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1人向け・慰め系
あなたに届けば(失声症の恋人)
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ただいま...って、あれ?
ねえ、いないの?
こんな時間に連絡せずにひとりで出掛けてるはずがないんだけど...。
...いた。どうして電気も点けずに座りこんでたの?
首を横にふっても駄目だよ。
ゆっくりでいいから、隠さないでちゃんと教えて。
『声が出ないのを知らない人にからかわれた』...どうして相手の気持ちを考えずにそんなことをする人がいるんだろうね。
仕事で遅くなるって連絡してたから、ひとりで買い物に行ってくれたんでしょ?
ごめん。俺が早く帰れればよかったんだけど...。
『誰も悪くない。ただ、からかったりする人もいるって分かってはいたけどやっぱり傷ついた』、か...君はすごいね。
俺ならきっと、どうしてこんなことされるんだって相手に掴みかかってる。
でも、君は傷ついたことも家に帰りつくまで我慢してたんでしょ?
やっぱり君は優しいね。
『あなたの方が優しい。私なんかをひとりの人として扱ってくれるから』って...そんなの当たり前でしょ?
たとえこのまま一生声が出ないままだったとしても、俺は君自身が好きなんだ。
大切にしたいって、ずっとそばで笑っててほしいって思ってる。
...卑屈になるのもなんとなく理解できてるつもりだけど、私なんかなんて思わないで。
俺は、君のいいところを誰よりも知ってるよ。
困っている人にメモ用紙で話しかけたり、誰かの為に必死になれたり...。
そういうことってみんなができることじゃないと思う。
毎日おかえりって言ってくれて、俺が遅くなったときはご飯もお風呂も用意して待っててくれて...一緒にいるときでさえ俺がやることがないくらい家事を頑張ってくれてるのも知ってるよ。
ご飯を一緒に作る時間は楽しいし、掃除するときだって君と一緒だから楽しくできる。
この先ずっと隣にいてほしいと思う相手は、君だけだよ。
どうしたの、いきなり抱きついてきて...。
しばらくこのままでいようか。
雨のなか走って帰ってきたでしょ?君が寒いと思ってるときは、俺がこうやって抱きしめて温めるよ。
...明日を思い描けなくなったら、何回だって君の手を引っ張って歩く。
だから、嫌なことがあったときはひとりで抱えこまないで。
...ちょっと落ち着いた?
あ、今のは『どうしよう、沢山泣いて困らせた』の顔でしょ?
俺のこと、寧ろもっと困らせてくれた方が嬉しい。
ひとりで解決できなくても、ふたりでならなんとかなるかもしれないでしょ?
あ、今『ありがとう』って言ってくれた?
読唇のうで、またちょっとあがったかな。
...君の言葉は、俺が全部すくいあげる。
お風呂、先に入っておいで。夕飯は俺が作るから。
風邪引いちゃったらまずいでしょ?だから...ね?
君の言葉とか気持ちとか、俺にはちゃんと届いてるから。
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久しぶりに失声症の恋人で綴ってみました。
どんなに傷つく言葉を吐かれなれていても、まったく傷つかないわけではないと思うのです。
ねえ、いないの?
こんな時間に連絡せずにひとりで出掛けてるはずがないんだけど...。
...いた。どうして電気も点けずに座りこんでたの?
首を横にふっても駄目だよ。
ゆっくりでいいから、隠さないでちゃんと教えて。
『声が出ないのを知らない人にからかわれた』...どうして相手の気持ちを考えずにそんなことをする人がいるんだろうね。
仕事で遅くなるって連絡してたから、ひとりで買い物に行ってくれたんでしょ?
ごめん。俺が早く帰れればよかったんだけど...。
『誰も悪くない。ただ、からかったりする人もいるって分かってはいたけどやっぱり傷ついた』、か...君はすごいね。
俺ならきっと、どうしてこんなことされるんだって相手に掴みかかってる。
でも、君は傷ついたことも家に帰りつくまで我慢してたんでしょ?
やっぱり君は優しいね。
『あなたの方が優しい。私なんかをひとりの人として扱ってくれるから』って...そんなの当たり前でしょ?
たとえこのまま一生声が出ないままだったとしても、俺は君自身が好きなんだ。
大切にしたいって、ずっとそばで笑っててほしいって思ってる。
...卑屈になるのもなんとなく理解できてるつもりだけど、私なんかなんて思わないで。
俺は、君のいいところを誰よりも知ってるよ。
困っている人にメモ用紙で話しかけたり、誰かの為に必死になれたり...。
そういうことってみんなができることじゃないと思う。
毎日おかえりって言ってくれて、俺が遅くなったときはご飯もお風呂も用意して待っててくれて...一緒にいるときでさえ俺がやることがないくらい家事を頑張ってくれてるのも知ってるよ。
ご飯を一緒に作る時間は楽しいし、掃除するときだって君と一緒だから楽しくできる。
この先ずっと隣にいてほしいと思う相手は、君だけだよ。
どうしたの、いきなり抱きついてきて...。
しばらくこのままでいようか。
雨のなか走って帰ってきたでしょ?君が寒いと思ってるときは、俺がこうやって抱きしめて温めるよ。
...明日を思い描けなくなったら、何回だって君の手を引っ張って歩く。
だから、嫌なことがあったときはひとりで抱えこまないで。
...ちょっと落ち着いた?
あ、今のは『どうしよう、沢山泣いて困らせた』の顔でしょ?
俺のこと、寧ろもっと困らせてくれた方が嬉しい。
ひとりで解決できなくても、ふたりでならなんとかなるかもしれないでしょ?
あ、今『ありがとう』って言ってくれた?
読唇のうで、またちょっとあがったかな。
...君の言葉は、俺が全部すくいあげる。
お風呂、先に入っておいで。夕飯は俺が作るから。
風邪引いちゃったらまずいでしょ?だから...ね?
君の言葉とか気持ちとか、俺にはちゃんと届いてるから。
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久しぶりに失声症の恋人で綴ってみました。
どんなに傷つく言葉を吐かれなれていても、まったく傷つかないわけではないと思うのです。
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