32 / 65
4章もう一人の転生者編
学園
しおりを挟む
寮生活というのはワクワクすることもあったり、ドキドキ、ハラハラする事があったりする。
勿論、そんな時はすぎていってしまうんだし、それにいつまでもすがるのは良くない。
入学式からハルトと半年、一緒にいた。寝るのも一緒だし、食べるのも、たまに同じやつを食堂から部屋へ持って来てくれることもあった。彼は良い友達でもあった。そんな彼が。
僕の目の前にいる。だが、そこに居たのは、ついさっきまで一緒に話していた、ずっと共に過ごして来た者ではない。
それの成れの果てである。この学園に、人間は俺しかいない。勿論、それは、彼も例外ではなかった、だが。
それは、僕の首元に刀のように鋭く細い華奢な爪で引っ掻こうとしている。そして、その目は殺意が宿っていた。
「どうしたんだよ。ハルト。なんの冗談だ?」
「君が人間であることはすぐに気づいたよ。でも、もう少し置いてからの方がいいと思ったんだよね。その方が強くなってるだろうし。しかも、信用させていた方が、奇襲しやすいしね」
そう言い、僕の首にそっと爪を沈ませる。それに伴い、そこから、血が少し垂れる。
そして、無我夢中でしゃぶる。それを俺は止められなかった。
「いたい。ハルト、やめてくれよ」
「やっぱり人間の血は格別だな」
俺の話など聞かず、無我夢中でしゃぶりつづける。
「もう潮時だ」
俺は無理に体を回転させ、爪を引き抜き、彼の心臓に、自身の護身用ナイフを刺した。
「えっ?」
自分の心臓に何か歪なものが刺さっているが、何が刺さっているのか理解できていない様子である。
「お前は、親友だ…と思ってた。だけど、それは違った。君はさっき、僕の血を吸ったよね?じゃあ、僕にも攻撃権利はあるよね?じゃ、またね。君のおかげで目が覚めたよ。僕は生ぬるくなってたんだね」
そうして、俺は、学園を出た。
「魔王様、私にあの学校は詰まりませぬ。今日、そのせいで一匹殺めてしまいましたし」
その言動に後悔が見えなかったからか、魔王は笑い出す。高貴な笑い方とは言えない。
「ふはははははは。その様子では完成した様子じゃな。早速、奇襲にかかる…とは言えないのだよなあ」
「な、何故ですか?まだ至らぬ点でも…」
「お主は強くなった。じゃが、約束のも教えてないし、まだ何より、修行は終わってないじゃろう」
見据えた目は魔族の気配を感じさせる。
「…はい」
「ならば、続きじゃ。だが、その前に約束の物だ。使い方は聞くといい」
「魔王様、聞けばいいとは…どういう事でしょうか」
この日、世界は2つに分断されるという世界の分断地点となり、バッドエンドの道へ進み始めた。
そのことを知るのはそれを傍観しているアルファの神、そして、破壊神その二人だけなのであった。
-----------------------------------------------------------
遅くなりました!すみません。
最近、書く時間がなくて…。
さて、恒例にもなりかけているこれですけれど、何をしましょうか。
とりあえず、次回は、このまま、修行をしますかね。(予定では)もうそろそろアルファと会えますよ!
今回は短いですが、ここまで。約束のものとはなんだったのか。乞うご期待…と終わらせてはいけないので。
ヒントとして言っておくと、それは魔王代々、伝わっているのですが、特性が厄介なんですよね。(能力系ですよ)
まぁ~サラ~っと言うと、強くなるやつです!これ以上はネタバレになってしまう。
では、本当にここまで。
ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。
勿論、そんな時はすぎていってしまうんだし、それにいつまでもすがるのは良くない。
入学式からハルトと半年、一緒にいた。寝るのも一緒だし、食べるのも、たまに同じやつを食堂から部屋へ持って来てくれることもあった。彼は良い友達でもあった。そんな彼が。
僕の目の前にいる。だが、そこに居たのは、ついさっきまで一緒に話していた、ずっと共に過ごして来た者ではない。
それの成れの果てである。この学園に、人間は俺しかいない。勿論、それは、彼も例外ではなかった、だが。
それは、僕の首元に刀のように鋭く細い華奢な爪で引っ掻こうとしている。そして、その目は殺意が宿っていた。
「どうしたんだよ。ハルト。なんの冗談だ?」
「君が人間であることはすぐに気づいたよ。でも、もう少し置いてからの方がいいと思ったんだよね。その方が強くなってるだろうし。しかも、信用させていた方が、奇襲しやすいしね」
そう言い、僕の首にそっと爪を沈ませる。それに伴い、そこから、血が少し垂れる。
そして、無我夢中でしゃぶる。それを俺は止められなかった。
「いたい。ハルト、やめてくれよ」
「やっぱり人間の血は格別だな」
俺の話など聞かず、無我夢中でしゃぶりつづける。
「もう潮時だ」
俺は無理に体を回転させ、爪を引き抜き、彼の心臓に、自身の護身用ナイフを刺した。
「えっ?」
自分の心臓に何か歪なものが刺さっているが、何が刺さっているのか理解できていない様子である。
「お前は、親友だ…と思ってた。だけど、それは違った。君はさっき、僕の血を吸ったよね?じゃあ、僕にも攻撃権利はあるよね?じゃ、またね。君のおかげで目が覚めたよ。僕は生ぬるくなってたんだね」
そうして、俺は、学園を出た。
「魔王様、私にあの学校は詰まりませぬ。今日、そのせいで一匹殺めてしまいましたし」
その言動に後悔が見えなかったからか、魔王は笑い出す。高貴な笑い方とは言えない。
「ふはははははは。その様子では完成した様子じゃな。早速、奇襲にかかる…とは言えないのだよなあ」
「な、何故ですか?まだ至らぬ点でも…」
「お主は強くなった。じゃが、約束のも教えてないし、まだ何より、修行は終わってないじゃろう」
見据えた目は魔族の気配を感じさせる。
「…はい」
「ならば、続きじゃ。だが、その前に約束の物だ。使い方は聞くといい」
「魔王様、聞けばいいとは…どういう事でしょうか」
この日、世界は2つに分断されるという世界の分断地点となり、バッドエンドの道へ進み始めた。
そのことを知るのはそれを傍観しているアルファの神、そして、破壊神その二人だけなのであった。
-----------------------------------------------------------
遅くなりました!すみません。
最近、書く時間がなくて…。
さて、恒例にもなりかけているこれですけれど、何をしましょうか。
とりあえず、次回は、このまま、修行をしますかね。(予定では)もうそろそろアルファと会えますよ!
今回は短いですが、ここまで。約束のものとはなんだったのか。乞うご期待…と終わらせてはいけないので。
ヒントとして言っておくと、それは魔王代々、伝わっているのですが、特性が厄介なんですよね。(能力系ですよ)
まぁ~サラ~っと言うと、強くなるやつです!これ以上はネタバレになってしまう。
では、本当にここまで。
ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
96
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる