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第一章、魔王を粛清するまで
第22話・ラスボス戦「様子見」
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ラスボスがこっちにきて会話をしようと言うのでソル、アン、シャーロット、ヴィシャだけで向かう。ラスボスはまさかの勇者でカイというらしい。カイは魔王に敗北し、塔で修行してこいと魔王に閉じ込められたと。魔王はこの塔を制覇しても納得がいかなかったら、塔のラスボスとなり強くなってから挑戦しにこいと言ったらしい。ちなみにこの塔は次期魔王候補を選別する場所との事。
ここは次期魔王候補を選別する場所だったのか、色々と腑に落ちた気がする。
どういう基準で俺達が選ばれたのかは全く不明だが、状況は見えた。今までのレアモンスター達が魔王候補の卵でこの塔を制覇したものが次期魔王候補となると。
それにしても魔王か、魔王になりたいなんて思ってないんだよなぁ・・・っておいおい、カイを倒したら魔王と戦うのか?そんな事誰も望んでないぞ。
うおーっと頭を抱える。
「なんだい?魔王になりたくないのかい?」
「当たり前だ!魔王なんかになってどうする?魔族を従えたりするんだろ?そんなものはいらん、俺は安寧を求めているだけだ」
「あはは、そんな事を思っているモンスターもいるのだね」
それにしてもまずいことになった、勇者に勝てるか?
配下に聞いてみるか、ヴィシャへとメッセージを送る。
ヴィシャ、勇者の力は見えるか?
はい、強大ではありますが私達よりも下かと。
は?みえんとのかいっ!っ失礼・・・助かった。
いえ。
さて、勇者は配下より下らしい。というか配下→勇者→俺って事だな、分かっていたけど事実を突きつけられるとくるものがあるな。
「いきなり落ち込みだしてどうしたんだい?」
「いや、気にしないでくれ。最後に聞きたいのだが、魔王にならず自由になる手段とかはないのか?」
「僕を倒せるつもりでいるのかい?勇者である僕を」
優し気な声で話していた勇者が凄みをみせてくる。
ん?この勇者、まさか俺の配下より強いと思っているのか?・・・これはチャンスだ。
ソルは笑いそうになるのを我慢する。
「まあ、みんな僕の経験値になるんだ。その質問の答えは意味がないから答えないでおくよ」
「ふっ。せっかくここまで話した仲だ、忠告しておこう。舐めないほうが身のためだぞ」
カイの言葉を鼻で笑って、俺は威圧的な声をだす。
突然攻勢にでてきたソルの声に目を開き、カイは一歩下がって怯んでしまう。
そして怯んだことが勇者としてのプライドを傷つける。
「いいだろう、僕からも忠告しよう。舐めないほうが身のためだ」
カイは後ろを向いて距離をとる。
俺も皆を連れて後ろを向き距離をとる。
「さあ、勇者の力をみせてあげよう」
「行けっ、アン、シャーロット!」
「いっくよー!」
「勇者の力、見せてもらいましょう」
カイは剣を鞘から抜き、物凄いスピードで迫ってくる。
それを迎え撃つように飛び出すアン、その後ろをシャーロットが追っていく。
カイは目にも止まらぬ速さで斬りかかる、アンは血の剣を即座に作り剣を打ち合う。
「うわぁ、勇者というだけあるな。太刀筋が全く見えない」
「アンもやりますね」
カイとアンの戦いをソルはヴィシャと観戦する。
アンはヴァンパイアだから血に関しての能力だとは思っていたが、剣をあれほどに使えるとは。元気っ子という雰囲気が戦い方にも反映されているようだ。
「なかなか、やりますね。少年の、姿は、カモフラージュ、ですか?」
「うるさい!、この、オッサン!」
「オ、オッサン・・・殺す!」
オッサンと言われたことにカイは腹をたて、剣を振るスピードを上げていく。それにアンもついていく。
アンよ、カイは20代前半のイケメンとしか見えないぞ。あれでオッサンだと俺もそう思われて・・・
ソルは違うところで特大のダメージを受けていた。
「くっ!、な、なんだ!なぜ、ついて、これる」
「オッサン、なん、か、に、負け、ない!」
カイは至る方向から最速で剣を繰り出しているのだが、アンも互角に打ち合ってくる。
カイはラスボスとして塔を制覇してきたもの達と戦ってきたが、正直なところ敵にならなかった。勇者としての力を出さずともほぼ自分の技術だけで勝利できてしまうのだ。そんな戦いばかりだったために、ハンデと称して防具も着用しなくなった。
なのに、僕とこんな少年が互角だなんて屈辱でしかない。それもだ、後ろで美女が控えている。完全に僕はなめられている。この少年だけで僕に勝てると思っている。ふざけるなよ。
「ふざけるなぁあぁああ!!!!!!」
カイが叫ぶと同時に闘気が吹き荒れる、アンは即座に飛び退く。
「僕を本気にしたことを誇るといい」
「へえ、本気になったんだ。じゃあ僕も本気を見せちゃおっかなー」
カイの身体は青い気流のようなものが身に纏いだした。それは勇者特有の身体強化、回復力上昇に加えて、剣にも勇者の力を纏わせることができるスキル。
対して、アンは右腕を左手の爪で切り裂くと出血しその血がアンに纏いだす。そしていつの間にか体中に血の模様が描かれている
「さあ、決着をつけよう。美女を待たせるのも悪いからね」
「人間ごときが思い上がるなよ」
アンの顔は化けの皮が剥がれたように怖い顔をしており、歴戦の強者のような声を出した。
カイはその顔と声に初めて恐怖を覚える。
ここは次期魔王候補を選別する場所だったのか、色々と腑に落ちた気がする。
どういう基準で俺達が選ばれたのかは全く不明だが、状況は見えた。今までのレアモンスター達が魔王候補の卵でこの塔を制覇したものが次期魔王候補となると。
それにしても魔王か、魔王になりたいなんて思ってないんだよなぁ・・・っておいおい、カイを倒したら魔王と戦うのか?そんな事誰も望んでないぞ。
うおーっと頭を抱える。
「なんだい?魔王になりたくないのかい?」
「当たり前だ!魔王なんかになってどうする?魔族を従えたりするんだろ?そんなものはいらん、俺は安寧を求めているだけだ」
「あはは、そんな事を思っているモンスターもいるのだね」
それにしてもまずいことになった、勇者に勝てるか?
配下に聞いてみるか、ヴィシャへとメッセージを送る。
ヴィシャ、勇者の力は見えるか?
はい、強大ではありますが私達よりも下かと。
は?みえんとのかいっ!っ失礼・・・助かった。
いえ。
さて、勇者は配下より下らしい。というか配下→勇者→俺って事だな、分かっていたけど事実を突きつけられるとくるものがあるな。
「いきなり落ち込みだしてどうしたんだい?」
「いや、気にしないでくれ。最後に聞きたいのだが、魔王にならず自由になる手段とかはないのか?」
「僕を倒せるつもりでいるのかい?勇者である僕を」
優し気な声で話していた勇者が凄みをみせてくる。
ん?この勇者、まさか俺の配下より強いと思っているのか?・・・これはチャンスだ。
ソルは笑いそうになるのを我慢する。
「まあ、みんな僕の経験値になるんだ。その質問の答えは意味がないから答えないでおくよ」
「ふっ。せっかくここまで話した仲だ、忠告しておこう。舐めないほうが身のためだぞ」
カイの言葉を鼻で笑って、俺は威圧的な声をだす。
突然攻勢にでてきたソルの声に目を開き、カイは一歩下がって怯んでしまう。
そして怯んだことが勇者としてのプライドを傷つける。
「いいだろう、僕からも忠告しよう。舐めないほうが身のためだ」
カイは後ろを向いて距離をとる。
俺も皆を連れて後ろを向き距離をとる。
「さあ、勇者の力をみせてあげよう」
「行けっ、アン、シャーロット!」
「いっくよー!」
「勇者の力、見せてもらいましょう」
カイは剣を鞘から抜き、物凄いスピードで迫ってくる。
それを迎え撃つように飛び出すアン、その後ろをシャーロットが追っていく。
カイは目にも止まらぬ速さで斬りかかる、アンは血の剣を即座に作り剣を打ち合う。
「うわぁ、勇者というだけあるな。太刀筋が全く見えない」
「アンもやりますね」
カイとアンの戦いをソルはヴィシャと観戦する。
アンはヴァンパイアだから血に関しての能力だとは思っていたが、剣をあれほどに使えるとは。元気っ子という雰囲気が戦い方にも反映されているようだ。
「なかなか、やりますね。少年の、姿は、カモフラージュ、ですか?」
「うるさい!、この、オッサン!」
「オ、オッサン・・・殺す!」
オッサンと言われたことにカイは腹をたて、剣を振るスピードを上げていく。それにアンもついていく。
アンよ、カイは20代前半のイケメンとしか見えないぞ。あれでオッサンだと俺もそう思われて・・・
ソルは違うところで特大のダメージを受けていた。
「くっ!、な、なんだ!なぜ、ついて、これる」
「オッサン、なん、か、に、負け、ない!」
カイは至る方向から最速で剣を繰り出しているのだが、アンも互角に打ち合ってくる。
カイはラスボスとして塔を制覇してきたもの達と戦ってきたが、正直なところ敵にならなかった。勇者としての力を出さずともほぼ自分の技術だけで勝利できてしまうのだ。そんな戦いばかりだったために、ハンデと称して防具も着用しなくなった。
なのに、僕とこんな少年が互角だなんて屈辱でしかない。それもだ、後ろで美女が控えている。完全に僕はなめられている。この少年だけで僕に勝てると思っている。ふざけるなよ。
「ふざけるなぁあぁああ!!!!!!」
カイが叫ぶと同時に闘気が吹き荒れる、アンは即座に飛び退く。
「僕を本気にしたことを誇るといい」
「へえ、本気になったんだ。じゃあ僕も本気を見せちゃおっかなー」
カイの身体は青い気流のようなものが身に纏いだした。それは勇者特有の身体強化、回復力上昇に加えて、剣にも勇者の力を纏わせることができるスキル。
対して、アンは右腕を左手の爪で切り裂くと出血しその血がアンに纏いだす。そしていつの間にか体中に血の模様が描かれている
「さあ、決着をつけよう。美女を待たせるのも悪いからね」
「人間ごときが思い上がるなよ」
アンの顔は化けの皮が剥がれたように怖い顔をしており、歴戦の強者のような声を出した。
カイはその顔と声に初めて恐怖を覚える。
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