欠陥聖女ですが目覚めたら隣国にいました

水無月 月

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4.町

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「……ん、ここは」

「あ、起きた?」


目が覚めて1番初めに目に入ったのはウォルター様の顔だった。

ん???
これってウォルター様の膝の上?!



「す、すみません!」

「ふふ、もっと寝てていいのに」


もしかして、私神殿で倒れたの?


「……ご迷惑おかけしてすみません」

「大丈夫だからね」

「……」

「そうだ、気分転換に町にでも遊びに行こうか」



町…。
そういえば私、祖国でも町に行ったことないな。聖女になる前は淑女教育とかで忙しくて行けなかったし、聖女になってからは外出が禁止になり事実上の監禁状態だった。




馬車で数分。
町の広場に着いた。

初めて降りた町はすごく綺麗で国民で賑わっていた。
広場には噴水があってペットの散歩をしている人や何かを食べている人もいる。



「カノンはどこか行きたいところある?」
       
「…初めてでよく分からないです」

「じゃ色んなところ見て歩こうか」



町には屋台が並んでいるところや少し歩くと素敵なアクセサリーのお店なんかがあった。

その店の一つにすごく好みなアクセサリーが売られていた。

それはサファイアが加工されたネックレス。


「……」

「…ヵ……カノン?」

「…え?」

「お腹すいてない?」

「あ、そういえばもうお昼時すぎてますね」



さっき色々見た中で食べ歩きと書いていた屋台があった。そこが気になっていたのでウォルター様と屋台が並んでいる方へ向かった。



「屋台は初めて?」

「はい!ウォルター様は何度かあるんですか?」

「…ちょっと、小さい頃に城抜けだしたりした時にね」



ウォルター様も意外とヤンチャな時期があったんだ。それを知ってちょっと微笑ましかった。



「……!これなんですか?」

「これは遠くの国の料理だね。
すごく美味しいからおすすめだよ」

「じゃこれにします」



屋台でお昼ご飯を買って広場でウォルター様と話しながら初めて食べる料理を楽しんだ。

その時に神殿で倒れてしまったことを聞かれたけど、少し誤魔化してしまった。

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