富豪外科医は、モテモテだが結婚しない?

青夜

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家族でキャンプ

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 1月2日。
 朝食を食べ、俺たちはキャンプへ出掛ける準備をしていた。

 「タカさーん! お電話ですよー!」
 ハーに呼ばれた。

 「おう!」

 家の固定電話に出た。

 「トラ兄さん!」
 「よう! 左門か!」

 新年の挨拶をした。

 「正月からすみません。トラ兄さんも今なら時間があるかと」
 「悪いな、これから家族でキャンプに出掛ける予定なんだ」
 「え、そうなんですか! じゃあまた改めますね」
 
 俺はふと思った。

 「なあ、良かったらお前も一緒に来ないか?」
 「え?」
 「家族って言っても、遠慮するような連中じゃないからな。お前のことは、こないだ子どもたちにも話したんだ。俺の弟なんだってな」 
 「そうなんですか!」
 「ああ、みんな会いたがってるんだよ。今は休みなのか?」
 「はい、4日まで休みです」
 「本当に来ないか?」
 「いいんですか?」
 「もちろんだぁ!」

 左門が笑った。
 左門が来ることになった。
 俺は子どもたちを招集した。

 「あー、突然だがな。左門がキャンプに来ることになった」
 「「「「エェー!」」」」

 子どもたちは驚いていたが、喜んでくれた。
 市谷からタクシーで来るとのことなので、30分も掛からない。
 着替えだけでいいと言っているので、用意も無い。
 準備も含めて、1時間で来るだろう。 

 左門は30分で来た。

 「おい、早かったな」
 「自衛隊はモタモタしてると大事になるんですよ」
 「そうか」

 俺は笑って左門を紹介した。
 子どもたちも一人ずつ紹介する。

 「サメ、アルマジロ、ピラニア、ピラニア」
 「アハハハハハ!」
 「タカさん!」

 亜紀ちゃんが抗議する。

 「すぐに出るぞ! 車の中でやれ!」
 「「「「はーい」」」」

 俺が運転し、左門を助手席に座らせる。

 「スゴイ車ですね。元はハマーH2ですか?」
 「おお、流石は俺の弟だな!」
 「アハハハ」

 すぐに子どもたちが自己紹介を始める。

 「長女の亜紀、高三です」
 「スリーサイズは見ての通りだ」
 「タカさん!」

 「長男の皇紀です。中二です」
 「趣味はチンコいじりだ」
 「エヘヘヘヘ」

 「次女の瑠璃です! 小五です。ルーって呼んで下さい!」
 「三女の玻璃です! ハーって呼んで下さい!」
 「そいつらは双子だ。見分けはつかないから、適当にルーとハーって順番に呼べばいいよ。俺もそうしてる」
 「アハハハハハ!」
 「「タカさん!」」

 「とにかくだ。こいつらで自衛隊は1時間以内に壊滅出来る。できるだけ仲良くなってくれ」
 「「「「宜しくお願いします!」」」」
 「こちらこそ。南原左門です、宜しくお願いします」

 その後は質問攻めだった。
 左門は笑いながら、丁寧に答えていた。
 本当にいい奴だ。




 丹沢に着いた。

 「ここらへんの山は俺が買ったんだ」
 「凄いですね!」
 「まあ、訓練のためだったんだけどな。今はもうちょっと足りないなぁ」
 「タカさん、左門さんにはどこまで話していいの?」

 ルーが聞いて来た。

 「それは後でな。こいつの決意表明を聞いてからだ」
 「はーい」
 「まあ、バレちゃったら山に埋めるからいいよ」
 「はーい!」
 「アハハハハハ!」

 左門は厚手のセーターにダッフルコート、下はデニムにレッドウィングのハーフブーツだった。
 俺たちはタイガーストライプのコンバットスーツにボンバージャケット、ビブラムソールの鹿革の靴だ。
 
 「ちょっと遅れたから走って登るぞ!」
 「「「「はーい!」」」」

 「ハー! 左門を担げ!」
 「はーい!」
 「え?」

 左門がハーに担がれた。
 右の肩に乗せられる。

 「ちょ、ちょっとー!」

 そのままみんなで笑って走った。
 亜紀ちゃんは80キロの食材を。
 皇紀とルーは寸胴などの調理器具とステンレスのテーブルやテントなどを。

 「舌を噛むから黙っててね?」
 ハーが左門に言った。

 左門がいるので、15分くらいかけて登った。
 俺たちにはゆっくり目だ。

 中腹のベースに着いて、すぐに昼食の準備をした。
 驚いている左門を呼んで、俺は掃除をさせたテーブルのベンチに座った。
 亜紀ちゃんがすぐに火を焚き、コーヒーを持って来た。

 「驚いたよ、トラ兄さん!」
 「そうか」
 「あれが「花岡」なんだね」
 「そうだよ。もちろんほんの「触り」だけどな」
 「うん。でも凄いや」

 昼食はポロネーゼのパスタだ。
 双子が小屋から食器を出して洗っていく。
 亜紀ちゃんと皇紀で、その間にどんどん作る。
 手早く出来るようにパスタした。
 大量のパスタに左門は驚くが、それ以上に子どもたちの食べる量に驚いていた。

 「左門、うちはモタモタしてると食いっぱぐれるからな!」
 「はい!」

 左門はすぐに状況を判断し、喰いに入った。
 やはりなかなかいい。

 昼食の後、亜紀ちゃんは洗い物をし、皇紀は風呂の清掃、双子は薪を拾いに行く。
 薪小屋があり、それで十分に足りるのだが、いつも拾いに行っている。
 俺は左門と一緒に草刈りに行った。
 少し離れた場所にススキの群生地があり、そこで刈って行く。

 紐で束ねながら、背負子で持ち帰った。
 自分の三倍ほども集めた。

 前に整地した場所がほとんどそのまま使えそうだったので、枯れ草を敷いて行く。
 薪小屋にもストックしてあったので、それも使う。
 弱めの「轟雷」を使っているので、虫もいない。

 左門と一緒にテントを建てた。

 「随分立派なテントですね!」
 「俺が寝るんだからな!」
 「アハハハハ!」
 
 亜紀ちゃんと皇紀も見に来る。
 予想以上にオシャレなので喜んでいた。

 一旦休憩にし、コーヒーを飲んだ。
 クッキーも出す。

 「随分と豪華なキャンプですね」
 左門が驚いている。

 「そりゃ、「花岡」使いたちだからだよ。普通の人間は80キロの荷物だの担いで上がれないしな」
 「なるほど」
 「それにサバイバルの技術もある程度は仕込んでいるしな」
 
 左門の目が光った。

 「トラ兄さん。サバイバルに関しては僕も鍛えられてますよ」
 「そうかよ」
 「はい! 陸自でそういう訓練を受けてます。何日か樹海で自給自足で生き延びる訓練なんて、もう大変でしたよ」
 「へー」

 双子が笑っている。

 「あ、ルーちゃんとハーちゃんは興味あるかな?」
 「「うん!」」

 「じゃあ、野生の獣の獲り方でも教えようか!」
 「「うん!」」

 俺は夕飯の支度まで時間があるので、教わって来いと言った。
 風呂の掃除が終わったので、皇紀に水を張らせる。
 亜紀ちゃんは下へ行って、水を汲んでくる。
 ポリタンクで10個だ。
 川の水を使ってもいいのだが、今回は左門もいるのでそうした。
 タンクは双子が買った家に置いている。
 
 俺はロボとテントに入り、横になった。
 俺は休んでもいいはずだ。
 年末年始にいろいろ詰め込み過ぎたことを後悔している。



 左門たちが戻って来た。
 双子が、ウサギの罠とか教わったと喜んでいた。

 良かったな!
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