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第一章、魔王を粛清するまで 

第6話・使役したゾンビとハエ叩き

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 2号は口から緑色のキモイ液体・・・元い、緑色の液体を吐くスキルを手に入れたようだ。そのおかげで苦戦していた赤色ネズミを危なげなく倒せるようになり、俺はLv11となった。





 みなさんLv11になりました、ゾロ目です。ありがとうございます。と二人に向かって選挙で勝利したかのように喜びをあらわにするが二人とも無視。
 無視って、ハハ、そんなことではめげんぞ。なぜなら俺の視界にはまたも嬉しいことがあるのだからな。

 ★ゾンビLv11
 ・ゾンビ召喚

 俺はゾンビ召喚を手にいれたんだ!

 「ゾンビがゾンビ召喚を手に入れて喜ぶって誰得なんだ」

 俺が得してんだろが!!!
 シュラはなんにも分かってない、このスキルは1回とか書いてないんだよ。という事は何度も使えると思って問題ないだろ?さっそくゾンビ召喚を使用してみる。

 シュラの時のような複雑で大きな魔法陣は描かれず、小さい魔法陣が床に描かれてそこから手が出てきた。いわゆる映画などでゾンビが墓場から出てくるシーンを再現しているような感じ。出てきたゾンビの見た目は2号と同じようなゾンビだった、いやぁ素晴らしい。2号に優しくパンチされる、どして?
 2体目の召喚ができるかを試してみたが召喚できなかった。11Lvだから無理なのだろうか。

 次に、召喚したゾンビで実践だ。
 結果、召喚したゾンビは俺の思うとおりに動いた。赤色ネズミへ2号が緑色の液体を放った後に蹴りを入れろと指示するだけで召喚したゾンビはそのように行動した。また、臨機応変に戦え的な抽象的な指示も有効らしい。攻撃力も赤色ネズミには十分のようだ。
 召喚したゾンビのおかげで怖いほどに順調だ。シュラのようなポンコツ野郎よりよっぽど使える。
 
 俺の顔のすぐ横をとてつもないスピードでなにかが通り過ぎた、シュラが指でなにかを放ったらしい。

 「あんまりふざけた事言ってると、顔がなくなるぞ」

 すみませんでした!俺は心の中で汗だらだらである。

 シュラは明らかに脳筋のくせに、遠距離攻撃もできッ!?
 俺の頬はなにかによって抉られた、シュラの放ったもので。

 「次は、顔が半分ぐらいなくなっちゃうかもなぁぁあ」

 ものすごい顔でシュラが脅してくる。
 す、すみませんでした。もう言いません・・・
 土下座をする勢いで心の中で謝る。

 俺が主なのに思った事が筒抜けになるとか命がいくつあっても足りないぞ。というか、召喚したシュラの思ったことが聞こえないのは契約召喚の特徴か?

 「醜くて汚い醜いゾンビごときに、私の事が分かるわけないだろ?」

 はい、すみませんその通りです。ですから指を俺に向けないでください。

 とまあ、敵にじゃなく2号やシュラにボコられてダメージを受けるほうが多いわけだけど、俺はゾンビだからか自己治癒能力があるらしい、回復しきるまでに時間はかかるけど徐々に回復する体だ。
 いや、回復するからいいとかじゃなくて、仲間からボコられてるっていうのはどういう了見かを一度問いただしたい。



 2号の緑色の液体と召喚したゾンビの息の合った連携で順調にLv上げをし俺が12Lvになった時に事件は起きた。

 「おお?この階層で10Lv突っ!?ピギュ!!!」

 角を曲がったときに全体的に黒くて羽の生えた小さな何かがいた。
 その何かが話しだした途端に、シュラがものすごいスピードで接近しその黒い何かを平手打ちで壁に叩きつけた。
 まさかのモンスターをハエ叩きするという事件が起きたのだ。

 「うおっ!汚ね!」

 シュラは手についた黒い染みを振り払いながら女性とは思えない言葉を吐く。ハエ叩きされたものは壁の染みとなった。

 おおおおおおいっ!?
 シュラ、あいつ喋ったんだぞ!初めて会話できるモンスターだったのかも知れないのに、なにしてくれてんだよぉぉぉ!!!

 「五月蠅いハエは叩くに限るだろ」

 お前、俺が死ぬような事にならない限り助力はしないって言ってたじゃないか!

 「すっきりしたぁ。いやぁ、これで気持ちよく進めるな」

 こいつ、絶対になにか隠してるだろ。
 今まで全く干渉してこなかったくせに喋るやつを見かけたら速攻殺すとか、なにを隠してやがるシュラ!と睨んでいると黒い靄が纏わりつく。これはLvUP時の演出か、ということは契約召喚で召喚したものがモンスターを倒してもLvが上がると。
視界に映るLvを見る。

 ★ゾンビLv20
 ・契約召喚(1回)
 ・ゾンビ召喚
 ・ゾンビの祝福(パッシブ)


 ?

 目を閉じ、もう一度視界に映るLvを見る。20だ、何度みてもLv20と書いてある。
 俺のLvは20になったようだ。黒い染みはそうとうLvが高かったのでは?と思いシュラのほう見る。
 知らぬ存ぜずの顔だ、あの野郎。そして当然のように現れる契約召喚(1回)。

 次に召喚されるのはなんだろうか・・・鬼か悪魔か、はたまた野蛮人か。ただ、なにが出てきてたとしても契約召喚で召喚されたものは圧倒的に強いのだろう。そう考えれば、俺に従ってくれる強いモンスターという可能性もあるはず。おし、やるぞ!契約召喚!

 複雑で大きな魔法陣が描かれる。
 こっからが長いんだよなと光る魔法陣を見つめる。2号はぼーっと魔法陣を見つめ、シュラは勝手にやってろといった具合。

 さあて、なにが出てくるかな?

 しばらく待っているが本当に長い。それでも最初よりは苦にならない。
 ド級の強さを持つもの達から選定しているというなら、時間がかかるのも分かるってものよ。


 「あ”あ”」(長すぎる!)


 気持ちを声に出してしまった瞬間に、光によって視界が真っ白となる。
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