物置小屋

黒蝶

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1人向け・イベント系

たとえ、羽衣を纏ったとしても。(お月見・ぐちゃぐちゃです、ごめんなさい)

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ねえ、それ何作ってるの?
月見団子...そういえばもうそんな時期か。
今年も一緒に作ろうか。
...そう、去年も一緒に作ったんだ。
ごめんなさいって、そんなに謝らなくて大丈夫だよ。
あのときの君、すごく楽しそうだったから...忘れちゃうんじゃないかとはちょっと思ってた。
だけど、今年もこうやって一緒に過ごせてる。それだけでいいんだ。
だから、今日も笑ってくれると嬉しいな。
取り敢えず夜までになんとか完成させちゃおうか。

結構多くなっちゃったね...。まあ、少ないよりはいいよね。
食べきれなかったらそのときはそのときということで...いただきます。
うん、やっぱり美味しいね。
丁度晴れて月も綺麗に見えてきたし...ん?どうしたの?羽衣を着てみたいって、かぐや姫の?
どうしてそう思ったの?
...感情がなくなったらちゃんと覚えていられるかもしれないからって...やっぱり、忘れちゃうのは辛いんだよね。
俺には全部が理解できてるわけじゃない。
これから先も...多分、全部は理解だきないのかもしれない。
だけど、もし感情がなかったら...君が俺を好きになってくれたことも、今こうして過ごしてる時間もきっと全部なかった。
それに、たとえ君が無感情だったとしても...俺は何度だってこの想いを伝えるよ。
君がどんな姿だろうと、俺の想いは変わらない。
君を愛する気持ちは、絶対に変えられない...!
だから、感情がなくなっちゃえばとか、忘れる自分を責めたりとか...そういうのはやめてほしいんだ。
心が綺麗なところとか、独りで抱えこむところとか...君はちょっとかぐや姫に似てるところもあるけど、独りになんかさせない。
それに、お迎えの月の使者もやってこないでしょ?
...どんなことがあっても、君は君だから。
大丈夫、そのまま泣きたいだけ泣いてていいからね。
涙が止まるまで、ずっと抱きしめてるから。
そうして泣けるのも、感情があるおかげだから...もし羽衣が存在したとしても、着ないでほしいな。
君が覚えてなくても、俺が覚えてる。
それに、おこったことそのものはなかったことには絶対にならない。
よしよし、大丈夫だから...。
本当に私でいいの?って、君でいいんじゃない、君がいいんだ。
俺の隣からいなくならないで。...ずっと側にいて。
嫌なことから、君を護るから。

...ねえ、上見て。さっきより月が綺麗だよ。
それから...君が作ってくれたお団子、やっぱり美味しい。
俺が作ると形が歪になるから、すごいなって思うよ。
月明かりで日記をつけるの?...こういうのを風流っていうのかな。
そんなに早く書かなくても、ゆっくりでいいのに...夜に溶けてしまいそうだからって、すごく詩的な表現だね。
ごめんごめん、馬鹿にしたんじゃなくて...そういうところも可愛いなって思っただけ。
あれ?もしかして照れてる?...やっぱり可愛いね。
そういえば、月の黒い部分って何の模様に見える?
模様には見えないけどウサギなら楽しいなって思う、か...去年と同じ答えだ。
いや、そういう考え方もいいねって言っただけだよ。
もう少しお団子を食べたら、残りはまた明日にとっておこうか。
綺麗な月を見られてよかった...また来年も、こうして過ごそう。
言ったでしょ、俺が覚えてるから大丈夫だって。
...それじゃあ、約束。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
お月見、綴ってみました。
『え、覚えてないの?重くて無理』...何度かそういう言葉をかけられて繋がりがなくなりました。
今でも思い出すと苦くて堪らないのですが、誰かに受け入れてもらえればそれが1番だと思います。
...居場所がほしい。高望みでしょうか?
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