物置小屋

１人向け・慰め系

蓮の池(隣人兼恋人)

よし、これで一区切りついたかな。
もう夜中の2時...全然気づいてなかった。
夕飯、食べてないや。急いで準備しないと。
...またこんな時間に出掛けてる。
危ないからやめた方がいいって言ったのに...。とにかく探さないと。


...どこ行っちゃったんだろう。
多分このあたりだと思ったんだけど...やっぱりいた。
お嬢さん、よければこれからお茶しませんか？なんて...。
君があの家から出ていくように言われたときや悩みがあるときはいつもここにいるでしょ？だから迎えに来た。
大したもてなしはできないけど、俺の家においで。
そんなに全力で首をふるほど嫌？...それじゃあ、迷惑じゃないかとか考えてる？
全然そんなことないのに...。
...今から夕飯つくって食べようと思ってたところなんだ。
ひとりだと食べきれないし、ずっとここにいたら風邪引いちゃうよ？
仕事、今日の分は終わったから遠慮しないで。
俺個人で完結する事情なんかより、大事な恋人が全身びしょ濡れで泣いてる方がずっと嫌だから。
傘はこれ使って。確かにここは蓮が綺麗に咲いてるけど、また今度ゆっくり見にこよう。
なんだかちょっと君に似てるのかもしれないね。
なんていうのかな...上手く表現できないけど、綺麗なところとか泣いてても滲み出てる神々しい雰囲気とか。
駄目だ、なんだか恥ずかしくなってきちゃった。
手、繋いでおかないとどこかへ行っちゃいそうだからこのままね。


はい、到着。服はこの前のがあるし、お風呂はもう沸かしてあるから入って。
...その間にすぐご飯が食べられるように準備しておくから。
タオルはいつものところにあるやつ使ってね。
...痣、また増えてたな。自分の娘が可愛いと思えない人たちって、どんな考え方を持ってるんだろう。
とにかく、俺には理解できない。
せめてここにいる間だけでも安心して過ごしてくれればいいけど...。

ゆっくり入れたみたいでよかった。
さっきまで着てた洋服は洗濯しておくね。
ちょっとベーコン焼きすぎたけど、あとはほぼ失敗せずにできた...と思う。
目玉焼きにスープにサラダ、あとはほぼ炊きたての白ご飯...なんだか朝御飯みたいなメニューになってごめん。
冷蔵庫に残ってたのがこれしかなかったんだ。
一緒に食べればきっと美味しいよ。
状況が違うとはいえ、俺も普段は独りだからこうやってふたりで食事ができるのは嬉しい。
...食べられそう？それならよかった。
何かあったらすぐ言ってね。それじゃあ、いただきます。
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蓮の花言葉は、今回の場合は『清らか』・『神聖』。
『離れゆく愛』なんていうものもありますが、そこは含まず綴りました。