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第三章 真意 後篇
第三章 真意 後篇 25
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2週間後、東村――
晴れた昼間、街の中心部では多くの人々が通りを行き交っていた。
そんな中、郵便局員の若い男は人通りの多い道を小走りしている。
男は郵便記号の付いた丸笠を頭に被り、襟付きの黒い上着と同色の半ズボン、脚絆から構成された制服に身を包み、蝦蟇口のズック鞄を肩から提げていた。
しばらくすると、男は光永の屋敷に到着し、門をくぐって離れ家の前で立ち止まる。
「ごめんくださーい! 郵便でーす!」
男がズック鞄から白い長形封筒を取り出すと、離れ家の中でそれぞれ事務をしていた光永と守央、世璋の3人は、男の声に気づいた。
「ん?」
「新しい依頼か?」
「どれ、俺が見てきてやるよ」
世璋は椅子から立ち上がり、腰付障子を開けて男と応対した。
「おう、ご苦労さん」
「お忙しいところ失礼いたします。光永三郎様宛てに、お便りが届いております。どうぞ」
男が封筒を差し出すと、世璋はそれを受け取って懐に仕舞う。
「いつもありがとな。確かに受け取ったぜ。ああ、そうだ。ちょっと、待っててくれ」
世璋は腰付障子を開け放したまま部屋の中へ戻ると、再び男の前に現れ、冷たいさんぴん茶が注がれた湯飲み茶碗を差し出した。
「この時期は暑くて死にそうになるからよ。小休止がてらに、これでも飲んでってくれ」
「あ、ありがとうございます! いただきます!」
男は世璋から湯飲み茶碗を受け取ると、一気にさんぴん茶を飲み干し、湯飲み茶碗を世璋に返した。
「あぁ~、旨い! ごちそうさまでした! ここに来るまでもう喉がカラカラで……」
「休憩は取れる内に取っておかないとな。お互い無理せずやろうぜ」
「はい、ありがとうございました! では、失礼いたします!」
「おう」
晴れた昼間、街の中心部では多くの人々が通りを行き交っていた。
そんな中、郵便局員の若い男は人通りの多い道を小走りしている。
男は郵便記号の付いた丸笠を頭に被り、襟付きの黒い上着と同色の半ズボン、脚絆から構成された制服に身を包み、蝦蟇口のズック鞄を肩から提げていた。
しばらくすると、男は光永の屋敷に到着し、門をくぐって離れ家の前で立ち止まる。
「ごめんくださーい! 郵便でーす!」
男がズック鞄から白い長形封筒を取り出すと、離れ家の中でそれぞれ事務をしていた光永と守央、世璋の3人は、男の声に気づいた。
「ん?」
「新しい依頼か?」
「どれ、俺が見てきてやるよ」
世璋は椅子から立ち上がり、腰付障子を開けて男と応対した。
「おう、ご苦労さん」
「お忙しいところ失礼いたします。光永三郎様宛てに、お便りが届いております。どうぞ」
男が封筒を差し出すと、世璋はそれを受け取って懐に仕舞う。
「いつもありがとな。確かに受け取ったぜ。ああ、そうだ。ちょっと、待っててくれ」
世璋は腰付障子を開け放したまま部屋の中へ戻ると、再び男の前に現れ、冷たいさんぴん茶が注がれた湯飲み茶碗を差し出した。
「この時期は暑くて死にそうになるからよ。小休止がてらに、これでも飲んでってくれ」
「あ、ありがとうございます! いただきます!」
男は世璋から湯飲み茶碗を受け取ると、一気にさんぴん茶を飲み干し、湯飲み茶碗を世璋に返した。
「あぁ~、旨い! ごちそうさまでした! ここに来るまでもう喉がカラカラで……」
「休憩は取れる内に取っておかないとな。お互い無理せずやろうぜ」
「はい、ありがとうございました! では、失礼いたします!」
「おう」
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