6 / 11
5.準備
しおりを挟む
この国に来て1年程たった。
季節は一周回り、今は春の季節。
今日はウォルター様から貰った庭園にある温室の手入れをしようと思い部屋を出ようとした時、ラピナが慌てて部屋に入ってきた。
「わっ!」
「も、申し訳ございません!
大変です!ウォルター様より執務室まで早急に来て欲しいとのことです!」
「え!準備しないと!」
今日ラズは休暇でいないからラピナに手伝ってもらって早急に準備を終わらせて執務室に向かった。
「失礼します!」
「……入っていいよ」
執務室に入るとそこにはウォルター様の他にも側近の方が1人いてウォルター様は書類の山に囲まれていた。
「カノン!ごめんね、最近会いに行けなくて」
ウォルター様は毎回距離が近くて戸惑ってしまう。今だって顔に手を添えられてるから緊張してしまう。
「ウォルター様はお忙しいでしょうから」
「そんなの関係ないよ。
カノンは僕に会えなくて寂しくないの…?」
「……そんなことないです」
「ふふ、顔赤くなっててかわい」
会えない期間が長くて久しぶりだったからウォルター様に話しかけられるだけで緊張してしまう。
「そういえば、私はどうして呼ばれたのですか?」
「殿下、早く例の件をお伝えしてください」
「リチャルド様、例の件とは?」
この方はリチャルド・テレーマ様
テレーマ公爵家の当主でウォルター様の側近さんでよくウォルター様の執務室にいる。
「婚約式を正式に行うと国王から伝えられたんだ。」
「……婚約式」
「あぁ、それと式のあとに婚約パーティーも行うからそれを伝えたくてね。」
「……パーティー、」
「どうしたの?」
「パーティーって行ったことなくて。」
「大丈夫だよ。全部僕がエスコートしてあげるから」
「…うん」
婚約式&パーティーが行われると伝えられてから数週間。
そして婚約式&パーティーまであと1週間の今日。
「カノン様!ドレスは何にしますか?」
「ラズ、ラピナ。ドレスはどれでもいいよ。
似合うもの分からないもの」
「カノン様は青が基調のドレスがいいですよね?!ラズ!」
「いいえ!カノン様には白が基調のドレスがいいです!」
また始まったラズとラピナの言い合いを聞きながらもう1週間前にある婚約パーティーに憂鬱になっていた時コンコンと部屋の扉がノックされた。
「……はい」
「失礼いたします」
そう入ってきたのはリチャルド様だ。
何か箱をもっている。
「リチャルド様、いかが致しましたか?」
「カノン様にお届けものです」
「これは?」
「ウォルター様からです。良ければご活用ください」
それだけ渡してリチャルド様は部屋から出て行った。
その箱を開けるとそこには白と青のグラデーションドレスだった。
それと一緒に入っていた手紙には
【僕の愛しい人へ
婚約パーティには良ければこれを着て欲しい。カノンのことを思って選んだ。
ウォルター】
そのドレスは今まで見たドレスの中で1番綺麗だった。パーティーは憂鬱だけどこのドレスを着て参加するのは楽しみになった。
季節は一周回り、今は春の季節。
今日はウォルター様から貰った庭園にある温室の手入れをしようと思い部屋を出ようとした時、ラピナが慌てて部屋に入ってきた。
「わっ!」
「も、申し訳ございません!
大変です!ウォルター様より執務室まで早急に来て欲しいとのことです!」
「え!準備しないと!」
今日ラズは休暇でいないからラピナに手伝ってもらって早急に準備を終わらせて執務室に向かった。
「失礼します!」
「……入っていいよ」
執務室に入るとそこにはウォルター様の他にも側近の方が1人いてウォルター様は書類の山に囲まれていた。
「カノン!ごめんね、最近会いに行けなくて」
ウォルター様は毎回距離が近くて戸惑ってしまう。今だって顔に手を添えられてるから緊張してしまう。
「ウォルター様はお忙しいでしょうから」
「そんなの関係ないよ。
カノンは僕に会えなくて寂しくないの…?」
「……そんなことないです」
「ふふ、顔赤くなっててかわい」
会えない期間が長くて久しぶりだったからウォルター様に話しかけられるだけで緊張してしまう。
「そういえば、私はどうして呼ばれたのですか?」
「殿下、早く例の件をお伝えしてください」
「リチャルド様、例の件とは?」
この方はリチャルド・テレーマ様
テレーマ公爵家の当主でウォルター様の側近さんでよくウォルター様の執務室にいる。
「婚約式を正式に行うと国王から伝えられたんだ。」
「……婚約式」
「あぁ、それと式のあとに婚約パーティーも行うからそれを伝えたくてね。」
「……パーティー、」
「どうしたの?」
「パーティーって行ったことなくて。」
「大丈夫だよ。全部僕がエスコートしてあげるから」
「…うん」
婚約式&パーティーが行われると伝えられてから数週間。
そして婚約式&パーティーまであと1週間の今日。
「カノン様!ドレスは何にしますか?」
「ラズ、ラピナ。ドレスはどれでもいいよ。
似合うもの分からないもの」
「カノン様は青が基調のドレスがいいですよね?!ラズ!」
「いいえ!カノン様には白が基調のドレスがいいです!」
また始まったラズとラピナの言い合いを聞きながらもう1週間前にある婚約パーティーに憂鬱になっていた時コンコンと部屋の扉がノックされた。
「……はい」
「失礼いたします」
そう入ってきたのはリチャルド様だ。
何か箱をもっている。
「リチャルド様、いかが致しましたか?」
「カノン様にお届けものです」
「これは?」
「ウォルター様からです。良ければご活用ください」
それだけ渡してリチャルド様は部屋から出て行った。
その箱を開けるとそこには白と青のグラデーションドレスだった。
それと一緒に入っていた手紙には
【僕の愛しい人へ
婚約パーティには良ければこれを着て欲しい。カノンのことを思って選んだ。
ウォルター】
そのドレスは今まで見たドレスの中で1番綺麗だった。パーティーは憂鬱だけどこのドレスを着て参加するのは楽しみになった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
30
1 / 3
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる