勇者なんて雑魚同然だ」
「!?」
「アハハハハハハハハハ」
アンの高笑いにカイの心が折れる。
血の波はカイを中心に塔を作り上げていく。
「ヴィ、ヴィシャ。アンとどっちが強い?」
「分かりません。血を操っているのが魔法であれば私の圧勝でしょうが、スキルだった場合は勝てるかどうか」
「アンも規格外だったか・・・」
勇者という人類最強をいとも簡単に手玉にとるなんて、アンは化け物としかいいようがない。悪ガキというのも表の顔で裏が本当の顔だったか。
血の塔が完成すると、塔の至る所から長い棘が飛び出る。その棘は瞬時に塔の中に刺さり、飛び出し、刺さりを繰り返す。一定時間それを続けた後、塔の窓部分から血だらけになった勇者の顔が出てくる。
「ソ、ソル、僕の、負け、のようだ。僕、は、新しい、勇者として」
血の塔の真上上空に血のギロチンが出現する。
その血のギロチンは物凄いスピードで塔を上から下まで切断する。
勇者は喋っている途中でギロチンによって頭だけが窓から転がる。
血の塔とギロチンは役目を終えたように人の形を作っていき、いつものアンとなった。
「ソル兄!がんばったよ!」
「あ、あ、ああ。よ、よく、がんばったな」
「うん!シャーロットも抜け駆けするし、俺もいいところを見せなきゃってね!」
俺はあまりにも惨い殺し方をしたアンに慄いていた。
アンを分析しておこう。アンの本気状態は全身が血という定義なのだろう。本気じゃない時は分からないが、そうだとしても最強すぎるだろう。
次に血牢楼閣はアン自身が血となって対象を血の塔へ閉じ込める。血は勇者の斬撃をものともしない強度を誇っていそうだった、ようは脱出不可能。その血の塔が完成したら塔全体に血で出来た棘を何度も突き刺して中のものを串刺しにする、怖い。
そして死ぬ間際で塔の窓から相手の顔を出させる。
遠い目をしながら俺は思った、ここで顔を出させる意味はありますかと。アンは死ぬ瞬間を俺に見せたかったのかな?残酷すぎる・・・
さらに、その仕上げとして塔の真上上空から血で出来たギロチンを落として塔を上から下へぶった切る。これで勇者の頭が窓から転げ落ちて完成と言う寸法だ。
こ、こんなの使用していい技じゃない・・・
ヴァンパイアの本性は悪逆非道としか言いようがない。化けの皮を被った悪魔、いや悪魔侯爵がいるから悪魔ではないんだけども。
そして少年の顔をして満面の笑みを浮かべながら俺に抱き着いてくる。
怖っ!!!!!!
ま、まあ、俺の配下が強かったことはいいことだよな。
ソルは悪逆非道なアンに目をつむり、とても強いアンだったという美談にして織り込むことにする。
心臓に悪い。
そういえばカイの最後の言葉に、新しい勇者としてと言ってたな。
新しい勇者と言う事は今まで別の勇者がいたってことだろ?魔王に殺されたのか?
まあ、ラスボスがカイだと言うならこれで終わりだろう。
やっと塔を攻略できた。
ものすごい達成感に包まれる。
パーティーのみんなが集まってくる。
「やりましたね」
「ああ、シャーロットもありがとな」
「ソル、やったねぇ」
「ソル様、おめでとうございます」
「遠目で見てたけど、アンはつ、強いのね」
うんうん、ルナのリアクションは正しいよ。本当にアンはまずいと思う。
あの血を操るのが魔法でなかった場合、ヴィシャでもアンを止められるかどうか。
「ありがとう、ここまで来れたのはみんなのおかげだ。本当は打ち上げでもしたいところだが、不穏な事を勇者が言っていたからな」
俺達の目の前に金色の扉が現れる。
「人間ごときが思い上がるなよ」
アンの顔は化けの皮が剥がれたように怖い顔をしており、歴戦の強者のような声を出した。
カイはその顔と声に初めて恐怖を覚える。
「くっ、くそぉおおおおおおおおお!」
カイは自分が恐怖したという事実に自尊心が傷つけられ、雄叫びをあげて鼓舞する。そして、先ほどよりも速いスピードで駆け抜けアンに斬りかかる。
アンは口を開けニヤッと笑う。
勇者の力を纏った剣はアンの首をいとも簡単に斬り飛ばす。アンの頭はくるくると回りながら飛び、首から血が吹き出す。
カイはアンの首を斬り飛ばしたことでホッとしたような顔をする。
「血牢楼閣」
生首が一言告げる。
アンの全身が血となり、突如として血の波が現れカイを囲みだす。カイはアンの首を斬り飛ばしたことで安心していたために一瞬反応が遅れた。
血がどこからともなく現れ続ける。
その血と血の隙間から青い閃光が見える、勇者の力を纏った斬撃だろう。
だが、カイが血の波から出てくる気配はない。
血の波の中でカイが吠える。
「な、なぜだ!何故勇者の剣が通じない!」
「所詮、お前は紛い物だろう?聖剣を所持していない勇者なんて雑魚同然だ」
「!?」
「アハハハハハハハハハ」
アンの高笑いにカイの心が折れる。
血の波はカイを中心に塔を作り上げていく。
「ヴィ、ヴィシャ。アンとどっちが強い?」
「分かりません。血を操っているのが魔法であれば私の圧勝でしょうが、スキルだった場合は勝てるかどうか」
「アンも規格外だったか・・・」
勇者という人類最強をいとも簡単に手玉にとるなんて、アンは化け物としかいいようがない。悪ガキというのも表の顔で裏が本当の顔だったか。
血の塔が完成すると、塔の至る所から長い棘が飛び出る。その棘は瞬時に塔の中に刺さり、飛び出し、刺さりを繰り返す。一定時間それを続けた後、塔の窓部分から血だらけになった勇者の顔が出てくる。
「ソ、ソル、僕の、負け、のようだ。僕、は、新しい、勇者として」
血の塔の真上上空に血のギロチンが出現する。
その血のギロチンは物凄いスピードで塔を上から下まで切断する。
勇者は喋っている途中でギロチンによって頭だけが窓から転がる。
血の塔とギロチンは役目を終えたように人の形を作っていき、いつものアンとなった。
「ソル兄!がんばったよ!」
「あ、あ、ああ。よ、よく、がんばったな」
「うん!シャーロットも抜け駆けするし、俺もいいところを見せなきゃってね!」
俺はあまりにも惨い殺し方をしたアンに慄いていた。
アンを分析しておこう。アンの本気状態は全身が血という定義なのだろう。本気じゃない時は分からないが、そうだとしても最強すぎるだろう。
次に血牢楼閣はアン自身が血となって対象を血の塔へ閉じ込める。血は勇者の斬撃をものともしない強度を誇っていそうだった、ようは脱出不可能。その血の塔が完成したら塔全体に血で出来た棘を何度も突き刺して中のものを串刺しにする、怖い。
そして死ぬ間際で塔の窓から相手の顔を出させる。
遠い目をしながら俺は思った、ここで顔を出させる意味はありますかと。アンは死ぬ瞬間を俺に見せたかったのかな?残酷すぎる・・・
さらに、その仕上げとして塔の真上上空から血で出来たギロチンを落として塔を上から下へぶった切る。これで勇者の頭が窓から転げ落ちて完成と言う寸法だ。
こ、こんなの使用していい技じゃない・・・
ヴァンパイアの本性は悪逆非道としか言いようがない。化けの皮を被った悪魔、いや悪魔侯爵がいるから悪魔ではないんだけども。
そして少年の顔をして満面の笑みを浮かべながら俺に抱き着いてくる。
怖っ!!!!!!
ま、まあ、俺の配下が強かったことはいいことだよな。
ソルは悪逆非道なアンに目をつむり、とても強いアンだったという美談にして織り込むことにする。
心臓に悪い。
そういえばカイの最後の言葉に、新しい勇者としてと言ってたな。
新しい勇者と言う事は今まで別の勇者がいたってことだろ?魔王に殺されたのか?
まあ、ラスボスがカイだと言うならこれで終わりだろう。
やっと塔を攻略できた。
ものすごい達成感に包まれる。
パーティーのみんなが集まってくる。
「やりましたね」
「ああ、シャーロットもありがとな」
「ソル、やったねぇ」
「ソル様、おめでとうございます」
「遠目で見てたけど、アンはつ、強いのね」
うんうん、ルナのリアクションは正しいよ。本当にアンはまずいと思う。
あの血を操るのが魔法でなかった場合、ヴィシャでもアンを止められるかどうか。
「ありがとう、ここまで来れたのはみんなのおかげだ。本当は打ち上げでもしたいところだが、不穏な事を勇者が言っていたからな」
俺達の目の前に金色の扉が現れる。
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