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第一章、魔王を粛清するまで 

第7話・契約召喚にて現れたもう一人の美女

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 2号と召喚したゾンビは華麗な連携でモンスターを倒しながら進んでいた。その道中、初めて喋るモンスターと遭遇。シュラは瞬時にそのモンスターをハエ叩きするという暴挙にでて、俺はLv20になりました。そして契約召喚を使用し、召喚されたものは・・・




 魔法陣から召喚されたのは、手足が細長くスラリとした体形に黒髪ロングで、白い肌、顔立ちはシュラにそっくりなのだが雰囲気を凛々しくしたような美人。白色のワンピースに丸くて綺麗な白い帽子をかぶって登場。

 おいおいおいおい、シュラにそっくりってマジか!?
 美人だとしてもポンコツ野郎2人なんてことになったら・・・本当に勘弁してほしいんだが!

 そう思った瞬間にシュラの指からなにかが放たれて俺の顔が吹っ飛ぶイメージがよぎる。だがそうはならなかった、いつの間にか俺の前に後ろ向きで佇む先ほどの女性。黒髪が靡く後ろ姿は、女神かと思えるほどに神秘的だった。

 「愚妹、マスターに向かってなにをしているの?」

 「げっ、姉貴!?」

 とてつもなく冷たい声でシュラに告げた言葉の中に妹という言葉がありまして、シュラは姉貴と呼んでおりました。姉妹確定ですね。それとマスターっていうのは俺のことですね。

 これはどういう状況ですか?
 一人目が召喚されるとその親族も召喚される?
 その仕様って要ります?お姉さんの移動スピードも異常だったから強者ってのは分かりますけども。
 契約召喚について頭の中で色々考えていると声を掛けられる。

 「マスター、愚昧のご無礼をお許しください。わたくしはクロと申します」

 お姉さんはクロと言うらしい。白色コーデのクロさん。
 クロへの返答を思い浮かべる。

 クロさん、シュラについては慣れっこなので大丈夫ですよ。

 「愚昧については私から指導しておきます、それと私の事はクロとお呼びください」

 初対面かつ丁寧な挨拶をいただけるような方なので、クロさんとお呼びしたいのですが。

 「クロとお呼びいただけない場合は、自害いたします」

 クロはどこからか取り出したナイフを自分の喉に当てようとする。
 ちょっ!?その条件を拒否された場合の対応が重いって!
 
 わ、分かりました。呼び捨てにしますからね、それでいいですよね!

 「はい、ありがとうございます」

 綺麗な顔立ちから繰り出される満面の笑みは、とても魅力的に見える。心の底から綺麗だと思った。
 こうしてクロが仲間になった。



 シュラは必要最低限しか喋らないから、クロに色々と聞いてみた。
 
 クロは今までどこにいたの?と聞くと、分からないです。
 クロの職業は?と聞くと、魔法使いです。
 クロは回復魔法とか使えるの?と聞くと、専門外です。
 クロは強いの?と聞くと、強いです。
 クロは俺と一緒に戦ってくれる?と聞くと、マスターのために戦いません。
 なんっっっでやねん!!!!!!!

 俺のために戦うもんじゃないのかああああ!と膝をついて叫びたい。
 召喚したものは全っ然俺の言うことを聞いてくれない。
 いい加減いじけるぞ、マジで。

 救いだったのはシュラと違い、一緒に戦わない理由を教えてくれた。

 「私やシュラが低Lvのモンスター達を倒しても、マスターのLvは上がりません。なのでそれ以外の部分をサポートいたします」

 クロいわく、低Lvのモンスターをクロやシュラが倒しても俺のLvは上がらない、いざという時にLvを上げておかなければ死んでしまう可能性もありますのでと。
 てことはシュラも言わないだけで俺のために戦わないようにしていたのか?可愛いとこあるじゃないかと思った瞬間、シュラから殺気が飛んでくる。クロも感情が抜け落ちたような顔で見つめてくる。
 いやいやいや、シュラは分かるけどクロはどうされたんですか。

 クロにここがどういう場所なのかと聞いてみたが一切知らないとの事。
 思い切ってLvも聞いてみたが秘密にさせてくださいとの事、隠さなくてはいけないほどにLvの差があるんだろうなぁと遠い目になってしまう。
 

 露出度が高く爽やかで健康的コーデのシュラ、夏の日差しに佇んでいたら絵になりそうなワンピースコーデのクロ、ホームレスでもこんな服装しねえよコーデの俺と2号。
 クロを加えたことでゾンビ二人のひどさが際立ったパーティーはモンスターを倒しながら進んでいく。



 「あ”あ”」(ゾンビだ!)

 廊下に座っているゾンビを発見した。
 ゾンビはレアモンスターなのか2号以外に見たことがない、できれば仲間になってほしいところだ。
 そんな淡い期待は裏切られることとなる。座っていたゾンビに声を掛けてみたが返答はなく、揺すってみても反応がない。完全に死んでいるようだ。
 
 俺は同族が死んでいたことに悲しみを覚えた、ゾンビなんて生きているか死んでいるか分からないような存在なのにだ。心の中で手を合わせておく。



 その後、赤いネズミばかりと遭遇するようになったが問題なく倒して進んでいく。
 すると見上げるほどに大きい扉を見つけた。今までの部屋には扉自体がついていなかったので、明らかに強者の雰囲気が漂う。
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